下村博文の発言 (本会議)
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○国務大臣(下村博文君) 那谷屋議員から十一の質問がありました。
最初に、国立競技場の建設等についてお尋ねがありました。
国立競技場の整備については、文部科学省として、実施主体である日本スポーツ振興センターへの職員派遣等の支援を行っておりますが、今後とも緊密に連携を図り、本年秋の着工、二〇一九年春の竣工に万全を期してまいります。
また、その費用については、多様な財源の確保に努めるとした閣議了解を踏まえ、国費、スポーツ振興くじによる財源の活用のほか、東京都に対し一部負担を要請しているところであり、今後、調達手続の進捗を踏まえ、丁寧な説明を行うなど、理解が得られるよう努めてまいります。
次に、安倍政権の教育再生についてのお尋ねでありますが、そもそも教育の役割は、個々人の潜在能力を最大限に引き出し、互いを認め合い、社会に貢献しながら自己実現を図ることにより、一人一人が幸福に、より良く生きられるようにするための手だてを提供することであります。
安倍内閣として、その実現のために様々な改革に取り組んでいるところであり、決して教育予算の削減を目的とするものではありません。今後とも、安倍政権の最重要課題である教育再生の実現に向けて全力を尽くしてまいります。
次に、義務教育学校と教育の機会均等についてのお尋ねでありますが、社会で自立的に生きる基礎を養う義務教育段階では、機会均等が特に強く要請されます。この点、義務教育学校は、小中学校の学習指導要領が準用され、その内容項目を網羅して教育活動を行うなど、小中学校と異なる内容、水準の教育を施す学校ではありません。
今回の制度化により、小中一貫教育を通じた学校の努力による学力水準の向上や、学校段階間の接続に関する優れた取組の普及による公教育全体の水準向上は期待をしておりますが、教育の機会均等を阻害するものとは考えておりません。
次に、制度化が拙速ではないかとのお尋ねであります。
小中一貫教育については、全国各地で数多くの実践が行われ、顕著な成果が報告されるとともに、実施上の課題に関する効果的な解消策も蓄積されてきております。一方、現在、小中学校が別々の組織として設置されていることからくる様々な運用上の課題が指摘されており、学校現場からも義務教育学校の制度化が要望されていたところであります。
このような状況を踏まえ、教育再生実行会議や中央教育審議会において、全国実態調査も行いつつ、慎重かつ丁寧な議論をし、今回の制度化を判断したものであります。
次に、人間関係の固定化についてのお尋ねであります。
小中一貫教育については、これまでの実践から、いわゆる中一ギャップの緩和等、顕著な成果が報告される一方、指摘されている課題への効果的な対応策も蓄積されております。
こうした現場の実態を踏まえ、中央教育審議会答申では、人間関係の固定化について、多様な形態での異学年交流の大幅な増加や、より多くの教職員が子供と関わり、多面的な評価を行う体制の構築が効果的であるとしております。
文科省としては、この答申の趣旨に沿って、優れた取組事例の積極的な周知や、小中一貫教育を効果的に行うための指導体制の確保を図ってまいります。
次に、教職員の負担軽減策についてのお尋ねでありますが、小中一貫教育に取り組んできた学校からは、教職員の負担増の解消が課題として挙げられております。このうち、小中学校が別の組織であることに起因する課題は、今回の義務教育学校の制度化により解消され、また、校内組織や会議の一元化などにより、従来より業務を効率化させることができる面もあります。
他方、九年間を見通した指導を行うに当たっては、従来の小中学校にはない新たな業務が生じる場合もあると考えられます。文科省としては、総括担当の副校長、教頭の配置や、負担軽減の好事例の提供等の支援策を講じてまいります。
次に、義務教育費の削減についてのお尋ねでありますが、いじめや特別支援教育など、学校現場の課題は大幅に増加、複雑困難化しており、これまで以上にきめ細やかな対応が必要となっております。また、グローバル社会に対応する主体的、協働的な学びであるアクティブラーニングのための指導体制の充実も必要であります。
文科省としては、これらの課題への対応や新たな教育の実現を目指し、さきの参議院文教科学委員会及び衆議院文部科学委員会における御決議の御趣旨も十分に踏まえ、教職員定数の確保を始め義務教育環境の充実に努めてまいります。
次に、教員免許のお尋ねであります。
義務教育学校の教員については、教育職員免許法の趣旨を踏まえ、小中免許状の併有を原則とした上で、当分の間、経過措置を設け、制度の円滑な推進に取り組むこととしております。これに沿って、両免許状の併有者をどの程度確保するかは、各地域で各々の実情を踏まえ判断することとなります。
また、教員免許更新制については、教員が資質、能力を保持する上で今後とも必要な制度であり、引き続き充実に努めてまいります。
次に、エリート校化の懸念についてのお尋ねがありました。
市町村立の義務教育学校は、小中学校と同様に、就学指定の対象とすることを予定しており、入学者選抜は行われません。
また、いわゆる学校選択制は、あくまで就学指定の手続の一つとして行われるものであり、特定の学校に入学希望者が集中した場合の調整に当たっては、就学指定の基本的な仕組みを踏まえ、学力による入学者選抜が行われることはないことから、エリート校化するおそれがあるとは考えておりません。
最後に、地域との連携についてのお尋ねであります。
地域とともにある学校づくりの観点から、義務教育学校の導入に当たっては、保護者、地域住民と新たな学校づくりに関するビジョンを共有し、理解と協力を得ながら進めていくことは重要なことであります。
義務教育学校の設置に際し、学校設置条例の改正に当たっては、住民の代表で構成される地方議会の議決を経る必要があることから、トップダウンで設置の判断が行われることにはならないと考えます。
文科省としては、施行通知や説明会等を通じて、これらの事柄を周知徹底するとともに、優れた取組事例を積極的に収集し、情報提供してまいります。
以上であります。(拍手)