岡田克也の発言 (本会議)

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○岡田克也君 民主党代表の岡田克也です。
 民主・維新・無所属クラブを代表し、安倍総理の施政方針演説について質問します。(拍手)
 まず冒頭、極めて残念なことを安倍総理に申し上げなくてはなりません。甘利大臣の政治と金をめぐる問題です。
 今日に至るまで、国民に対するまともな説明は一切なされていません。内閣の重要閣僚であり、安倍総理の盟友中の盟友と言われる甘利大臣です。任命責任はもちろん、安倍総理自身にも重大な説明責任があります。逃げずにその責任を果たさなければなりません。安倍総理の答弁を求めます。
 私は、二十五年間、政権交代可能な政治の実現をひたすら目指してきました。失敗も挫折もありました。しかし、日本の政治をよくするためには、自民党と競うことのできるいま一つの政治勢力をつくり上げなければならない、この信念は変わりません。まだ道半ばですが、必ずやり遂げることを国民の皆さんにお約束します。
 政治活動を行う中で、最近強く懸念していることがあります。日本の将来に大きくかかわることです。
 第一に、経済の低迷、不安定な生活が長く続く中で、日本の社会の一部から寛容さが失われつつあるということです。
 第二に、格差が拡大し、公正さが失われていることです。過去二十年の政策は、この格差拡大を放置しただけではなく、助長してきました。
 第三に、困難な、しかし次世代のために必ず解決しなければならない重要課題を先送りする政治が続いていることです。
 私は、野党第一党の代表として、そして日本の将来に大きな責任を負う一人として、これらの問題に正面から立ち向かう覚悟です。
 私が目指すのは、多様な価値観や生き方が尊重される自由な社会、誰一人排除されることなく、ともに助け合いながら生きることのできる共生社会、そして、次世代のために責任を果たす社会です。現在も、将来も、一人一人が尊重され、大切にされる日本の実現を、私は目指します。
 今月六日、私はこの本会議場で、安倍政治の本質は、国民に対して正直に説明することなく、本当の課題解決を先送りする、目先重視のばらまきの政治であると断じました。安倍政治が続けば、日本の将来が危ない。その強い危機感を持って、基本的な政策について、私の考え方を明らかにし、提案し、その上で安倍総理に質問します。日本国総理大臣として、正面から答弁することを求めます。
 ことしは、十八歳選挙権元年です。若者、若者、若者の年です。一人一人が尊重され、大切にされる日本を実現するために、まず大切なことは、若者の声をしっかり聞くことです。ここ数年の目先の政治ではなく、十年、二十年、そして五十年先を見た政治を実現しなければなりません。
 例えば、二十の若者が国会議員や市長を目指す道がなぜ閉ざされているのでしょうか。選挙権だけではなく、被選挙権年齢の引き下げも実現すべきです。超党派で議論しようじゃありませんか。安倍総理の答弁を求めます。
 年収四百万円以下の世帯の若者の大学進学率は三割にすぎません。私は、全ての若者が夢と希望を持って学ぶことのできる日本でなければならないと思います。授業料減免、奨学金の拡充、返済不要の給付型奨学金の創設が必要です。安倍総理の答弁を求めます。
 性的少数者、LGBTに対する差別をなくすことは、特に若い世代にとって大きな意味を持ちます。LGBTの子供たちの七割が学校でいじめに遭い、三割以上が子供のうちに自殺を考えたと答えているのです。私は、多様性を認め合うことで、より豊かな社会がつくられていくと信じています。これら差別を解消する法案を今国会で成立させようではありませんか。安倍総理も賛同してください。答弁を求めます。
 日本を変えるのは、若者と女性です。二年前、安倍総理は、二〇二〇年にはあらゆる分野で指導的地位の三割以上が女性となる社会を目指すと華々しく打ち上げました。しかし、昨年末閣議決定された男女共同参画基本計画では、これを大きく下回る数値目標が並んでいます。朝令暮改とは、まさにこのことです。女性活躍社会、本気でやる気があるのですか。答弁を求めます。
 今や、夫婦共働き世帯が当たり前の時代です。しかし、日本の社会保障制度や税制は、夫が働き、専業主婦が家庭を守るというモデルのままです。例えば、総理自身が示した配偶者控除の見直しなど、働き方、生き方に中立な税制、社会保障制度に根本から変える必要があります。安倍総理の答弁を求めます。
 昨年十二月の最高裁判決は、民法の夫婦同姓に関する規定は合憲としつつ、立法府の裁量の問題と指摘しました。
 民主党提出の選択的夫婦別姓法案は、夫婦別姓を強制するものではなく、別姓という選択肢を用意するものです。国際的に見ても、日本のように法律で夫婦同姓を義務づけている国は、まずありません。安倍総理が賛成できない理由について、答弁を求めます。
 アベノミクス三年の成果として、安倍総理は、雇用がふえ、給料が上がったと誇らしげに語っています。確かに、数字の中には評価できるものもあるでしょう。しかし、大多数の国民の実感は異なります。多くの調査結果で裏づけられているように、生活は厳しくなっているというのが現実です。
 安倍総理、謙虚に国民の声に耳を傾けるべきです。答弁を求めます。
 経済成長は重要です。そのためには、規制改革などの成長戦略によって民間投資を喚起し、生産性を高めなければなりません。いわゆる第三の矢です。具体的内容に違いはありますが、基本的な考え方は私と安倍総理で大きく変わりません。
 ただ、異次元の金融緩和によって円安、株高を実現し、その間に第三の矢によって持続的な経済成長を軌道に乗せるというのが当初のシナリオだったはずです。しかし、安倍政権下で生産性は上がっていません。他方で、最近は株価も不安定な動きを見せています。今こそ第三の矢に全力を挙げるべきではないですか。そうでないと、アベノミクス総崩れになります。安倍総理の答弁を求めます。
 私の経済政策と安倍総理の経済政策の根本的な違いは、経済成長の果実をどう分かち合うべきかの考え方にあります。私は、税制、社会保障政策によって公正な分配を実現することと経済成長を両立させることが重要であると考えています。また、公正な分配によって格差の壁を取り除き、人の持つ能力を最大限発揮できるようにすることは、持続的な経済成長にとって不可欠だと考えます。公正な分配なくして持続的成長なしです。
 これらの認識について、安倍総理はどうお考えでしょうか。あくまでも経済最優先なのでしょうか、それとも経済成長と公正な分配の両立ですか。答弁を求めます。
 安倍総理は、昨年二月、格差が拡大しているとの私の指摘に対し、格差が拡大しているかどうかは一概に申し上げられないと答弁しました。現実を見ない、誤った認識です。他方で、総理は最近、傾向としてはそれが進んでいるという状況はしっかりと把握していると答弁しました。認識が変わったということでしょうか。
 日本において格差が拡大しているのかいないのか、安倍総理の明快な答弁を求めます。
 格差是正、公正な分配のための具体策について提案します。
 家庭で十分な食事をとれない子供がふえています。給食のない夏休みに体重が減ってしまう子供が出始めていることに、私は心を痛めています。貧困の中で、学ぶことのできない子供もふえています。
 こうした子供たちを支援するための子供食堂や学習支援の試みが全国に広がっています。私も現場を見て、地域の人々や若者の行動に頭が下がるとともに、政治の手が届いていないということを実感しました。子供たちが今どんな状況にあるのか、総理にもぜひ現場を見ていただきたいと思います。
 子供の六人に一人が貧困状態にあります。市町村の就学援助を受けている子供の割合は一五%という高率です。子供の貧困の問題解決には、政治がしっかりとその責任を果たさなければなりません。この問題の解決なくして、一億総活躍など夢のまた夢です。
 民主党政権時に児童手当の対象を中学生まで拡大しましたが、一人当たりの支給額はいまだ十分ではありません。財源を確保しつつ、引き上げる必要があると考えますが、安倍総理の答弁を求めます。
 私は、昨年二月の代表質問で、日本の一人親家庭の貧困率が五割を超え、国として恥ずべき状況にあることを示しつつ、児童扶養手当の増額を提案しました。来年度予算案で私の提案を一部受け入れたことは評価しますが、全く不十分です。一日百円が二百円になっても、食事をとることすらままなりません。
 さらなる児童扶養手当の増額や支給対象年齢の引き上げが必要と考えますが、総理の答弁を求めます。
 ひとり暮らしの高齢者、とりわけ女性の貧困は深刻です。年金制度の持続可能性を考えて導入されたマクロ経済スライドは、私は基本的に必要だと考えていますが、大きな問題もあります。基礎年金が、将来、この制度によって、到底生活できないレベルにまで大幅にカットされる可能性が高いのです。年金の最低保障機能とマクロ経済スライドをどう調和させるか、早急な検討が必要です。安倍総理は同意されますか。答弁を求めます。
 過去二十年、政府は、所得税、相続税の累進性を弱め、格差を拡大してきました。特に、所得一億円を境に租税負担率が大きく低下することは問題です。これは、金融取引、すなわち株の売買利益などが分離課税され、総合課税になっていないことが原因です。現行二〇%の金融課税をまず二五%に引き上げることについて、安倍総理の答弁を求めます。
 今まで述べてきた、若者、女性、子供が直面している厳しい状況に、政治が正面から向き合うことが必要です。格差拡大が先進国共通の課題となる中、格差の少ない、世界のモデルとなる日本をつくり上げようじゃありませんか。
 当然、そのためには財源が必要です。まず、今述べたように、金融課税を二五%に引き上げること、中長期的には、所得税、相続税の累進強化、そして、高齢世代であっても、負担能力のある方々には働く世代と同様な負担を求めることで対応すべきです。
 この格差是正のための税制改革を安倍総理はどう考えますか。答弁を求めます。
 今の日本は、非正規の働き方が拡大する一方、正規社員は長時間労働に苦しめられています。一人一人を大切にする日本を実現し、若者や女性が安心して働ける環境をつくるためにも、日本人の働き方を根本から見直す大改革が必要です。
 今や、非正規で働く人々は全体の四割です。この二十年間で倍増しました。多様な働き方はあっていいのですが、正規雇用を希望しながら不安定な働き方を選ばざるを得ない人々が多いことは、日本の将来にとっても極めて問題です。初めて就職した職が非正規雇用だという人が、男性で三割、女性では五割です。そして、非正規雇用者の三人に一人が世帯の中の主たる稼ぎ主です。
 事態は深刻であるとの認識が安倍総理には足りないのではないですか。答弁を求めます。
 昨年、労働者派遣法改正に当たり、安倍総理は、派遣で働く人々が正規社員として働くことにつながると繰り返し強調しました。私は、全く逆に、正規の働き方が減ることを強く懸念しています。ここ数年間の状況を見きわめ、総理の見方が誤っていることが明らかになった場合には、直ちに派遣法の再改正を行うことを約束してください。安倍総理の答弁を求めます。
 安倍総理は施政方針演説で、同一労働同一賃金の実現に踏み込むと明言しました。均等待遇を実現すべきとの我々の主張に耳を傾けたとすれば評価します。しかし、同じ演説の中で、非正規雇用者の均衡待遇の確保に取り組むとしています。これでは同一労働同一賃金とは言えません。どちらが本当なのでしょうか。安倍総理の答弁を求めます。
 働き方改革のいま一つの柱は、長時間労働の解消です。
 安倍総理は、介護や保育のための施設整備を推進しています。私も施設整備は必要だと考えています。しかし、先進国最悪レベルの長時間労働こそが、仕事と家庭の両立を阻み、介護離職、育児離職、少子化の深刻な原因であると考えています。さらには、女性の社会進出を阻むことにもなっています。安倍総理はこの認識を共有しますか。答弁を求めます。
 労働基準法改正案には、裁量労働制の適用拡大や、いわゆる高度プロフェッショナル制度の創設が含まれています。長時間労働が蔓延する日本において、さらに長時間労働を常態化する可能性があります。介護や子育てと働くこととの両立を不可能にするとともに、過労死のリスクを高めるもので、到底容認できません。安倍総理の答弁を求めます。
 多様な働き方の実現は重要です。しかし、まず行うべきは、日本人の働き方を根本から変えるために、最小限の労働時間規制を行うことです。総労働時間の規制、終業から始業までに一定時間を確保する労働時間インターバル規制、毎週必ず休日を取得させる絶対的週休制などを法制化すべきです。これらの必要性について、安倍総理の答弁を求めます。
 私は、原理原則主義者と言われることがあります。必ずしもそうではないと自分では思っていますが、財政規律、この原則だけは曲げるわけにはいきません。それは、子供や若者、未来の世代への責任を果たさなければならないと考えるからです。
 施政方針演説の中に財政健全化について具体的言及がなかったことは、内閣総理大臣として無責任です。日本の持続可能性について、最も重要な課題から逃げることは絶対に許されません。
 まず、経済成長と財政健全化を両立しなければなりません。安倍総理は経済成長なくして財政健全化なしと強調していますが、財政健全化なくして持続的な経済成長は可能とでもお考えなのでしょうか。両立か経済成長優先か、明確な答弁を求めます。
 今までの自民党政治の失政の結果、日本は巨額の借金を抱えています。二〇二〇年度基礎的財政収支黒字化は、財政健全化の第一歩にすぎないのです。政府の試算でも、名目三%以上の楽観的な経済成長を前提とした上で、さらに六・五兆円の調整が今後必要とされています。二〇二〇年度に向けた具体的な財政健全化計画は、いつ明らかにするのですか。責任ある答弁を求めます。
 財政健全化は国力の源です。財政を再建する確固たるプランを持たずして、国民が安心して消費し、企業が積極的に投資することは考えられません。社会保障制度の維持や防衛力の整備など、国民の命と暮らしを守ることすら困難になります。
 我々は、歳出改革、成長戦略、歳入改革の三本柱で、着実に財政健全化を進めるための財政健全化推進法案をこの国会に提出します。政府も同様の法案を準備すべきです。安倍総理の答弁を求めます。
 消費税の引き上げは、これ以上先送りすることはできません。しかし、税制抜本改革法には、行政改革の推進をその前提として明記しています。今後一〇%への引き上げ決定までに、行政改革に総力を挙げることを約束してください。安倍総理の答弁を求めます。
 極めて危険な状況にある沖縄普天間基地の移設は重要課題です。
 しかし、国の強硬な進め方が沖縄の人々の感情を刺激し、沖縄と本土の歴史的なあつれきの再来とも指摘されています。極めて憂慮すべき事態です。
 辺野古における工事を直ちに中断すべきです。その上で、話し合いを再開し、国と沖縄県双方の信頼関係を築くことから始めなければならないと私は考えます。安倍総理の答弁を求めます。(発言する者あり)

発言情報

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発言者: 岡田克也

speaker_id: 12424

日付: 2016-01-26

院: 衆議院

会議名: 本会議