宮本徹の発言 (本会議)
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○宮本徹君 私は、日本共産党を代表して、政府提出の二〇一五年度補正予算二案に反対の討論を行います。(拍手)
安倍総理は、野党が憲法五十三条に基づいて求めた臨時国会召集の要求を無視し続け、本通常国会が開会するに至りました。ところが、総理は、この明々白々な憲法違反について、適切に対応していると居直りました。権力を縛る憲法を時の権力者が無視するならば、それは独裁政治の始まりです。
そして、予算委員会の審議を通じて、安倍政権の憲法無視、民意無視、国民生活軽視の政治姿勢が一層明らかになりました。
委員会の質疑で、我が党は、防衛省がアフリカ・ジブチの自衛隊基地を米軍支援の一大兵たん基地へ強化する研究を進めていることを追及しました。アメリカからISに対する軍事作戦への支援を求める要請があったのかどうか、中谷防衛大臣は、相手国のこともあるのでお答えを差し控えさせていただくと、国民、国会へ事実を説明することすら拒否しました。アメリカからの要請を断ると明言せず、自衛隊ジブチ基地を米軍の対テロ戦争支援の拠点にしていくことなど、到底許されません。
また、沖縄の米軍基地の問題では、我が党は、米軍の運用を優先する日本政府の態度が基地を一層危険にしていることを指摘し、沖縄の建白書に沿って、移設条件なしの普天間基地の閉鎖、撤去を求めました。ところが、政府は、選挙で繰り返し示された沖縄の民意に背を向け、県民が苦しむ実態に寄り添わない答弁に終始いたしました。
さらに、軽減税率の与党合意に含まれた、財政健全化目標との関係で、消費税制度を含む税制の構造改革について検討を加え、必要な措置を講ずるとの文意について、二〇一八年度以降の消費税のさらなる増税が選択肢として含まれると答弁がありました。
軽減税率で痛税感の緩和などと言いながら、一方で、さらなる激痛をもたらす消費税大増税に向けたレールを敷くなど、断じて許されません。
次に、補正予算の問題点を指摘します。
国民の所得と消費は、実質で見れば、三年前を下回ったままで回復しておりません。国民の消費は冷え込んだままです。
総理は、本補正を、成長と分配の好循環の形成に向けた緊急に実施すべき対策とします。しかし、本補正は、国民消費を冷やす原因に全く手をつけていません。逆に、軍事費増、TPP推進、原発などのインフラ輸出を狙う財界と大企業優遇をさらに強めるものとなっています。
まず、軍事費は、本補正一千九百六十六億円により五兆一千七百十八億円となり、過去最高額となります。中期防衛力整備計画をも大きく上回る大軍拡予算となっています。
F35戦闘機、P1対潜哨戒機、「そうりゅう」型潜水艦、護衛艦など、兵器の後年度負担分を今年度に繰り上げて支払うものが四百三十七億円です。空母艦載機の岩国飛行場移転に伴う施設三百九十一億円、これも後年度負担分の繰り上げです。今から数年先に完成する潜水艦や護衛艦の後年度負担の繰り上げ払いが、これの一体どこが、何ゆえに緊急に必要な対策なんですか。
今回の補正は、国民多数の反対を押し切り強行した安保法制を本予算と一体となって財政面から支えるものとなっており、我が党は到底認めることはできません。
次に、TPPです。
政府は、TPP条文の日本語訳をやっと公開しました。しかし、関税や非関税の条件を記載する肝心の附属書の訳はありません。しかも、政府は、今日まで、日本国民が一番知りたいTPPの具体的交渉経過や国民生活やなりわいに与える悪影響について、例えば食の安全や米、医療など、説明を拒む姿勢を貫いております。
委員会の質疑でも、この間のEPAで農林水産物の輸入がふえており、TPPで自給率低下は避けられないこと、農産物価格の下落など農家の将来不安が一層増していることが明らかになりました。ところが、政府は、TPPをバラ色に描く答弁を繰り返し、農家の不安や懸念を一顧だにしない姿勢があらわになりました。
こういうもとでTPP批准対策予算を提出したことは、到底認めることはできません。
我が党は、TPP交渉経過の詳細の公開を求めます。そして、二月予定とされているTPP署名は断固反対であり、TPPからの撤退を求めます。
さらに、社会保障です。
安倍政権の三年間で一・二兆円の年金給付が削減されました。年金生活者支援を言うならば、年金給付額が年々減額しないように、マクロ経済スライドの制度を撤回し、最低保障年金こそ目指すべきであります。GPIFで、国民が支払う保険料の運用により八兆円毀損する問題は重大であり、株式に偏る投機的運用は即刻やめるべきであります。
特養ホームや保育園整備において、都市部では用地の確保が大きな課題となっています。にもかかわらず、なぜ国有地の減額貸し付けの対象からあえて保育園を外したのか。少子化対策にあらゆる政策手段を総動員したとはおよそ言えません。
以上を指摘して、反対討論を終わります。(拍手)