石破茂の発言 (本会議)
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○国務大臣(石破茂君) 吉良議員より六問御質問いただきました。
まず、集約により集落の伝統や文化を切り捨てることになるのではないかという御質問であります。
中山間地域等におきまして、特に人口の減少や高齢化が進んでおりますが、引き続き同じ集落に住み続けたいという御希望を持たれる地域住民の方々は多く、これらの地域において、住民の方々の安心な暮らしとともに、その地域の伝統や文化を守ることは重要な課題であります。
一方、少子高齢化や人口減少、厳しい財政状況を踏まえると、このまま手をこまねいていれば地域の安心な暮らしを支える生活サービスの維持が一層困難となるおそれがあると考えております。
このため、地域再生法改正法案では、地域住民の合意の下、日常生活に必要なサービスを提供する施設を集約するとともに、周辺集落と交通ネットワートで結ぶコンパクトビレッジ、いわゆる小さな拠点を形成することを盛り込んでいるものであります。これにより、その地域に住み続けながら生活サービスを享受できるようにするという考え方であり、それがひいては地域、文化、伝統を守ることになると、そのような考え方にのっとっておるものでございます。伝統や文化を無慈悲に切り捨てるようなことは絶対にいたしません。
井戸敏三知事の御発言についてであります。
知事からは、コンパクトシティーやコンパクトビレッジという発想は、一極集中のピラミッド構造を全国にはびこらせるものであるとの御意見があったことは承知をいたしております。
しかしながら、これらの政策によって我々の目指すところは、人口減少に伴い住民の生活に必要なサービス機能の維持が課題となっている中にあって、これらの機能を拠点に集約するとともに、周辺との間を交通ネットワークで結ぶことにより、中心部のみならず周辺部の住民の方々も一体となって安心な暮らしを享受できる持続可能な地域をつくることにございます。
したがいまして、コンパクトシティーやコンパクトビレッジという発想は、中心部だけが繁栄して周辺部の衰退を加速させるものであるとの御批判は当たりません。
次に、交通ネットワークの整備、維持に係る施策の財政措置の削減の有無についてであります。
過疎地域等において住民の方々が安心して暮らしていけるようにするためにも、交通ネットワークが確保、維持されることが重要であります。その上で、今回の地方創生におきましては、これだけしか予算がないのでそれに合わせて取組をしてもらうということではなく、その地域に最もふさわしい交通ネットワークの整備、維持に係る取組をその地域にお考えいただき、それに合わせた形で財政措置を組み立てていきたいと考えております。
なお、財政が厳しい中におきましては、重複の排除、縦割りの排除を進め、真に必要な取組を進めるための財源を確保することは必要なことであります。
地域再生土地利用計画の作成に当たって住民の同意を必要とすべきではないかということでありますが、小さな拠点の形成を進めるに当たりましては、当該地域に生活しておられる住民の方々の声を反映させながら進めていくことは重要であります。
このため、地域再生法改正法案では、市町村は、地域再生土地利用計画の作成に当たっては、公聴会の開催その他の住民の意見を反映させるために必要な措置を講ずるものといたしております。この手続では住民の同意までは求めておりませんが、今回講ずる措置により、計画作りに当たる市町村は、できるだけ多くの地域住民の御参加を得ながら、多様な意見を酌み取り、粘り強く住民の合意形成を図っていくことになります。
次に、地方における安定した良質な雇用の拡大についてであります。
地方創生の推進には、若い世代が地方で安心して働くことができるよう、相応の賃金、安定した雇用形態、やりがいのある仕事を満たす、以上の雇用の質を重視した魅力のある仕事を地域につくっていくことが必要であると考えており、国の総合戦略にも明記しておるところであります。
地方における雇用の場の創出に当たりましては、雇用の量ばかりではなく、魅力ある職場づくりや労働環境の整備に取り組み、質の向上を図ることが必要です。このため、総合戦略におきましては、若い世代の経済的安定を柱に据え、若者や非正規雇用労働者の安定雇用の実現に向けた取組を進めることといたしており、引き続き、地方での質が高く安定した雇用の実現に向けて取り組んでまいります。
農地転用許可の権限移譲についてでありますが、今般の制度の見直しは、地方分権と食料の安定供給等に必要な農地の確保の両立を図る観点から地方に権限移譲を行うものであり、転用許可基準の規制緩和を行うものではございません。
また、地方への権限移譲に併せて、農地の総量確保の仕組みにつき、市町村の意見聴取手続を創設するなど、国と都道府県、市町村が相互に協力して、国全体として農地の総量確保が図られるよう充実強化することとしております。
地方団体におきましては、先般、農地転用の権限移譲に当たって、転用許可の適正な運用を徹底するとともに、農地の確保に関して国とともに責任を担っていく旨の申合せを行っており、地方版総合戦略の策定に当たりましても、必要な農地を確保しながら、農林水産業、農業の成長産業化に向けた取組を進めていただけるものと、このように考えておる次第でございます。
以上であります。(拍手)
〔国務大臣山谷えり子君登壇、拍手〕