寺田典城の発言 (本会議)
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○寺田典城君 維新の党の寺田典城であります。
私は、ただいま議題になりました法律案について、会派を代表して質問いたします。
質問に先立ち、一言申し上げます。
やはり安倍総理はどこかおかしいと思います。
安保法制については、国民に説明もせず、議会に法案を提出していないのに、ワシントンまで出かけてアメリカの議会で夏までに成就させますと約束してきました。
また、集団的自衛権についても、安倍総理の考えているところまで踏み込むためには憲法改正が必要ではないでしょうか。後方支援であっても、相手国からすれば武力行使と一体と見られるのは当たり前であります。
登山に例えれば、エベレストに二人が登頂するために、ベースキャンプでは五十人近くが後方支援をしています。登山隊は、登頂する二人だけでなく、後方支援の五十人も含まれます。後方支援部隊も突然の雪崩に巻き込まれて犠牲になることだってあります。
東日本大震災では、在日米軍が約二万五千人動員されてトモダチ作戦が実行されました。アメリカとの同盟関係を強化することは理解できますが、安倍総理の想定するやり方には無理があるのではないでしょうか。
安保法制もさることながら、今の日本の財政は存立危機事態にあります。
例えば、昭和五十六年から始まった土光臨調では、昭和五十九年度赤字国債発行ゼロが公約とされ、公約が果たせなかった当時の鈴木善幸首相は退陣することになりました。八月までに策定される財政健全化目標については、土光臨調のような覚悟も伝わってきません。
議員の方々も、歳出総額を減らさなければならないことは分かっていても、自分のことについては歳出を増やす要求をしています。いわゆる利益政治を捨て、まず議会自らが痛みを感じて、その上で、地方自治体や国民に対し、地方交付税や社会保障費などの歳出削減について理解を求めなければ、財政健全化は達成できないのではないでしょうか。
国会に来て五年近くになりますが、揺り籠から墓場まで、言い換えると、幼稚園、保育園から介護施設に至るまで、中央集権的に省益や既得権を守り、前例、慣例を重んじるシステムには驚いております。
制度を変えることができるのは、国権の最高機関である国会です。この国のシステムを根本から変えてみるおつもりはありませんか。石破大臣にお聞きします。
次に、コンパクトビレッジについてお聞きします。
これまでもコンパクトシティーの例はよく聞きますが、成功事例については余り聞こえてきません。一つ二つの成功例が出てきたからといって、その処方箋は全ての地域に有効なものではありません。ところが、国が全国的に展開を始めると、どの地方自治体も流行に走り、模倣し始めます。
コンパクトシティーを一回り小さくしたコンパクトビレッジも、結局は財政支援措置の中で、全国各地で国の決めた規格どおりの公共施設を整備することになります。今までも各自治体は財政力以上の施設を持ち過ぎてきました。物を持たない豊かさへと考え方を変えていかなければなりません。
地方の農山村を訪れ、そこに住んでいる方々に話を聞きますと、今住んでいるところを離れて町に移住したいという人は少ないのです。山村で暮らしていた人が農業をやめて町に住んでも、生きがいをなくすだけです。住む人がいなくなれば、農地や里山はすぐに原発の被災地の農地のように背丈ほどもある雑草が生い茂り、荒れ果ててしまいます。人口が減少していくのは自然の流れであります。自然の流れに逆らおうとしてもうまくいかないのではないでしょうか。
コンパクトビレッジなどといって人工的に活性化するのではなく、最低限の福祉を維持し、自然の姿に任せ、集落をみとっていくという考え方はいかがですか。石破大臣にお伺いいたします。
これから超高齢化社会を迎えるに当たって、地方よりも心配なのはむしろ都市部です。例えば、六十五歳でリタイアしたサラリーマンは、そこから二十年も生き続けなければなりません。リタイアしてから本当の人生が始まります。組織を離れて自分の生き方をコントロールしていくのは大変なことであります。
これから十年後には、団塊の世代の方々が後期高齢者となります。高齢化率が三〇%、後期高齢者は一八%になると見込まれています。今から対策を考えなければ、医療費や介護費で国家財政がパンクしてしまいます。
都市部に住む高齢者に生きがいを持って暮らしてもらい、介護を必要としない健康な人を増やしていくためには、どのような施策を考えられるでしょうか。石破大臣にお尋ねいたします。
また、高齢者が増加すると、高齢者をターゲットとした消費者被害も拡大することが懸念されます。現在、消費者被害はおよそ六兆円規模であると言われています。おれおれ詐欺などに引っかかりやすいのは、公務員や銀行員といった堅い商売の方が多いというデータもあるそうです。判断能力が低下した高齢者でも安心して消費活動が行える環境を整備する必要性は地方よりも都市部の方が高いのです。
これから十年後に向けて、高齢者の消費生活の安全、安心を確保するために、消費者庁ではどのような施策に取り組んでおられますか。山口消費者担当大臣にお伺いします。
次に、地域活力向上についてお尋ねします。
地方に人口を定着させるためには、安定した良質な雇用確保が必要であることは確かであります。しかし、税制優遇措置や中小企業基盤整備機構による債務保証を行っても、人や企業を移動させることは困難であると思います。それよりも、地方で起業を促す施策と人材育成を優先させるべきであります。個の能力を高めれば、いろいろな形で活用することができます。優秀な人材が集まれば、自分たちで事業を起こすだけでなく、都会の企業も自然に進出してくるのではないでしょうか。
例えば、子育て支援を徹底したり、義務教育等のレベルを引き上げたり、あるいは、高度な経験や技能を持ったリタイアした人材を講師に招き、専門学校等を設置して若者や中高年に高度なスキルを身に付けさせるということも考えられます。
しっかりとしたコンセプトを持って町づくりをすれば、自然と人や企業が集まり、地域が活性化するのではないでしょうか。石破大臣の御見解をお伺いします。
また、グローバル化に対応できた企業は地方でも生き残っています。そのためには、地方でも積極的に海外にインターンを派遣したり、留学させるなど、グローバル人材の育成を行っていくべきであります。地域活力向上特定施設整備事業の所要額の一部を人材育成に振り向けることは考えられませんか。石破大臣の御見解をお伺いいたします。
次に、第五次一括法案に関連してお尋ねいたします。
平成五年の衆参両院における地方分権推進に関する決議から始まった地方分権改革ですが、平成十七年の合併特例法により、約三千二百の市町村が千七百になり、平成二十二年には道州制まで一気に進むものと期待していました。その当時、私は秋田県知事をしておりましたが、北東北三県が一つになるのではないかと思い、人事交流も始めました。
市町村合併についていえば、少子高齢化や人口減少が進み、重複行政を廃止し、行政コストを削減しなければ財政がもたないという危機感を各自治体が持っていたから合併が進んだのだと思います。危機的な状況にある我が国の財政を立て直すためには、地方分権を進め、各地域を自立させていかなければなりません。ところが、地方分権については、市町村合併以降、目立った動きが見られません。何のための市町村合併だったのでしょうか。石破大臣にお尋ねいたします。
地方分権によって県から権限を移譲された市町村は、小さな町であっても中核市に近い事務をこなしてきました。やろうと思えばできるのに、なぜ一気に地方分権を進めようとせずに、毎年小出しに法案を出してくるのでしょうか。石破大臣にお尋ねします。
地方創生と地方分権は中央集権との闘いであり、既得権との闘いでもあります。役人と政治家が日本の財政を破綻に導こうとしています。解決が困難な課題に立ち向かわれる石破大臣に敬意を表しまして、私の質問を終わります。
御清聴、誠にありがとうございました。(拍手)
〔国務大臣石破茂君登壇、拍手〕