石井準一の発言 (本会議)
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○石井準一君 自由民主党の石井準一です。
私は、自由民主党を代表して、ただいま議題となりました平和安全法制に対し、賛成の立場から討論をいたします。
国民の皆さん、本法案の目的は大きく分けて二つあります。一つは、我が国の抑止力を強化をすることであります。もう一つは、国際協調によって世界の平和と安定に貢献をすることであります。
抑止力の強化については、我が国の存立が脅かされる事態において限定的な集団的自衛権の行使を可能にすることで日米同盟がより強固なものになるわけであります。これによって、我が国を攻撃しようとする他国の意欲をそぎ、戦争を未然に防ぐことになり、我が国の安全をより確実なものにすることができます。
国際協調については、国際社会が国連決議の下に一致団結をして対応するような事態において我が国が後方支援を行うことを可能といたします。平和回復後のPKOにおいても自衛隊の活動範囲を拡大をいたします。これらによって我が国の能力に応じた国際社会における責任を果たし、世界の平和と安定に貢献をすることができます。
安倍総理は、就任以来、五十五の国と地域を訪問をして、我が国の積極的平和主義の考え方を説明してこられました。その成果もあって、これまで各国から、我が国の国際平和に対する更なる貢献について支持や期待の声が寄せられております。そうした期待に応えるためにも本法案の成立が必要であります。
国会での立法が合憲か違憲かを確定する唯一の機関は、憲法の番人たる最高裁判所であります。その最高裁が自衛権について示した唯一の判決が昭和三十四年の砂川事件判決であります。そこでは、我が国が自国の平和と安全を維持し、その存立を全うするために必要な自衛のための措置をとり得ることは国家固有の権能の行使として当然であるという考え方が示されております。
今回の法案は、国の存立が脅かされ、国民の生命、自由、幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある場合に限って限定的な集団的自衛権の行使を認めるものであり、完全に砂川事件判決が示す自衛のための措置の範囲内であります。そして、必要最低限の武力の行使しか認められないという従来の政府見解における憲法九条の解釈と基本的な論理は全く変わっておらず、合憲性と法的安定性は確保されております。
多くの憲法学者はこの法案は違憲であると主張をしているという指摘もありますが、憲法学者の過半数が自衛隊の存在自体を違憲だと言っていることを無視してはなりません。我々は国を預かる責任ある与党として、より現実に沿った、そして最高裁の判決にも沿った立場でこの法案の合憲性を確信をしております。最後は政治の責任で我が国の安全保障の在り方を決めていかなければなりません。
しかし、我が国を取り巻く安全保障環境の変化は一刻の猶予もありません。アメリカが世界の警察と言われる時代は終わりつつあります。中国は、二十七年間で軍事費を四十一倍に増やし、東シナ海や南シナ海で海洋進出を急速に進めております。北朝鮮は、発射から十分で我が国に届くミサイルを数百発も配備をし、核実験も三回行っております。先月には、北朝鮮が設置した地雷で韓国の兵士二名が負傷し、双方の緊張が衝突一歩手前まで高まりました。
このように、安全保障をめぐる情勢はいつ急変するか分かりません。今すぐ準備を整えておく必要性があるのです。そのために必要な本法案であり、速やかな成立が不可欠であります。
この法案に対して、まだ審議が尽くされていない、そのような意見がありますが、しかし、我々は審議が拙速であってはならないと考え、過去最長の九十五日間の会期延長を行いました。そして、衆議院では百十六時間、参議院においても百時間を超える審議を行い、本日の採決に至っております。衆議院では九割が、参議院では六割が野党の質問時間でありました。参議院独自の片道方式を初めて用いて、質問時間をきちっと確保できるよう、責任与党としての工夫もしてまいりました。また、総理に対する質疑も、衆議院が約四十五時間であったのに対し、参議院では約四十九時間を掛け、丁寧に審議を重ねてまいりました。
そして、本法案は、日本を元気にする会、次世代の党、新党改革と度重なる協議の結果、御理解をいただき、我々自民党そして公明党の間で五党協議が調いました。まさに冷静に議論ができた結果ではありませんか。成熟した民主主義の表れであります。決して、強行採決、強行採決と言っている野党の指摘は当たらないと思っております。
議場におられる国会議員の皆さん、法案に賛成であれ反対であれ、意思を明確にして票を投じるべきときではないのでしょうか。それこそが憲法の定める国会議員の役割であります。投じられた国民の一票を決して無駄にすることなく、国会における代表としての行動をすることが国会議員に対しての憲法上の要請ではないのでしょうか。
今後、安全保障に関する国民意識の向上、そのためにも、我々自身の努力によって我が国の民主主義をより成熟したものにしていかなければなりません。本法案の成立がそのための一つの契機になることを願いたいと思います。そしてまた、本法案に対しての国民の理解が更に深まるよう、我々も政府・与党として説明責任を果たしてまいります。
御参会の皆様方に対し、本法案の必要性について冷静に御判断の上、賛成いただくことをお願いし、私の討論を終わらせていただきます。(拍手)