吉良よし子の発言 (本会議)

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○吉良よし子君 日本共産党の吉良よし子です。
 私は、日本共産党を代表し、地域再生法改正案と地域改革推進整備法案、いわゆる第五次一括法案について質問いたします。
 初めに、口永良部島の爆発的噴火によって避難を余儀なくされている住民の皆さんに心からお見舞い申し上げます。
 梅雨や台風などの迫る中、家畜も家も車もそのままに、着のみ着のまま避難した皆さんの住まいやなりわいの基盤を守ること、家族で安心して住める避難所を確保することは急務です。避難生活が長引くことも予想される中、民間住宅や民宿をみなし仮設住宅として借り上げること、また、最大限の安全対策を確保した上で可能な限り一時帰島を実現すること、そのために、火山専門家も加わった総合的評価と住民への十分な説明などを含む監視体制の強化が必要ですが、防災担当大臣、国土交通大臣の答弁を求めます。
 それでは、石破大臣にお尋ねします。
 昨年十一月、私は本会議の質問で、地方創生の真の狙いが、集約と活性化により安倍内閣の成長戦略を進め、小泉内閣以来の地方構造改革を更に推進するものと指摘しました。今年に入り政府は、住民に身近な施設などを一つのエリアに集約する小さな拠点や連携中枢都市圏構想の推進に躍起になっています。
 しかし、集約される地域とは、ただ単に人が住んでいるだけではありません。伝統や文化もその地域に根付いています。例えば、宮崎県椎葉村では村内二十六集落、高千穂町では町内二十集落にそれぞれ別個の神楽、夜神楽が残されています。これらは収穫への感謝や一年の生活の安定を祈る祭りですが、町村外へ出た人の帰省を待ってまで続けている集落もあるといいます。そういう集落が人口減少や効率化を理由に集約されれば、こうしたそれぞれの伝統や文化も無慈悲に切り捨てられてしまうのではありませんか。地域、文化の切捨てにつながる集約はやめるべきです。答弁を求めます。
 井戸敏三兵庫県知事は、四月、本院の国の統治機構に関する調査会で、コンパクトシティーや小規模拠点は、一極集中のピラミッド構造を全国津々浦々にまではびこらせようとする発想、中心部だけが繁栄して周辺部の衰退を加速させる、一強成って万骨枯るということにつながると批判されています。石破大臣はこの声をどう受け止めますか。
 続いて、石破大臣に地域再生法改正案について具体的に伺います。
 本改正案は、まち・ひと・しごと創生総合戦略に基づき、中山間地等において生活・福祉サービスを一定のエリア内に集め、周辺集落と交通ネットワーク等で結ぶ小さな拠点の形成を支援することにしています。
 衆議院の審議で、過疎地における交通の確保について、コミュニティーバスなど、今ある手段だけではカバーできると言い切れないことが明らかとなりました。交通の確保、維持のために、関係省庁との連携の下に急いで支援していかねばなりません。
 ところが、財政措置について問われた石破大臣は、地域に合わせていろいろな制度を組み立てていくという逆の発想が地方創生には必要と述べる一方、財政が厳しい中で、財政重複の排除あるいは縦割りの排除は優先して考えるべきものと答弁されました。
 生活に欠かせない交通ネットワークの整備、維持に係る施策が、財政重複の排除、縦割りの排除によって削減されるということはないと断言できますか。答弁を求めます。
 本改正案では、小さな拠点づくりを含む地域再生土地利用計画を作成することとしています。この計画の作成には、公聴会の開催など住民の意見を反映させるとされていますが、住民の同意は求めていません。住民らが暮らす集落の再編に関わる問題だからこそ、同意を必要とすべきではありませんか。答弁を求めます。
 企業の地方拠点強化について、昨年十二月に閣議決定した、まち・ひと・しごと総合戦略では、多様な正社員の普及、拡大を掲げ、キャリアアップ助成金を活用し、地域限定正社員化を進めるとしています。しかし、限定正社員の場合、普通の正社員に比べ待遇に格差が生まれます。地方でこそ、安定した良質な雇用、正規雇用を拡大していくべきではありませんか。地方創生を労働条件の格差の拡大、雇用の流動化に利用することは許されないと思いますが、いかがですか。
 次に、いわゆる第五次一括法案に含まれている農地法、農振法の改正案について農水大臣に質問します。
 農地は、いわゆる普通の土地とは違い、食料生産の基盤です。この農地の確保と保全は、国民の食料を確保する上で最も基本的な課題です。
 食料・農業・農村基本法七条では、食料の安定的供給の確保を国の責務と定めていますが、その責任を果たすために、農地の確保についても国が責任を持つべきです。だからこそ、転用については国の許可を必要としてきたのです。
 しかし、その農地法の下でも、かつて六百万ヘクタールあった耕地がこの半世紀の間に四百五十三・七万ヘクタールへと減少し、その間、食料自給率もカロリーベースで七三%から三八%へと半減してしまいました。
 既に、農用地区域の設定、変更については、この間の地方分権の流れの下で市町村が自治事務として行うとされています。これに加え、今回の農地法の改正で転用許可権限も市町村に帰属させたら、農地の転用や権利移動についての権限は市町村に集中してしまいます。
 また、農振法の改正で、農業振興地域整備計画で定められた農用地区域における宅地の造成、土石の採取又は建築物の新築、増改築などの開発行為についても、都道府県知事の許可を条件としていたのを指定市町村長に移譲するとしています。こんなことをすれば、地元の地権者や進出企業の開発の意向に引きずられて、農地の壊廃は一層進み、食料生産の基盤が大きく損なわれることになるのではありませんか。そうならないという保証はありますか。
 さらに、農振法はこれまで、農用地確保のための国の責任が明確にされていたのに、本改正案では、関係市町村の意見、都道府県知事の意見を聞かないと農用地確保の基本方針を農水大臣は決められなくなります。
 農水大臣にお尋ねします。今ある農用地等の確保に関する基本方針では、平成三十二年に確保すべき農用地等の面積を四百十五万ヘクタールと定めていますが、これを見直すというのですか。国が持つべき目標を地方からの積み上げに委ね、国が果たすべき食料の安定的供給と農地の確保という責任を本当に果たすことができるのですか。
 農地の転用は、九〇年代のリゾート法など、バブルをもたらした開発ブームの中で急速に進みました。今、地方創生の名で地方版総合戦略の作成が全ての自治体に求められています。この戦略の中身によっては、農地に関する規制緩和と相まって、一層の農地の壊廃をもたらすことにはなりませんか。
 国民の命を支える食料の安定供給の土台であり、国土や環境、伝統文化を守る役割を果たしている農業を、この法案を含めた政府の農地改革で掘り崩すことはあってはなりません。石破大臣の答弁を求め、質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣石破茂君登壇、拍手〕

発言情報

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発言者: 吉良よし子

speaker_id: 31216

日付: 2015-06-03

院: 参議院

会議名: 本会議