中谷元の発言 (安全保障委員会)

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○中谷国務大臣 防衛大臣の中谷元でございます。
 本日は、左藤委員長を初め理事、委員の皆様方に、防衛大臣としての所信を申し上げます。
 現在の我が国を取り巻く安全保障環境は一層厳しさを増しております。
 特に、北朝鮮は、先月の核実験に続き、今月には人工衛星と称する弾道ミサイルを発射いたしました。これらの一連の動向は、北朝鮮の核兵器開発をより一層進展させるとともに、その運搬手段となり得る弾道ミサイル能力の増強につながるものであり、我が国の安全に対する重大な脅威として極めて強く懸念すべきものであります。北朝鮮による人工衛星と称する弾道ミサイルの発射につきましては、所信に引き続き、改めて御報告をさせていただきます。
 また、中国は、東シナ海において、公船による領海侵入等を繰り返すとともに、独自の主張に基づく東シナ海防空識別区の設定といった、公海上空の飛行の自由を妨げるような動きを継続いたしております。南シナ海においては、大規模かつ急速な埋め立てや港湾、滑走路などの施設の建設を一方的に強行するなど活動を活発化させており、その動向は、今後も強い関心を持って注視していく必要があります。
 また、グローバル化と情報通信を初めとする技術革新が急速に進む中、国際テロが増加、拡大するなど、一国・一地域で生じた混乱が直ちに国際社会全体の課題となるリスクが高まっております。
 このような状況を踏まえ、以下の施策を積極的に推進してまいります。
 まず、平和安全法制について申し上げます。
 さきの通常国会において平和安全法制が成立をいたしました。我が国を取り巻く安全保障環境が一層厳しさを増す中、我が国の存立を全うし、国民の命と平和な暮らしを守り抜くためには、あらゆる事態に対して切れ目のない対応を行う体制を整えなければなりません。そのために必要な平和安全法制については、法律の施行に向け、各種の準備、検討を慎重を期して十分に積み重ね、万が一の場合にしっかりと対応できる体制を周到につくり上げてまいります。
 次に、防衛力整備について申し上げます。
 防衛計画の大綱及び中期防衛力整備計画に基づき、本年一月には、那覇基地における戦闘機部隊を二個飛行隊に増勢し、第九航空団の新編を行いました。また、我が国最西端の与那国島に沿岸監視部隊を新編するため、本年三月に与那国駐屯地を新設いたします。
 今後とも、喫緊の課題である南西地域の防衛体制の強化を初め、各種事態における実効的な抑止、対処の実現の前提となる海上優勢、航空優勢の確実な維持に向けた防衛力整備を優先し、幅広い後方支援基盤の確立に配意をしつつ、機動展開能力の整備も重視することを基本的考えとして、統合機動防衛力の構築に努めてまいります。
 次に、日米同盟の強化について申し上げます。
 日米同盟は、我が国の安全保障の基軸であるとともに、アジア太平洋地域、さらには世界全体の平和と安定のために極めて重要な役割を担っております。
 昨年四月、十八年ぶりに新たな日米防衛協力のための指針を策定いたしました。この指針に基づき、日米同盟の抑止力と対処力を一層強化してまいります。
 また、米軍の抑止力を維持しつつ、地元の負担を軽減する取り組みも引き続き行ってまいります。特に、沖縄については、現在の普天間飛行場の危険性を除去するため、唯一の解決策として日米で合意した辺野古への移設とともに、オスプレイの訓練等の県外移転や嘉手納以南の土地の返還など、目に見える形での基地負担の軽減に取り組んでまいります。
 次に、安全保障協力の推進について申し上げます。
 我が国を取り巻く安全保障環境の改善のため、日米同盟の強化に加え、オーストラリア、ASEAN諸国、インド、欧州諸国など、関係各国との共同訓練や防衛装備、技術協力を含む防衛協力、交流を推進していきます。
 韓国及び中国とは、昨年、それぞれ約四年ぶりに防衛相会談を行いました。韓国とは、防衛交流の強化等について一致いたしました。中国とは、昨年十一月に、実に四年五カ月ぶりとなる日中防衛相会談を行い、防衛当局間の海空連絡メカニズムの早期運用開始を初め、日中防衛交流を発展させていくことの重要性を確認いたしました。戦略的互恵関係の強化に資する防衛交流を促進すべく、引き続き取り組んでまいります。
 また、国際社会の課題への取り組みとして、南スーダンPKOへの協力のほか、昨年四月から五月にかけて、大地震に見舞われたネパールにおいて、国際緊急援助活動として医療活動を行いました。また、昨年五月から八月まで、ソマリア沖・アデン湾における海賊対処行動の一環として、我が国から初めて多国籍部隊に司令官を派遣いたしました。
 防衛省・自衛隊は、今後とも、国際協調主義に基づく積極的平和主義の観点から、国際社会の平和と安定に貢献をしてまいります。
 左藤委員長を初め理事及び委員の皆様方の一層の御指導、御鞭撻を賜りますよう、よろしくお願いを申し上げます。
 続きまして、北朝鮮による人工衛星と称する弾道ミサイルの発射について御報告申し上げます。
 防衛省・自衛隊としては、本年一月六日の北朝鮮による核実験以降、北朝鮮が弾道ミサイルの発射を含む何らかの挑発行為に出る可能性も否定できないとの認識のもと、いかなる事態にも対応できるよう、関係省庁、米国、韓国等と連携し、対応してまいりました。
 二月二日の北朝鮮による人工衛星と称する弾道ミサイルの発射に関する関係国際機関への通報を受け、万が一の落下に備えるために、イージス艦、PAC3部隊、被害対処部隊等に所要の措置をとらせるべく、翌三日、弾道ミサイル等破壊措置命令を発出し、万が一のために万全の態勢を整えました。
 二月七日の発射当日につきましては、九時三十一分ごろに早期警戒情報の受信を確認し、受信直後に、状況把握等のための関係幹部会議を開催するとともに、私から、被害の有無の確認、必要な情報の収集、分析、万全の警戒監視について指示をいたしました。
 発射された物体について、レーダーにより探知、追尾を行い、五つに分離したうちの二つが、午前九時三十九分ごろ及び九時四十一分ごろ、沖縄地方上空を太平洋に向けて通過したものと推定されます。
 なお、今回の事案への対応として、破壊措置は実施をしておりません。また、我が国領域で被害が発生したとの報告はありません。
 今回の事案への対応に当たっては、関係省庁における連携及び政府としての国民への情報発信を適切に行うことができたものと考えております。
 今般の北朝鮮による核実験の実施及び弾道ミサイルの発射は、我が国を含む地域及び国際社会の平和と安全を損なう安全保障上の重大な脅威であります。我が国といたしまして、断じて容認することはできず、北朝鮮に対して厳重に抗議をし、強く非難をいたします。
 防衛省・自衛隊としては、北朝鮮の軍事動向等について、関係省庁、米国、韓国等と緊密に連携をしつつ、引き続き、重大な関心を持って必要な情報の収集、分析に努めるとともに、警戒監視を実施するなど、国民の安全と安心の確保に万全を期してまいります。

発言情報

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発言者: 中谷元

speaker_id: 2715

日付: 2016-02-23

院: 衆議院

会議名: 安全保障委員会