望月義夫の発言 (本会議)
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○国務大臣(望月義夫君) 地域ブロック協議会の取組を法律に規定しない理由についてお尋ねがありました。
地域ブロック協議会は、地方環境事務所が中心となって、地方自治体や地域の民間事業者、専門家などが参画する地域の災害廃棄物対策について、共に考え、協力をしていくための場でございます。この協議会は、事前の対策と災害発生後の対処方法の両方について、関係者が役割分担を明確にし、連携協力して取り組んでいくための軸として有効に機能していくことを期待をしているわけであります。
この協議会の趣旨を踏まえれば、発生した廃棄物の種類や量に応じて円滑かつ迅速に対応するためには、あらかじめ法律によって協議会の役割、目的を限定し、あるいは、会に参画する者の地理的範囲を限定するのではなく、各自治体レベル、地域ブロックレベル、さらには複数の地域ブロック間レベルという重層的なレベルでの協力関係が柔軟に築かれるようにしておくことが重要であります。このため、地域ブロック協議会においては法定しないことが適当と考えたものであります。
自治体における災害廃棄物処理計画が進んでいない理由についてお尋ねがありました。
自治体の多くは、災害廃棄物処理計画の策定の必要性を認識していても、作成に当たる職員を確保できない、作成に必要な専門的な知識や経験がないといった課題を抱えているため、策定が思うように進められない状況にあるものと考えております。
このため、国としては、専門家の派遣に加え、災害廃棄物処理を経験したことのある自治体の職員等をリスト化しておき、支援が必要な自治体に対し当該人材を派遣し、災害廃棄物処理の計画策定を支援できる人材ネットワークの構築を進めることとしております。
災害廃棄物処理計画の策定の進め方についてお尋ねがありました。
御指摘のとおり、国としては、平成二十七年三月に閣議決定された首都直下地震緊急対策推進基本計画において、東京都のほか、埼玉県、千葉県及び神奈川県の全市町村については、平成三十七年度に災害廃棄物処理計画の策定率を一〇〇%に近づけることを目指すこととしております。また、他の地域におきましても、国土強靱化基本計画に基づき作成された国土強靱化アクションプラン二〇一四において、災害廃棄物の処理計画の策定率を全市町村について平成三十五年度までに八〇%まで引き上げることとしております。
これら計画に定めた目標を達成すべく、国としては、都道府県廃棄物処理計画において、災害対応について本法案で新たに規定することを踏まえ、その実施を促すとともに、全国八か所の地域ブロック協議会において、自治体に対して災害廃棄物処理計画の策定の必要性を適切に説明し、さらに、策定のための分かりやすい指針を示し、専門家を派遣することにより自治体における処理計画策定を支援することとしております。
災害廃棄物発生量の推計方法についてお尋ねがありました。
災害廃棄物発生量の推計は、将来の災害廃棄物対策に向けた処理計画を策定する上で、また発災直後に迅速に災害廃棄物の処理を進める上でも非常に重要であります。
そのため、平成二十五年度から、有識者会議において東日本大震災の教訓を踏まえた発生量推計に必要な係数を確定し、推計方法を具体化したところです。今年度はさらに、時間の経過に伴う木くずの腐敗等による廃棄物の質の変化等を考慮し、かつ自治体が活用しやすい推計方法を確立すべく検討を進めてまいる考えであります。
仮置場の確保に係る自治体の状況と対策についてお尋ねがありました。
昨年二月にまとめたアンケート調査の結果では、約三割の自治体において仮置場の候補地を選定しているとの回答をいただきました。災害廃棄物処理においては仮置場を迅速に確保することが極めて重要であることから、環境省としても、国が所有する公有地の情報について、地域ブロック協議会を通じて都道府県や市町村に情報提供などを行い、各自治体における仮置場の確保を促してまいる考えであります。
本法案で措置した特例についてお尋ねがありました。
法案に規定する特別措置の考え方につきましては、東日本大震災時に措置した特例だけではなく、そのほかにも必要な特例措置はないか、専門家や関係自治体等が参画する検討会での議論や、東京都への個別のヒアリング、東日本大震災当時の被災自治体からの要望等を踏まえ、検討いたしました。
その結果、法律における特別措置として、東日本大震災時に措置した国により代行措置に加え、廃棄物処理施設の新設及び既存施設の活用に係る手続の簡素化について新たに規定することとしたものであります。
なお、東日本大震災時に措置した特例であって、今回の法案において規定しなかった特例措置としては財政支援に係る措置がありますが、これについては、発生後に確定的な措置を講ずるものであるため、発生前からあらかじめ特例措置を整備する今回の法案においては規定しておりません。
今後の災害に備え、東日本大震災時に政省令により措置された特例と同様の特例をあらかじめ整理しておくことについてお尋ねがありました。
お尋ねの点は極めて重要であると考えており、今回の法改正に係る一連の災害廃棄物対策におきましても同様の考えに沿った作業を進めております。
具体的には、東日本大震災時に政省令等により行った特例的な措置につきましては、これらの政省令等を総点検し、今後の災害にも措置することが必要なものにつきまして、本法案と時期を合わせて政省令を改正、施行する準備を進めております。
災害廃棄物の処理の再々委託を認めない理由についてお尋ねがありました。
災害廃棄物処理の再委託につきましては、東日本大震災時に行った特例のうち、今回の法改正と併せて整理する必要がある特例として、政令改正により対応することとしております。
他方、再々委託につきましては、一部の業界からこれを認めるべきではないかとの御指摘があることは承知しておりますが、一般廃棄物の処理については、本来は市町村が処理業者と直接委託契約を結び、処理が確実に行われるよう指導監督をすることが原則であります。再々委託を可能にすると、市町村の責任を不明確にし、不適正処理につながるおそれがあること、東日本大震災の例に鑑みても、再委託までの特例で適切に対応できると見込まれることから、再々委託については認めないことといたしました。
国が大規模災害の発生後に策定する処理指針についてお尋ねがありました。
まず、策定時期につきましては、東日本大震災には、発災から約二か月後にマスタープランを策定いたしました。他方、本法案に基づいて新たに規定した処理指針については、東日本大震災の際に要した期間の半分である、おおむね一か月以内に策定することを想定し、あらかじめその準備を進めておくこととしております。
また、内容につきましては、現在、有識者会議において議論をしていただいているところでございますが、東日本大震災後に策定したマスタープランの内容を基にしつつ、更に詳細な内容、具体的には、その災害により生じた廃棄物についての要処理量の試算結果、被災地域の特性を踏まえた廃棄物の種類別の具体的な処理方法、広域処理や国による代行処理、災害対策基本法に基づく特例的な措置や財政措置の方針などを盛り込む予定です。
国による代行処理の考え方についてお尋ねがありました。
これにつきましては、国による代行処理は、あらかじめ定めた関係者の役割分担に基づき、被災市町村以外の周辺市町村による処理や事務委託を受けた都道府県による処理を補完するものとして想定されること、また、国においては、自治体における処理が円滑に進められるよう、廃棄物処理基準を緩和した上で、被災地域に対し環境省職員や専門家を派遣し、都道府県間の調整や、処理を支援するための民間団体との調整等の被災地域の実情に応じた支援を積極的に行うこととしておること等を総合的に判断して代行処理の要件を定めたものであります。このことは、東日本大震災後に整備した特別措置法の考え方と異なることはないため、今回の法案についても同様の要件といたしました。
他方、大規模災害時には、発災直後に国自ら被災地域全体について災害廃棄物の要処理量を衛星写真等によって把握することとしており、被災自治体からの要請を待たずに、必要に応じて国による代行処理の準備を進めることとしております。このように、発災時には必要に応じ迅速な対応を行えるよう努めてまいります。
国が災害廃棄物の処理を代行するときの費用負担についてお尋ねがありました。
大規模災害発生時においては、莫大な災害廃棄物の処理を適正かつ迅速に行うため、政府全体で支援していくことが重要であります。実際に、東日本大震災においては、社会的、経済的影響が極めて大きな災害であったことから、財政支援のための特別法が制定され、実質的に全額国庫負担としたところであります。
本法案において、災害対策基本法の中に大規模災害発生時の災害廃棄物対策を明確に位置付けたことによって、これまで以上に政府全体で行う財政支援の対象であることが明確になったと考えております。環境省としても、地方自治体の不安を払拭するためにも、将来、大規模災害が生じた場合には必要な財政支援に努めてまいります。
本法案において放射性物質により汚染された災害廃棄物への対応を規定しない理由についてお尋ねがありました。
今般の法改正は、東日本大震災によって生じた災害廃棄物の処理が、福島県の一部地域を除き昨年三月末までに完了したことから、その経験、知見に基づき、制度的な視点から今後必要となる対応について検討を行ってきたことを受けたものであり、放射性物質に汚染された廃棄物を対象とするものではありません。
他方、東京電力福島第一原子力発電所の事故によって生じた放射性物質により汚染された廃棄物は、いまだ処理の途上にあり、次に同様の事故が起きた際の対応については、現在行っている処理の結果を見極める必要があるため、まずはその処理を完遂することが重要と考えておるところでございます。(拍手)