岡田克也の発言 (本会議)
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○岡田克也君(続) 間もなく東日本大震災から五年を迎えます。
安倍総理の施政方針演説は、復興の明るい側面を殊さらに強調したものでした。しかし、仮設住宅で寒い冬を過ごす高齢者、故郷に戻るめどが立たない家族、子供たちへの放射線被害を心配する若い母親など、今も被災地は大きな苦しみの中にあります。総理の演説からは、そういった被災者一人一人への思いが伝わってこないのです。
誰一人置き去りにしない復興を目指す、そのことこそ政治の責任だと私は考えます。安倍総理は同意されるか、答弁を求めます。
昨年七月に決定された長期エネルギー需給見通しでは、二〇三〇年時点で電力に占める原子力発電の割合は二割とされています。これは、四十年廃炉原則を前提とする限り、あり得ない数字です。
民主党は、原子力発電所の新増設を行わないことを決定しています。原発の新増設を認めるのか否か、エネルギー政策の根幹にかかわることであり、安倍総理は国民に明確にすべきです。正直な答弁を求めます。
日米同盟の深化を図りつつ、専守防衛に徹し、近くは現実的に、遠くは抑制的に、人道支援は積極的にというのが民主党の安全保障政策の基本的考え方です。この観点から、領域警備法の制定、周辺事態法の改正、PKO法の改正が必要と考えており、今国会にこれらの法案を提出することを決定しています。
また、存立危機事態に集団的自衛権の行使ができるとの安倍政権の考え方は憲法違反です。憲法違反の法律の存在は認められず、安全保障関連法廃止法案をこの国会に提出します。
これらの我々の提案に真摯に耳を傾けることを求めます。いまだ政府の説明に納得していない多くの国民にも説明を尽くすべきです。このため、今国会で安全保障をめぐる議論を深める機会を改めて確保しなければなりません。安倍総理は賛同されますか。答弁を求めます。
国際平和支援法は、我が国が主体的かつ積極的に寄与する必要があるものについて、外国軍隊に対する協力支援活動を行うことができるとしています。
安倍総理は、ISILに対する有志連合の空爆支持を表明する一方、自衛隊は派遣しないとしています。私も自衛隊を派遣しないという結論には賛成です。しかし、法律を成立させた安倍総理には、なぜ主体的かつ積極的に寄与する必要がないと判断しているのか、そして、いつまでその判断は維持されるのか、国の内外に説明する責任があります。参議院選挙後に突然方針転換する可能性も含め、安倍総理の明快な答弁を求めます。
二〇一四年五月にストックホルム合意が成立し、政府は北朝鮮に対する独自の制裁措置を解除しました。しかし、拉致問題は何ら進展なく、その間、北朝鮮の核開発は着々と進んでいたのです。他方で、北朝鮮対応において極めて重要な中国、韓国との関係は、首脳会談もままならない状態が続いていました。そういう状況下で、今月六日の北朝鮮の無謀な核実験があったのです。
安倍総理、あなたは、北朝鮮の核開発に対して全く無策だったのです。その自覚と反省はありますか。答弁を求めます。
憲法改正について、国民の皆さんに申し上げます。
安倍総理は、夏の参議院選挙で憲法改正発議に必要な三分の二以上の議席を改憲勢力で確保することを目指す考えを明らかにしました。国民の皆さんには、今、日本が大きな分岐点にあることを強く認識していただきたいのです。
私は、日本国憲法を時代の変化に適応させ、改正することを否定するものではありません。しかし、憲法は権力者の権力濫用から国民を守るものだという立憲主義の基本を理解しない安倍総理のもとでの憲法改正は極めて危険です。権力者にとって都合のいいように憲法が変えられるおそれがあるからです。まず、安倍総理の立憲主義に対する認識を問いたいと思います。答弁を求めます。
自民党の憲法改正草案では、緊急事態条項を規定しています。しかし、曖昧な要件のもと、緊急事態宣言が発せられると、内閣総理大臣に権限が集中し、法律と同一の効力を持つ政令によって基本的人権を制約することが可能となります。民主主義の根幹を揺るがしかねない問題であるとの認識が、安倍総理にはあるのでしょうか。また、現行憲法で、具体的に何が足らずにそういったことができないとお考えなのでしょうか。答弁を求めます。
自民党草案は、九条を改正して、限定のない集団的自衛権の行使を認めるものです。日本自身の海外での武力行使に大きく道を開くことになります。専守防衛や海外派兵禁止という考え方もなくなり、内外の多くの人命を奪ったさきの大戦の反省に基づく憲法の平和主義を実質的に捨て去るものです。何のために限定のない集団的自衛権が必要なのか、明確な答弁を求めます。
これらの憲法改正、いや、改悪に道を開くことにもなるかもしれない、それがこの夏の参議院選挙です。戦後七十年、日本の民主主義、立憲主義、平和主義の重大な分岐点であるという認識を、国民の皆さん一人一人にはしっかりと持っていただきたいと思います。
二〇〇九年夏、私たちは政権を担うことになりました。志を持って大きな課題に挑戦しましたが、国民の期待に十分に応えることはできませんでした。いろいろ足らざる点はありましたが、何よりも、日本が直面している困難に正面から立ち向かい、国民を説得し、乗り越えるだけの覚悟が足らなかったことを深く反省しています。
しかし、私たちの志は不変です。根底にあるのは、一人一人を大切にする政治を実現したいという強い思い、そして、何としても安倍総理の暴走をとめなければいけないという危機感です。今こそ、日本が直面している多くの困難を先送りせず、正面から立ち向かう、国民に正直で真面目な政治が必要です。
安倍総理、私は、冒頭、安倍政治は本当の課題解決を先送りするばらまき政治であると強調しました。同時に、あなたは、戦後七十年、私たちの先人たちが築いてきた基本的人権の尊重や平和主義を、深い洞察もなく変えようとしています。あなたの挑戦は、方向が全く間違っているのです。
国民の皆さん、国民に正直で真面目な政治か、それとも安倍政治か。最終的には国民の皆さんの選択です。しかし、私は、ここで道を誤ってはならない、ここで道を誤ってはならないと声を大にして申し上げたい。
皆さん一人一人に、次の世代に恥じない判断をしていただきたい。若者や女性、そして今まで政治と距離を置いてきた人々が、危機感を持って声を上げています。私も、覚悟を持って安倍政治と戦っていく、そのことをお約束して、私の提案並びに安倍総理に対する質問といたします。(拍手)
〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇〕