小宮山泰子の発言 (国土交通委員会)
⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。
詳細は利用規約をご確認ください。
○小宮山委員 今までの、東日本大震災、そういったときの廃棄物処理の経験を生かされているということ、また、当初から分別、選別等されているということで、大変迅速に行っていただいていることに感謝をいたしますが、また、アスベスト等そういったさまざまな物質が瓦れき等には入っております。ボランティアの方も入ってきておる中で、ぜひこの安全対策というのもあわせて環境省におきましては啓蒙活動もしていただきたいというふうに思っております。
さて、この中には多くの建築に関する廃棄物も含まれているかと思います。そして、これを減らすということが大変重要かとも思っております。そもそも、建築に関する廃棄物というのは廃棄物の中でも大きなウエートを占めておりますので、この関係についても今までもさまざまな法案、二〇〇〇年度ですか、つくられてもおりますが、やれることというのはたくさんあるかと思います。
環境省でこの百三十万トンの試算を出したやり方は、全壊や半壊、そういったものを、場合によっては衛星写真、住宅地図と照らし合わせて計算をしたというふうに伺いました。そういう中においては、まだまだ再生が可能な建物もあるのではないか、全壊をする前にまずは使えるもののリユース、そういったものもぜひ視点として入れていただくことも御依頼いたします。
さて、現地では、阿蘇神社や熊本城など文化財である木造建築の倒壊も多く報告されております。職人がつくる木の家ネットで活動されている建築士など専門家、建築学会の方が現地入りして調査も行っていると伺います。熊本地震被災地調査に参加された木の家ネットの建築士の皆さんの感想、見解というものをお聞かせいただく機会がございました。一部ちょっと紹介をさせていただきたいと思います。
土壁は千五百年の歴史があるとされている、地震が周期的に発生する日本で長きにわたって土壁が建材として使われ続けてきた理由は、身近にある材料でつくれること以外に、地震時には地震のエネルギーをまず土壁が壊れながら吸収することで軸組みにダイレクトなダメージを与えないこと、そして壊れても修復が可能であることがあると思う、地震発生直後のニュースで土壁の建物の被害が報道されていた、土壁は仕上げのしっくいが剥落しただけでも大きな被害を受けたように見える、ましてや土が落ちて竹小舞があらわになっていると衝撃的な光景として映る、しかし土壁が壊れることは織り込み済みで、いわば確信犯なのだという御意見。
また、伝統構法によってつくられた建築物は、変形性能を有し、ある一定以上の地震力が入力されると移動することによって力を逃がすことから倒壊を免れるケースが多い、もとの木材や土などの自然素材の材料をリサイクル、リユースする意味でも廃棄物にしないことでゼロエミッションを達成することができる、このような提案もありました。
また、西原村の宮山という地域の氏神様である八王社は、享保二十年、一七三五年再建とあるので約二百八十年の建築、拝殿は阿蘇神社と同じく壁がないので倒壊していたが、本殿、脇殿などは二十センチから四十センチ滑るように移動しており、比較的容易にもとの位置に戻せると判断できる、特に文化財の指定を受けておらず、補助金も現在のままでは期待できない、行政はこのような歴史的建造物に関しては特に指定がなくても補助金をつけるべきと主張したいというような御提言もございました。
熊本城などでは、巨額の費用がかかるとしても、復旧されることによって、熊本地震、また、この地域の復興のシンボルになるんだとも思っております。しかし、民間の住宅もしかりですけれども、建物の撤去費用は公費負担が国九割、自治体一割となることもあって、町並みなどを形成してきた木造住宅の場合、家を直して住むよりも経済的に撤去を選択することにつながりかねないと、この災害対応においては危惧するところでもございます。
昔から、古くからある町並み、それが復活することによって、やはり自分の故郷が震災から立ち直る、そういった精神的なシンボルにもなるのではないかと思うときに、町並み、景観の整った町の復旧を望む場合は、壊してなくしてしまうばかりではなく、震災後にも残った既存の建物を生かし、うまく使い続けていくことも重要かと考えております。
そこで、現在さまざまな多くの文化財も被災に遭っております。国指定だけではないものもありますが、文化庁といたしまして、文化財の被害の取り組み状況、また、文化財の復旧のためには多くの職人がその技術を生かさなければなりませんが、昨今なかなかこの技術者というものも数が少なくなってきたのも事実であります。この後継者育成も含めまして、文化庁の対応についてお聞かせいただければと思います。