池内さおりの発言 (内閣委員会)

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○池内委員 私は何も、自由な社会を制約せよとは言っておりません。自由な社会を守るためにも、事実でないと明確なことに対しては、行政がきちんと正確な情報発信をすべきだということを求めています。
 きょう私が確認したように、ライオンが動物園から出たとか朝鮮人が井戸に毒を投げ込んでいるなどということは事実でないと警察自身が認識していたわけですから、こうした問題を行政の責任としてちゃんと公表せよ、きちんと情報提供せよということを私は求めています。
 その意味で、次に行きますけれども、現代というのは、まさに秒単位でツイートが拡散をしていく。政府のしかるべき部署が毅然とした態度で正式にやらなければ、その間にもツイッターでは、例えばイオンが火事だ、いや火事じゃないという双方の市民の間でのやりとりがあふれ返るわけです。
 今回でいえば、例えば火事だとすると総務省消防という官庁がありますし、朝鮮人が毒を投げ込んだといえば警察の所管になると思いますけれども、そうしたところがやはり正しい情報を発信していくということが住民の不安を打ち消していくことにもなると思うんです。やはり現場はどっちを信じればいいのというふうになりますので、不安をあおられる。
 同時に、流言飛語によってもちろん被災者も、そして被災者を救おうとしている救援組織や職員、自衛隊、支援者も振り回される、こういう影響があるということをしっかりと認識して、警察に限らず、流言飛語の内容によって、担当する行政機関がやはり一つ一つ打ち消す情報発信をしていただきたいということは重ねて求めておきたいと私は思うんです。
 ところで、今回、朝鮮人が井戸に毒を投げ込んだという流言飛語は、決して許されない人種差別的発言であって、ヘイトスピーチそのものだというふうに思います。
 この発言のもとをたどれば、関東大震災のとき、口伝えとか張り紙で朝鮮人が井戸に毒を投げ込んだ、朝鮮人が放火をしたということにやはり行き着くわけです。関東大震災では、自然発生的な流言飛語というより、むしろ警察など行政機関の側が主導してこのデマが広がって、それに意識的に便乗した人たちを中心に、実際には何の罪もない朝鮮人、中国人、社会主義者が虐殺をされました。世界的に見ても、本当に非常に深刻なヘイトクライムに拡大をしていった。
 そして今、私は、こうした出来事というのは、決して過去のもう終わった話じゃないという恐怖さえ覚えるわけなんです。朝鮮人が井戸に毒を投げ込んだという今回も流れてしまったデマは、今回の地震だけじゃなくて、広島の土砂災害のときにも繰り返されました。明らかに関東大震災のデマを模倣して今やられているというふうに思うんですね。
 私は、この朝鮮人が井戸に毒を投げ込んだというのは、ライオンがおりから逃げ出したとかイオンモールが火事だというものとは本質的に違う、大目に見たり見逃していては大変なことになる悪質きわまりないものだというふうに思うんです。
 こうした言説の根底には一部の日本の人々の心に拭いがたい人種差別意識がある、そのあらわれだというふうに思います。こうした本当にどす黒い差別、偏見というものが目に見える形で顕在化して露呈した今回のデマとか、またヘイトスピーチを垂れ流しているデモなどに対して政府自身がやはり厳しく対処してこなかった。こういうことは許しちゃならないんだ、この立場に立って対応していくことが求められているというふうに私は思うんです。
 国連の人種差別撤廃委員会から日本政府になされた勧告について、改めて真摯に受けとめる必要があるというふうに思っています。二〇一四年九月二十六日の人種差別撤廃委員会からの日本の第七回、第八回、第九回定期報告に関する最終見解では、ヘイトスピーチ及びヘイトクライム、第十一パラグラフでどのようなことが言われているか。読み上げていただくだけで結構ですので、お願いします。

発言情報

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発言者: 池内さおり

speaker_id: 5930

日付: 2016-04-27

院: 衆議院

会議名: 内閣委員会