石破茂の発言 (本会議)

⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

○国務大臣(石破茂君) 野田議員から合計四問の御質問を頂戴をいたしました。
 まず、経済運営で重視する指標としての我が国の幸福度についての現状認識と対策、また、人口減少社会のポジティブな側面についてのお尋ねをいただきました。
 国民の幸福度あるいは満足度につきましては、価値観が多様化する中、様々な要因によるところではありますが、その前提としては、安全、安心であること、頑張る人が報われるという社会の信頼の基盤が維持されていること、国民一人一人が豊かさを実感できることなどが必要であると認識をいたしております。
 これらのことを踏まえ、人口減少と地域経済縮小の悪循環というリスクを克服する観点から、まち・ひと・しごとの創生と好循環の確立により、活力ある地域社会の維持を目指していくことが必要であると考えております。
 御指摘のように、人口減少により経済規模が縮小しても、国民一人当たり所得を維持することができれば悪影響を与えないとする御意見があることは承知をいたしております。しかしながら、我が国における現在の人口減少局面は、その過程において高齢化を伴います。既に我が国では二〇〇八年をピークとして人口減少局面に入っており、今後、減少スピードがますます加速すると見通されております。長期ビジョンにおきましては、日本の人口はこのままでは約百年後の二一〇〇年には五千万人を切るとともに、高齢化率は四〇%を超える水準まで高まるとしております。
 したがいまして、この高齢化によって総人口の減少を上回る働き手の減少が生じ、その結果、総人口の減少以上に経済規模を縮小させ、一人当たりの国民所得を低下させるおそれがあると認識をいたしております。
 人口減少に歯止めを掛け、人口の安定化と人口構造の若返りを実現させるためには、昨年末、国の今後五か年の目標や具体的な施策メニューを盛り込んだ総合戦略を取りまとめたところであります。ここにおきましては四つの基本目標を設定し、これらを総合的に実施し、地方創生を進めることで、人口減少、超高齢化という構造的な課題に正面から取り組むことといたしております。これらの取組を通じて、地方創生の流れが不可逆的かつ自立的に動き始めることが重要であり、国と地方とが手を携えて課題に取り組んでまいります。
 次に、過去の政府の取組についての評価、課題についてであります。
 ふるさと創生事業を始めとして、地方振興に関し、これまでの政策はその時々の状況を踏まえて実施されたものであり、一定の成果は上げてきたと考えております。しかし、これまでの政策は、縦割り、全国一律、ばらまき、表面的、短期的といった点で課題もあったと考えております。この反省に立ち、今回の地方創生に当たりましては、これまでの政策検証を行い、政策五原則を定め、これに基づき、昨年末、総合戦略を取りまとめたところであります。
 今後は、総合戦略に盛り込んだ政策の効果を検証するPDCAのメカニズムを着実に機能させることで効果を不断に検証し、ばらまきや重複を排除しつつ、時代に合わない制度や組織の見直しも含め、目標達成に向けて必要な改善を行ってまいります。
 次に、小さな拠点の中で、地域再生拠点区域から離れたところに住んでいる住民の方々に対する対応についてのお尋ねをいただきました。
 小さな拠点の形成に当たりましては、複数の生活サービス機能を集約し、そこに行けば歩ける範囲で必要なものが手に入る拠点を形成するとともに、周辺集落と交通ネットワークでこれをつなぐことにより、一体的な日常生活圏を形成する地域全体の住民の暮らしを支え、持続可能な地域づくりを推進することとしております。
 したがいまして、離れた集落の住民の方々に安心して暮らしていただきますためには、その集落と拠点を交通ネットワークで結ぶことが重要であります。そのため、拠点と周辺集落をつなぐコミュニティーバス、デマンドバス等が、人だけではなく貨物も運べるようにするなど、交通ネットワークを確保するための措置を地域再生法改正案に盛り込んだところであります。
 また、小さな拠点の形成に当たりましては、市町村において本法案の趣旨を地域の住民の皆様に十分に御説明するとともに、地域再生計画作成の際に、公聴会等を活用して積極的に住民の皆様方の声を取り入れさせていただくことが肝要であり、政府としてもその旨、よく心して周知をいたしてまいります。
 地方への企業移転と雇用創出に関する目標についてであります。
 地方創生のためには、地方において急速に進みつつある人口減少に歯止めを掛けるため、地方での安定した良質な雇用を創出することが重要であります。
 そこで、地域再生法改正案におきましては、東京二十三区に集中している企業の本社機能の地方への移転や、地方における新増設を促進するための枠組みを整備することといたしており、こうした取組も含め、今後五年間の目標として、総合戦略におきまして、拠点強化、移転、拡充のことでありますが、拠点強化の件数で七千五百件、雇用者数について四万人増と掲げております。こうした動きが恒常的なものとなりますよう取り組んでまいります。
 これらに加え、国としては、地域における起業や人材育成を促進する施策にも取り組むとともに、移住する方や御家族にとって重要となる教育、医療、介護などの生活環境整備等を自治体において進めていただくことを通じ、東京から地方への新しい人の流れを生み出すことを目指してまいります。
 またあわせて、政府機関の移転についても、地方自らが考え、国に御提案いただくことで進めてまいります。なお、首都機能の移転につきましては、一貫して国会主導で検討が行われてきたところであります。政府といたしましては、国会での御議論が進むことがまず大事であると、このように考えておる次第でございます。
 以上であります。(拍手)
   〔国務大臣麻生太郎君登壇、拍手〕

発言情報

speech_id: 118915254X02320150603_008

発言者: 石破茂

speaker_id: 20757

日付: 2015-06-03

院: 参議院

会議名: 本会議