石破茂の発言 (本会議)
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○国務大臣(石破茂君) 寺田議員から七問いただきました。
まず、中央集権的なシステムの打破についてであります。
地方分権につきましては、国は外交・安全保障など国家の本来的任務を重点的に担い、住民に身近な行政はできる限り地方公共団体が担うということを基本としつつ推進していくべきものであります。
しかるに、これまで我が国は、行政上の事務権限の多くが国に留保され、国の法令等による地方への義務付け・枠付けが広く行われるなど中央集権型の行政システムとなっていたため、地方分権改革の取組により、地方に対する事務権限の移譲、義務付け・枠付けの見直し等について数多くの改革を実施してまいりました。昨年からは地方からの提案を募る提案募集方式を導入しており、今後とも、地方の発意に根差した改革を着実に進めるため、最大の努力を重ねてまいります。
このように、地方分権改革を進めることにより、国、地方を通じた財政健全化にも寄与したいと考えております。
コンパクトビレッジについて、最低限の福祉を維持し、自然の姿に任せ、議員の言葉をそのまま引用すれば、集落をみとるべきではないかとのお尋ねをいただきました。
中山間地域等において、特に人口の減少や高齢化が進んでおりますが、引き続き同じ集落に住み続けたいという御希望を持つ地域住民は多く、これらの地域において住民の安心な暮らしを守ることは重要な課題であります。
このためには、生活サービスを集約し、そこに行けば歩ける範囲で必要なものが手に入る拠点の形成、拠点と周辺集落をつなぐネットワークの形成等が効果的と考えられ、地域再生法の改正案において、コンパクトビレッジ、いわゆる小さな拠点の形成に必要な支援を盛り込んだところです。
集落生活圏の在り方については、住民の方々にも自らの地域の将来の問題として十分に御議論をいただきたいと考えており、このような住民の皆様の意向を踏まえた市町村の取組を国としても支援をいたしてまいります。
都市部の高齢者の退職後の生活に関する施策についてであります。
東京都、千葉県、埼玉県及び神奈川県の一都三県は、今後、ほかの地域にも増して急速に高齢化し、後期高齢者の数は、今後十年間、すなわち二〇二五年までで百七十五万人増加することが見込まれております。
このため、一都三県におきましては、高齢者医療・介護の総合対策について、広域的視点に立ち早期の対応を図ることが重要と考えており、昨日、東京都知事や神奈川県知事等の参加の下、一都三県と国との連絡会議を開催し、高齢化問題等について、今後連携して取り組んでいくことで認識が一致をいたしました。
また、東京都在住者のうち、五十代男性の半数以上、五十代女性及び六十代男性、女性の約三割が地方への移住の意向を示しておられることから、都会から地方へ移住し、健康でアクティブな生活を送りたいという高齢者の御希望の実現を図るとともに、地方への人の流れを推進するため、現在、日本版CCRC構想について検討を進めており、一昨日、有識者会議において素案を取りまとめていただきました。
この素案におきましては、地方に移住した高齢者が目標志向型のプランに基づいて、就労や社会活動、生涯学習などに積極的に参加をし、地域の中で支え手としての役割を担っていただくことなどを通じて、できるだけ長く健康で活躍できる仕組みを基本コンセプトの一つとしてお示しをしておるところであります。今後、この構想の実現、普及に向けて更に検討を進め、年内に成案を得たいと考えております。
地方での起業促進、生活環境整備による雇用の確保についてであります。
御指摘のとおり、地方に人口を定着させるためには、地方での安定した良質な雇用を創出することが重要であります。
今回の地域再生法改正案におきましては、東京二十三区に集中している企業の本社機能の地方への移転や地方における新増設を促進するために、各地域の計画的、戦略的な企業誘致の取組と相まって、事業者にとって大きな負担となる施設整備や雇用に伴う初期費用を軽減する枠組みを整備することといたしております。
こうした取組も含め、今後五年間の目標として、総合戦略におきまして、移転、拡充の拠点強化の件数で七千五百件、雇用者数について四万人増と掲げております。総合戦略には、地域における起業や人材育成を促進する施策も盛り込んでおり、例えば創業スクールを全国各地で開催するとともに、新たな事業分野に挑戦する創業、第二創業の支援などを行うこととしております。
他方、企業の移転に伴い地方へ移住される方やその御家族にとっては、教育、医療、介護などの生活環境が整備されているかという観点も極めて重要であり、これらの政策を総合的に推進し、国と地方と民間とが一体となり、人々が安心して生活を営み、子供を産み育てられる環境を地方においてつくり出してまいりたいと考えております。
地方におけるグローバル人材の育成についてであります。
地域において企業が活躍するためには、地域経済を担う人材育成の促進や、地域の企業等の優れた技術、サービス等の海外展開を図るなど、グローバル化に対応することが重要であり、昨年末に取りまとめました総合戦略におきましても、地方における人材育成や地域の企業が海外販路を拡大するための支援策を重点施策として盛り込んでおります。
議員御指摘のグローバル人材育成につきましては、経済産業省において中小企業等の人材を海外へ派遣するインターンシップ事業や、厚生労働省においてキャリア形成促進助成金によるグローバル人材育成の支援に取り組んでおるものであります。
今後とも、委員の御意見を踏まえ、関係省庁と連携しながら総合戦略を着実に実行することで、地域での企業で活躍するグローバル人材の育成に取り組んでまいります。
市町村合併の意義と地方分権についてであります。
平成の合併により、市町村の規模が拡大し、専門職員の確保など、地方分権の受皿としての執行体制が整備されつつあるものと認識をしております。
これを踏まえて、平成二十三年以降の四次にわたる地方分権一括法では、都道府県から市町村への事務権限の移譲に限っても、延べ七十四法律の改正を行っており、例えば、未熟児の訪問指導の事務を全ての市町村に移譲し、子育てに関する相談窓口を一元化しているなど、市町村への事務権限の移譲を進めておるところであります。
今回の第五次地方分権一括法案を含め、今後とも、地方からの御提案をいただきながら、住民に身近な行政はできる限り住民に身近な地方公共団体が担うことを基本として、地方分権改革を推進してまいります。
地方分権一括法についてでありますが、第四次までの一括法は、平成二十年から二十一年にかけて出された地方分権改革推進委員会の広範な勧告を受け、義務付け・枠付けの見直しや権限移譲など、一定のテーマごとに各年度順次取り組みましたため四次にわたったものでありますが、それぞれ数多くの法律改正を行ったところであります。
今回の第五次地方分権一括法案は、こうしたこれまでの改革の基盤の上に立ち、地域の発意や多様性を重視した提案募集方式に基づき改革を進めるものであります。地方六団体からは、地方分権改革の力強い前進が図られたとの評価もいただいており、今後とも、一歩一歩着実に地方分権改革を推進してまいります。
ありがとうございました。(拍手)
〔国務大臣山口俊一君登壇、拍手〕