小野次郎の発言 (本会議)
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○小野次郎君 維新の党の小野次郎です。
私は党を代表して、ただいま趣旨説明があった政府提出二法案について、安倍総理に質問させていただきます。
まず、法案提出者であり、与党の代表でもある立場として、衆議院における強行採決についてどのように受け止めているのか、伺います。
次に、参議院で審議を始めるのに当たって、本院で再び強行採決や憲法上六十日ルールによる衆議院再議決という強硬手段は取らないとお約束いただきたい。この点について御認識を伺います。
次に、様々な世論調査において、ほとんどの国民が政府の法案内容の説明が十分でないと答えています。それだけでなく、国民の過半数が法案の内容に憲法違反の疑いがあると認識し、その結果、法案に対しても賛成より反対意見の方がダブルスコアに上る異様な事態となっています。この傾向は、五月十五日の法案の国会提出以降、いずれの数字も一向に改善しないだけでなく、衆議院での強行採決の後は、憲法違反の法案に反対するという国民世論はますます顕著になっています。本院での審議を見詰めるこうした厳しい国民世論をどのように認識しておられるのか、お伺いいたします。
次に、先日、報道機関に圧力を掛ける趣旨の発言をした自民党議員が批判を受け、党内で処分を受けました。これは当然です。政治が報道内容に介入することは慎むべきであるとともに、報道機関の中立公平性を保障することが極めて重要です。
さて、総理は、二十日にフジテレビ、二十一日には日本テレビと、連日出演して、一方的に政府案のみを説明する番組を放映させました。野党の見解や法案への反対意見の側に平等、公平な機会を提供することなく、政府が自らの権威や権力をかざして長時間の独占番組を組ませる行為は、圧力容認の発言をした議員と同じ発想と言わざるを得ません。現実に放映させたという点を捉えれば、単に容認する発言をしただけの議員よりもかえって責任は重大であると考えますが、総理の御認識を伺います。
次に、政府案の法律十本を一束ねにした法案提出については、個別の法案には賛成できる立場の方からも慎重かつ円滑な審議を妨げているとの強い批判があります。これに対する受け止めと、本来の十本にばらして出し直すお考えがないか、お伺いいたします。
次に、法案の国会提出前に、安倍総理は、米国大統領、議会に向かって今国会における法案の成立を公約しました。何よりもまず、我が国の国会と国民に理解を求めるという配慮がみじんも感じられないという批判について、今の時点での御認識を伺います。
次に、政府案は、どこのどのような軍事的脅威に対して日本政府としてどのような対応を取ることを想定しているのか、国会と国民に向けてもっと腹を割った率直な説明を行う方が理解が進むと考えますが、これから始まる参議院の審議に向けた姿勢をお尋ねいたします。
次に、今回の政府案は、衆議院での二か月にわたる審議を通じても、法案提出者以外には理解や賛同が広がる気配が全く見られません。二か年を掛けて野党第一党及び第二党との合意を経て成立した有事法制と比べてみても、このままでは、将来政権交代が生じた際にそのまま受け入れられるとは到底考えられませんが、この点についての御認識を伺います。
次に、憲法は、国の存立と我々の生存を自衛する権利を認めており、憲法を守って国が滅んだら元も子もないというような議論は余りにも子供じみています。むしろ、憲法適合性が保障されないままでは安保法制議論そのものが土台から成り立たないと考えますが、御認識をお伺いします。
次に、憲法学者や法制局長官経験者らが違憲の理由として指摘する主要な論点のそれぞれに対して、政府部内でどのような反論を用意したのか、検討内容を御説明願います。
次に、政府が根拠の一つとしている砂川判決から集団的自衛権の合憲性を導き出すことが困難であることについては、これまでに法律家である与党公明党山口代表を含めてほとんどの法律専門家が指摘しているところであります。専門家に受け入れられていないこのような憲法及び法律の解釈で押し通して将来にわたって法的安定性は確保できるのか、どうお考えなのか、御認識をお伺いしたいと思います。
次に、国際法の通説によれば、自国防衛は個別的自衛権、他国防衛は集団的自衛権と明確に整理されています。政府案の存立危機事態について、自国防衛のための集団的自衛権の行使という考え方自体が自己矛盾に陥っています。政府案のままでは、自国防衛をうたいながら常に他国防衛への濫用のおそれが排除されません。そして、国内での説明を正確に丁寧に伝えれば伝えるほど、国際的には、まるで手品のような解釈だとしか受け取られないと考えますが、この点の御認識をお伺いします。
次に、集団的自衛権に関する国際法上の要件として政府自らが説明している攻撃を受けた他国からの要請、これが存立危機事態の構成要件とはなっていません。法的に必要だと説明しておきながらその要件を法律上明記しないままにしておく理由をお伺いいたします。
次に、政府案の構成要件は、実は攻撃を受けた他国からの要請がない場合においても、集団的自衛権ではなくて個別的自衛権の行使としてやっぱり武力行使を行う可能性を残しているのではないかという指摘について見解を伺います。
次に、政府案の説明によれば、被害国からの要請がなければ我が国は武力行使ができない仕組みとなっています。これでは存立危機事態に当たると認定しても自らの意思で自国の存立を守ることもできないことになりますが、このような仕組みを取る理由をお伺いいたします。
次に、総理は、維新の党が独自案を国会に提出した七月八日以降、国会の答弁やテレビなどの説明においては、集団的自衛権を行使する密接な関係を有する他国の例として米国だけを挙げています。また、先日のテレビ出演の際に、母屋と離れの火事を例え話に用いた場面でも、離れとはホルムズのことですかと質問されたら、いいえ、イージス艦ですとわざわざお答えになっています。これら条文上に明記されていない限定を加えて説明するお姿は、存立危機事態の適用対象について範囲を限定しようと試みているようにも受け取られますが、この点についての御認識をお伺いいたします。
次に、イラン政府までもが不快感をあらわにして可能性を否定しているように、機雷敷設によるホルムズ海峡の封鎖という事態は現在の国際情勢の下では全く想定されません。そうであれば、今回の安保法制の中にホルムズ海峡の機雷掃海を含めることを断念するお考えはないのか、率直な御認識をお伺いいたします。
次に、維新の党は、独自案の中で、防衛出動の要件を審査する専門委員会の設置など、国会による派遣承認手続の実質化によるシビリアンコントロールの強化を打ち出しておりますが、これに対する御認識をお伺いいたします。
次に、参議院における審議と並行して継続されることになっている与野党間の協議に、総理としてどのような期待を持っておられるか、率直な御認識をお伺いいたします。
次に、自衛権行使三要件でも、我が国による武力行使は他に適当な手段がない場合に限られています。ここで他に適当な手段とは、緊張緩和を図り武力衝突の事態を回避する平和外交のことです。我が国の安全保障で当面最大の懸案は隣国中国との関係でありますが、両国間の緊張緩和を実現する平和外交の展望をお伺いいたします。
次に、我が党は、軍事力が前面に出る事態を極力避けながら、平時において領海での警備力を格段に強化する領域警備法案を民主党と共同で提出しています。領域警備強化の法整備に対する総理のお考えを伺います。
最後に、遅々として成果の上がらない外務省当局による協議にこれ以上委ねることなく、総理自らが北朝鮮の金正恩氏との直談判によって拉致被害者の即時一括帰国の実現を図る御覚悟をお持ちかどうか、御存念をお伺いいたします。
維新の党は、政府提出法案の徹底した審議を求めるとともに、憲法適合性の枠内で安全保障法制の充実強化が図られるよう、しっかりと対案を示して建設的な議論を行っていくことをお約束して、私の代表質問を終わります。(拍手)
〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇、拍手〕