清水貴之の発言 (本会議)

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○清水貴之君 維新の党の清水貴之です。
 会派を代表して、労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律等の一部を改正する法律案に対し、総理並びに厚生労働大臣に質問いたします。
 まず、安倍総理に伺います。
 衆議院において、維新の党を中心として、労働者の職務に応じた待遇の確保等のための施策の推進に関する法律案、いわゆる同一労働同一賃金法案を提出しました。同法案は、衆議院で与党も賛成の上で可決され、参議院に送付されています。
 パートタイム労働者や契約社員については、正社員との均等・均衡待遇が法律上に規定されていますが、派遣労働者については、今般の政府提出の改正案をもっても、均衡の配慮義務という不十分な内容にとどまっています。また、パートタイム労働者や契約社員についても、近年、法律上の規定が整備されたとはいえ、なお実態上の格差が残っており、これを埋める必要があります。
 同一労働同一賃金法案は、これらの非正規雇用労働者の待遇面での課題に対し、労働者の職務に応じた待遇の確保などのための施策を推進しようとするものです。
 衆議院において一部表現の修正が行われていますが、この法案の趣旨は変わるものではありません。派遣労働者を含む非正規雇用労働者について、いち早く実効性のある待遇確保のための方策を検討し、非正規と正規の均等待遇、同一労働同一賃金の実現を目指すべきだと考えますが、総理の見解はいかがでしょうか。
 次に、改正案における期間制限の見直しについて伺います。
 改正案では、現在の業務単位の期間制限を派遣労働者個人単位の期間制限と派遣先事業所単位の期間制限に変更することとしています。
 改正案の第二十五条では、厚生労働大臣は、派遣法の規定の運用に当たっては、派遣就業は臨時的かつ一時的なものであることを原則とするとの考え方を考慮することとされています。
 しかしながら、派遣先単位の期間制限における過半数労働組合などからの意見聴取手続が期間延長の抑止力にならないことは、衆議院において度重なる指摘があったところです。その中で、現行制度上の意見聴取手続において派遣期間の延長に反対意見を出した組合が僅か一・二%であるとの指摘がありましたが、これに対し塩崎厚生労働大臣は、反対意見を出したのが一・二%なのは大多数が延長に同意をしているからという解釈を示されました。これは、意見聴取手続が期間延長の抑止力にならないことを自認した答弁なのではないでしょうか。
 ましてや、改正後の延長手続は、仮に組合が反対意見を出しても使用者の判断で期間延長が可能であり、なおかつ、その延長は三年にとどまらず、六年、九年と永続的に期間延長が可能となります。派遣就業は臨時的、一時的なものであるという原則をわざわざ法律に追加しながら、企業は事実上何年でも派遣労働者を受け入れ続けられるというのは大きな矛盾です。
 意見聴取手続が期間延長の抑止力となるという具体的な根拠について、塩崎厚生労働大臣の説明を求めます。
 このような改正案の仕組みでは、企業は派遣労働者を使いやすくなり、派遣の雇用枠がいたずらに拡大されることになりかねません。この点、派遣労働者の同一労働同一賃金が実現すれば、企業は必ずしも安くない派遣を濫用的に利用できなくなり、正社員が行う業務が増えることになります。このことは、正社員で働きたい方々にとってはその選択肢が増えることにつながります。また、望んで派遣労働者として働いている方々にとっても、その待遇が確保されることにより、安心して働くことができるようになります。
 企業の派遣の利用に対する規制については、派遣労働者の同一労働同一賃金の実現によって、企業が派遣を濫用的に利用することを防ぐ法施策を取るべきではないでしょうか。総理の御意見をお聞かせください。
 改正案は、企業は派遣労働者を使いやすくなるにもかかわらず、派遣労働者は三年ごとに派遣先を去らなければならないという内容になっています。このため、現在二十六業務として働いている派遣労働者を雇い止めの危機にさらしてしまうという大きな問題を有しています。
 二十六業務を基準とする期間制限に問題がなかったわけではなく、その見直し自体に反対するものではありません。しかしながら、新たな個人単位の期間制限を一律に適用することにより、二十六業務として長期間安定して働いてきた方々の雇用の場を失わせることは大問題であります。この点は衆議院の議論でも各党から繰り返し指摘がなされました。また、派遣労働者の方々からも非常に多くの不安の声が上げられています。
 政府は、個人単位の期間制限である三年の節目を派遣労働者がキャリアを見詰め直す機会とすると説明していますが、二十六業務の派遣労働者の方々が望んでいるのは、正社員になれるならともかく、そうでないなら、高い専門性を生かして現在の職場で安定的に働き続けることではないでしょうか。仮に、節目で自身のキャリアを見詰め直して、なお現在の職場での就業継続を希望しても、改正案の仕組みはそれを許さず、二十六業務の派遣労働者として働いてきた方々に対する影響が非常に大きなものとなっています。二十六業務の派遣労働者に対し、一律で三年の期間制限を設けることについて、それが派遣労働者のためになるという合理的な説明を塩崎厚生労働大臣に求めます。
 その上で、今まさに二十六業務として働いている派遣労働者について、改正法施行三年後ないしそれ以前の雇い止めが懸念されています。このことを制度の見直しに伴う痛みとして看過することはできません。与野党、政府の垣根を越えてこの問題を直視すべきです。法改正を理由とした雇い止めを防止し、二十六業務として長期間安定して働いてきた方々の雇用の場を失わせることがないような具体的な対策が必要です。現在二十六業務として働いている方々の雇用の安定のための対策について、総理の見解を伺います。
 最後に、雇用安定措置の実効性について伺います。
 政府は、先ほどの二十六業務の問題など、改正案の影響による雇用の不安定化に対しては、派遣元事業主に課す雇用安定措置によって解消すると説明をしています。また、雇用安定措置によって、正社員になったり、別の会社などで働けることができるようにするという説明もありますが、雇用安定措置の個別の内容を見ると、本当にそのようなことが可能なのか、実現可能性に大きな疑問があるものばかりです。雇用安定措置によって派遣労働者の雇用の安定が本当に守れるのか、総理の見解を伺います。
 さらに、派遣労働者の雇用が継続されるための措置としているものの、実際に派遣労働者の雇用継続について、どこまでの義務が派遣元事業主に課されているのかがはっきりしません。雇用安定措置の義務というのは、派遣元事業主に対して派遣労働者の雇用継続についてどこまでの義務を課すものなのか、塩崎厚生労働大臣の説明を求めます。
 我が国の経済が成熟する中、労働市場の実態も、国民の働き方に対する意識も変化しています。そのような中で、国民の働き方の選択肢を増やすことは必要ですが、その選択肢は本人が真に希望して選ぶに値するものでなければなりません。そのためには、派遣労働者と正社員との間で均等な待遇を保障する必要があります。
 我が国においても派遣労働者を含めた同一労働同一賃金が実現することこそが、あるべき労働者派遣制度につながるものであることを再度申し述べ、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。(拍手)
   〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇、拍手〕

発言情報

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発言者: 清水貴之

speaker_id: 28400

日付: 2015-07-08

院: 参議院

会議名: 本会議