鶴保庸介の発言 (本会議)
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○鶴保庸介君 井上議員から四問御質問をいただきました。
まず、法案の提出時期についてのお尋ねがありました。
本院では、議長の下に開催された選挙制度の改革に関する検討会及びその下に設けられた選挙制度協議会において鋭意協議が行われてまいりましたが、残念ながら各会派の意見の一致は得られませんでした。しかしながら、来年の通常選挙に間に合わせるためには今国会中に公職選挙法の改正が必要となることから、各会派において法案化作業を行うものとされたものであります。
そして、昨日、五会派、自民、維新、元気、次世代、改革の五会派で公職選挙法改正案を共同提出する運びとなり、本日、参議院の本会議の場で御審議いただくことになりました。
参議院任期満了の一年前の前日に当たる本日、参議院で審議されることになり、仮に本法案が早期に可決、成立するならば、十分に周知期間が確保されるものであると考えます。したがって、先生の御指摘は当たらないものだと考えております。
次に、審議の在り方についてお尋ねがございました。
国会法五十六条第二項ただし書には、「特に緊急を要するものは、発議者又は提出者の要求に基き、議院の議決で委員会の審査を省略することができる。」と規定されています。
本法案は、参議院の発議者の所属する五会派が十分審議の上、合意したものでございます。参議院の任期満了日まで明日で残り一年となります。周知期間を十分に確保するため、本法案の早期成立が是が非でも必要となっております。したがって、本法案は緊急を要するという案件であり、御指摘は当たらないものと考えております。我々は、一日も早い本法案の成立を期すために全力を挙げて取り組んでまいりたいと思います。
次に、平成二十四年の最高裁判決の受け止め方についてお尋ねがございました。
平成二十四年の最高裁判決は、選挙当日の有権者数に基づく五・〇倍の最大較差について、いわゆる違憲状態判決を下したものであります。さらに、議員御指摘のとおり、単に一部の選挙区の定員を増減するにとどまらず、都道府県を単位として各選挙区の定員を設定する現行の方式をしかるべき形で改めるなど、現行の選挙制度の仕組み自体の見直しを内容とする立法的措置を講じ、できるだけ速やかに違憲問題が生ずる不平等状態を解消する必要があるとの指摘がなされたものと承知をしております。平成二十六年の最高裁判決においても同様の指摘がなされております。
我が党としては、まさにこれらの最高裁判決の指摘を重く受け止めたからこそ、都道府県を単位として各選挙区の定員を設定する現行の方式を一部の選挙区において改める合区に踏み切ったものであります。
その合区の理念についてもお尋ねがございました。
我が党が合区を行うこととしたのは、都道府県単位の選挙区を極力尊重しつつ、最高裁判決を踏まえて較差是正を目指すという考え方に基づくものであります。一部の県が合区の対象となり、対象となる県には誠に申し訳ない思いでございますが、最高裁判決を踏まえ、較差是正を目指すため、苦渋の決断として合区を行うものとしたものであります。
また、公平性という観点からは、仮に全ての隣接選挙区を合区したとしても、有権者数の偏在からこれを完全に実現することは困難であると同時に、今回我が会派の方から提出の四県以外の合区を行った場合、同様の問題が起きるものと考えております。
次に、一票の価値の平等が実現されると考えているのかどうかについてお尋ねがございました。
今回の改正により、議員一人当たりの人口の最大較差は、現行の約四・七五倍から約二・九七倍に大幅に縮小されることになります。憲法制定直後に制定された参議院議員選挙法に基づく最初の選挙における議員一人当たりの人口の較差は最大で約二・六二倍であったことからすると、憲法は、較差が二倍台であることは、その制定当時から許容していたものと考えられます。
また、参議院議員の任期を六年の長期とし、解散もなく、三年ごとにこの半数を改選するという憲法の規定は、多角的かつ長期的な視点からの民意を反映させ、衆議院との権限の抑制、均衡を図り、国政の運営の安定性、継続性を確保するという趣旨に立つものであります。
このことを踏まえれば、参議院議員の選挙に求められる投票価値の平等は、政権を形成する機能を有するがゆえに民意と議席の数ができるだけ一致するような投票価値の平等が求められ、較差二倍未満が法定されている衆議院議員選挙とはおのずと異なることがあると考えております。
こうしたことなどから、本法案により較差がこの程度に縮小することにより、違憲状態は解消されるものと考えております。
以上でございます。(拍手)
〔清水貴之君登壇〕