松野頼久の発言 (本会議)

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○松野頼久君 維新の党の松野頼久です。
 統一会派民主・維新・無所属クラブを代表して、安倍総理の施政方針演説に対して質問いたします。(拍手)
 本論に入る前に、甘利大臣の金銭疑惑について一言申し上げます。UR都市機構への働きかけに伴う金銭の授受の疑惑が報道されています。
 大臣は以前、全てを秘書の責任にして、何ら関与していないという政治家の説明が、国民に理解されるはずがありませんという趣旨の発言をしていました。
 甘利大臣は、職務権限を持つ内閣の一員として、今回の疑惑に答える責務があります。迅速かつ説得力を持った説明をしていただきたい、このことを強く求めた上で、本論に入ります。
 まず、選挙制度改革について伺います。
 衆議院選挙制度調査会は、十六回もの会合を重ね、その検討結果を、一月の十四日、大島衆議院議長に答申しました。審査会の委員の方々、そして当時設置をされた伊吹前議長と大島議長の御尽力に心より敬意を表します。
 答申の十削減案については、国会議員定数の三割削減を掲げる我が党の考え方からすれば、全く不十分であります。消費税増税を国民に押しつけながら、我々国会議員だけが、衆議院議員定数の四百七十五のうち、わずか二%の十の削減でのうのうとしていることは、とても国民から理解を得られません。なぜ大幅な削減ができないんですか。
 先日の代表質問の際にも申し上げました。自民党は、二〇一〇年の参議院選挙におけるマニフェストで、三年後に衆参国会議員の一割、これは七十二名なんですよ、六年後に三割、二百二十二名の削減を主張しました。約束した期限はとうに過ぎているんです。衆議院で自民党は単独過半数の二百九十一議席、参議院でも自公合わせて百三十四の過半数の議席を持っているわけですから、やろうと思えばいつでもできるはずじゃないですか。
 にもかかわらず、自民党内では、自分たちの議席を守るために、今回の答申の十削減案に対してすら反対する動きがあると報道されています。せめてこれぐらい文句を言わずにやろうじゃないですか。
 全く不十分な数ですが、削減しないよりよいという立場で、我々は賛成します。
 また、今回の答申では、一票の格差を是正するために、アダムズ方式の採用も盛り込まれています。今のままの区割りでは、国勢調査が発表されるたびに、違憲状態の選挙区が生じてしまいます。我々は、それを解消するためのアダムズ方式に賛成します。
 総理には、自民党総裁として、アダムズ方式の採用も含め、この選挙制度調査会の答申どおりに実行するかどうかをお答えいただきたいと思います。
 ことしはダブル選挙もあり得ると報道されています。よもや、違憲状態の区割りのままで衆議院を解散することはないでしょうね。安倍総理は、参議院議員選挙の後、憲法改正を唱えていますが、もし、衆議院が違憲状態のままでダブル選挙を強行し、三分の二の多数で憲法改正を発議するということになれば、違憲な選挙で得た無効な議席による無効な発議という異常事態になりかねません。お考えを聞かせていただきたいと思います。
 総理は昨年まで、株価が上昇したことをアベノミクスの成果として盛んに発言されてきました。しかし、ことしに入り、日経平均株価は大幅に下落をし、下げ幅は一時三千円にも達しました。もちろん、世界経済の動向の影響があります。しかし、マーケットが、アベノミクスの第三の矢、すなわち成長戦略を疑問視しているという側面もあるのではないでしょうか。
 設備投資の増加ペースは鈍く、賃金の増加、消費の増加という好環境にもつながっていません。アベノミクスで結局目立ったのは日銀が行った金融緩和だけで、財政政策と成長戦略は目に見える効果が上がっていないのではないですか。
 この状況を打破するためには、岩盤規制と言われている農業、医療・介護などの分野で大胆な改革を進める必要があります。
 安倍総理はおととしのダボス会議で、今後二年間で残された岩盤規制を全て打ち砕く、このように宣言して、今、その二年が経過しました。
 しかし、農業の参入規制緩和は小粒で不十分なまま。医療・介護分野の参入規制緩和は進んでいません。岩盤を打ち砕くための安倍総理のドリルは、残念ながら、小さくて弱過ぎるんです。規制で守られた既得権益から多くの組織票や献金をもらっている安倍自民党には、岩盤を打ち砕く改革は期待できず、第三の矢は依然として進んでいないと言わざるを得ません。
 総理、アベノミクスによる規制緩和は十分だとお思いですか。また、成長戦略は成功したとお考えですか。お答えいただきたいと思います。
 新三本の矢について伺います。
 安倍総理は、昨年の九月、安保法制の強行採決からわずか一週間後に、新三本の矢として、GDP六百兆円、希望出生率一・八、介護離職ゼロを打ち出しました。
 GDP六百兆については、毎年実質二%、名目三%以上の成長を掲げています。しかし、足元の実質の成長率を見ても、昨年の四—六月期はマイナスの〇・一、七—九月期は〇・三と、低い伸び率にとどまっています。多分、十—十二月期も同じでしょう。
 今後、一〇%への消費増税も控えています。経済界からは、六百兆円の実現を疑問視する声が上がっています。当然です。今後、どのように三%成長を実現し、それを続けていくのか、説得力のある道筋を具体的かつ定量的に御説明いただきたい。
 次に、希望出生率一・八についてです。
 五十年後に人口一億人の維持という目標を掲げていますが、仮に出生率一・八が実現をしても、五十年後に一億人は維持できません。
 二〇三〇年に一・八を実現し、二〇四〇年に二・〇七まで上がり、その後も二・〇七を続ければ、二〇六〇年における一億人の維持が可能です。
 空前のベビーブームを二十年間にわたって起こさなければならないんです。しかし、これまでと同じような対策で、空前のベビーブームなど起こるはずがありません。
 そこで、安倍内閣が引っ張り出してきた言葉が、希望出生率という概念です。要するに、子供が一・八人ぐらいは欲しいという話で、単なる希望にすぎないんです。どの政策によって、何年で、出生率をどこまで上げるのか、具体的かつ定量的に御説明をいただきたいと思います。
 次に、介護離職ゼロについてです。
 政府は、特別養護老人ホームの大幅な整備によって、五十二万人の入所待機者を解消するとしています。今、最も不足しているのは、介護職員のなり手なんです。箱物偏重では意味がないんです。
 最大の鍵は、介護職員の待遇改善なんです。ふえ続ける社会保障費の増大をできるだけ抑えながら、ほかの産業の賃金を大きく下回っている介護職の賃金を今後どのように引き上げていくのか、総理に伺いたいと思います。
 また、働きながら介護できる環境づくりも重要です。介護開始前と同じ職場で、働き方を変えずに仕事を続けられる介護時間の限度は、仕事がある日は二時間、仕事がない日は五時間だといいます。時短とワークシェアリングが有効な介護離職対策です。
 しかし、ワークシェアリングに至っては、平成十八年度を最後に政府の取り組みが見られません。これについて、総理のお考えを伺いたいと思います。
 総理は、現在、家族で介護をなさっている方々の数を御存じでしょうか。三百八十三万世帯です。そして、五百三十三万人、これは要介護に認定された方の人数です。三百六十万世帯、国民健康保険料を滞納している世帯。七百六十六万人、これは国民年金保険料を払っていない人数です。二万五千人、年間の自殺者です。毎日七十人が自殺をしているんです。三百五万人、貧困に瀕している子供の数です。九十万人、六十五歳以上の無年金の方々の人数です。驚くべき数字、これが今の日本の実態です。
 政府が喫緊に取り組む課題は、年金、医療、介護の仕組みを根本から立て直すこと。それが実現されるまで、我々は手を緩めません。
 社会保障制度のグランドデザインは、今後、有識者会議で検討すると仄聞しますが、その前に、総理御自身の大きな考え方を聞かせていただきたいと思います。
 次に、消費税について伺います。
 そもそも、我々維新の党は、徹底した身を切る改革と大胆な行財政改革をなし遂げなければ、消費税の増税に反対であるということを、まず明言しておきます。
 その上で、今回、政府・与党が導入を決めた軽減税率に関しては、財源の問題に懸念をしています。
 消費増税を決めた際、消費税収は全額、社会保障に充てることが国民との約束だったはずです。しかし、与党は、痛税感を和らげるために、軽減税率を導入しようとしています。しかも、財源の見通しがないまま、軽減税率を一兆円規模に拡大しています。もし、社会保障費を削減し、それを軽減税率の財源に充てるのであれば、税と社会保障一体改革の考え方、本末転倒であります。
 政府・与党は、昨年末にまとめた税制改正大綱に、軽減税率は安定的で恒久的な財源を確保する、このように明記しているんです。にもかかわらず、安倍総理は、税収の上振れ分の活用もあり得るような答弁をしている。他方で、麻生財務大臣は、税収は上振れも下振れもあるから、安定的で恒久的な財源とは言えない、このようにおっしゃっている。閣内不一致じゃないですか。税収がふえたのであれば、我々がこれまでにも訴えてきたとおり、国の借金の返済に回すべきじゃないですか。
 さらに危惧するのが、低所得者への所得再配分がゆがめられているということです。
 第一に、軽減税率は、中高所得者が多く恩恵を受けるために、低所得者対策とは言えません。我々は、その問題を解決するために、給付つき税額控除という対案を準備しています。政府として、給付つき税額控除の考え方、これを採用する気持ちがあるのかないのか、総理にお伺いをしたいと思います。
 第二に、軽減税率の導入の財源を捻出するために、総合合算制度の先送りを決めてしまおうとのことです。総合合算制度とは、医療、介護、障害、保育の自己負担の合計額に上限を設ける仕組みです。医療などの自己負担や社会保障料は、消費税以上に逆進性が大きいのです。総合合算制度をなぜ先送りしてしまうのか、総理の答弁を求めたいと思います。
 今の日本が抱えている最大の問題は、人口減です。現在は、子供を望んでいるのに経済的な理由で諦められているという声をよく耳にします。特に、第三子、第四子。子育て世帯の貧困率が高いことも大きな社会問題になっているんです。
 本来であれば、子供を産み育てやすい環境をつくるという側面を経済的に支援する子育て世帯臨時特例給付金を増額しなければいけないにもかかわらず、子育て世帯臨時特例給付金を打ち切ってしまいました。なぜこれを打ち切ったのか、総理に伺いたいと思います。
 株価の下落によって心配されているのが、公的年金資金の運用です。
 安倍内閣は、一昨年の十月に公的年金資金の運用を大きく変えました。年金積立金管理運用独立行政法人、いわゆるGPIFの国内株式と外国株式への投資割合を、それぞれ一二%から二五%へと倍増させました。株式市場の活況を自作自演したんです。ある意味で、官製相場をつくり出しているんです。
 しかし、GPIFは、昨年の七—九月期にも七・九兆円もの運用損を出しました。過去最大の損失です。加えて、この年初からの株価の下落でかなり損失が出ていることは間違いありません。総理は、短期的な株の動向には一喜一憂しないとおっしゃっていますが、長期的に大きな損失を抱える可能性は十分にあるんです。
 年金積立金は、国民から保険料として集められた貴重な財産です。株価の下落によって我々の老後資金が大きく目減りする、そのようなことがあってはなりません。年金積立金を目先の株価対策に都合よく使うようなことがあってはならないんです。長期的な資金の安全性が第一という観点に立ち返り、運用と組織のあり方を改めて考え直す必要があるんです。
 ところが、昨年の十一月、経済財政諮問会議のメンバーの一人がこのような発言をしています。GPIFが機関投資家に運用委託しているので、機関投資家に対して働きかけ、投資先の企業が必要以上にキャッシュを持っているのであれば、例えば三年以内に設備投資をするか賃上げをするか、どうするか決めさせる、決めないのであれば、配当で戻させ、そして別に成長するところにお金を回す、そうしたぐあいにGPIFを活用するということも大いに効果があるのではないかと。
 とんでもない発言であります。要は、安倍政権の言うことを聞く企業には投資するが、言うことを聞かない企業には投資するべきではないと言っているんです。
 総理、GPIFはあなたの財布ではありません。国民の大切な老後を支える年金資金を恣意的に運用することは、決してなされないですよね。安倍総理に伺いたいと思います。
 また、GPIFによる恣意的な意思決定を防止するために、情報公開の仕組みをしっかりと盛り込み、国民の監視によって透明性を確保することをぜひお約束いただきたい。答弁を求めたいと思います。
 総理は、この三年間、六十三もの国と地域を訪問し、首脳会談は四百回を超えました。諸外国との外交関係を強固にするという努力に対しては、評価させていただきたいと思います。
 しかし、首脳会談の際、たびたび資金援助の表明をなさったと思います。合計したところ、支援件数は三十八件、借款を含めて実に三十二兆円に上るんです。
 財政状況が厳しい中、そこまでの大盤振る舞いをする余裕があるんでしょうか。外遊の手土産ではないんです。資金支援を決める前に、その支援で我が国が受けるメリットをきちんと分析しているんでしょうか。
 幾つかの例を挙げましょう。
 昨年の七月、日・メコン首脳会議では、今後三年間で七千五百億円の支援を実施する旨の表明をいたしました。これはどのような中身なんですか。その資金援助が我が国にとってどのような国益に資するのですか。それが国民にとってどのように還元されるのか。こういう観点でお答えいただきたいと思います。
 また、おととしの七月、パプアニューギニアを訪問した際、今後三年間で二百億円規模の支援を行う旨の表明をしました。これもどのような中身なんでしょうか。どのような国益に資するんですか。それが国民にどのように還元されるんですか。お答えいただきたいと思います。
 TPPへの対応について伺います。
 まず冒頭、我々維新の党は、自由貿易を拡大するという基本的な考え方には賛成であるということを明言しておきます。その上で、幾つか、これまでの対応について伺いたいと思います。
 自民党と公明党は野党時代、TPPに関する特別委員会の設置をし、交渉によって得た情報を少しでも出すように、このように強く要求していたはずです。私が議院運営委員会の与党の筆頭理事だった当時のことです。しかし、自民党と公明党は、与党に返り咲いたならば、特別委員会の設置を拒み、いまだ設置に至っておりません。言行不一致甚だしい。総理は、自民党総裁としてどのようにお答えになるんでしょうか。
 さらに、農林水産委員会の決議では、TPP交渉によって入手した情報は速やかに国会に報告すると決議しているじゃないですか。にもかかわらず、政府は、国会に情報を秘匿したまま大筋合意に至ってしまいました。TPPに参加を決定するということはさまざまな分野でさまざまな影響があるのですから、国民に詳しく説明することが必要なんです。
 なぜ国会にきちんとした情報を出さないんですか。出せる情報は直ちに出し、国会での議論が必要だと思いますが、いかがでしょうか。総理に伺いたいと思います。
 安倍内閣が目指すこの国の形とはどのようなものなんでしょうか。政府機関の地方移転の問題を通して伺いたいと思います。
 安倍内閣は、地方創生の名のもと、政府機関の地方移転を進めようとしています。これも、中央省庁、中央の役所が地理的に分散するだけで、権限と財源が中央省庁に集中しているという中央集権の構図は変わらないんです。
 安倍総理は、予算委員会での我が党の水戸将史議員に対する答弁で、地方分権を目指すと発言されました。
 しかし、今回の政府機関の地方移転は、消費者庁や文化庁などごく小さな一部が検討されている程度にすぎず、大変小粒だと言わざるを得ません。この後、国と地方をどのような形にしていくのか、目指している国家像が全く見えてこない。
 我が党が目指しているのは、権限と財源と人を大胆に地方に移して、道州制を軸に自立と分権の国家像をつくることです。文化庁や観光庁や中小企業庁を地方に移すということではないんです。中央省庁の持っている権限と財源をしっかり地方に移すべきではないですか。総理のお考えを聞かせてください。
 安倍総理も、第一次安倍内閣では、道州制担当大臣を置くなど、道州制に向け強い意欲をお持ちでした。その信念は変わってしまったんでしょうか。そうでなければ、どうして、小粒な政府機関を地方移転という似て非なる改革に走ってしまったんでしょうか。
 もし、まだ道州制や地方分権を進めるつもりがあるならば、どのようなスケジュールで進めていくのか、そして、そもそも国と地方をどのような形にしていくべきなのか、お考えを伺いたいと思います。
 今の国と地方の関係はゆがんでいます。国と民間の関係もゆがんでいます。
 国からの補助金は、毎年約三十兆円も地方と民間に配られています。民主党政権が苦労して導入した一括交付金は、自民党が政権をとった途端、すぐに廃止をされました。地方がみずから工夫して使い方を決めるための財源が消されてしまったんです。
 自由度の高い大型の交付金を復活させるお考えはありませんか。総理にお伺いしたいと思います。
 来年度の予算では、新規国債が三十四兆円発行されています。今年度と比べて二兆円余り抑制され、総理は胸を張っておられます。しかし、それでいいんでしょうか。総理以下政府・与党の方々は、財政の状況を甘く見過ぎておられるのではありませんか。
 利払い費と償還費を合わせた一般会計の国債費は、今年度よりもふえるんです。さらに、借換債も含めた国債費は九十兆円。社会保障関係を抜いて、既に最大の歳出項目なんです。
 来年度末の国債残高に目を転ずれば、十年前よりも三百兆円の増加。二十年前と比べれば六百兆円もふえることになります。まさに異常な姿であります。
 今から五十年前の昭和四十年、佐藤栄作内閣のもとで戦後初めて国債を発行したときの真摯な国会質疑をもう一度振り返らなければいけないと思います。
 当時、野党の社会党の木村禧八郎議員は、政治の体質が放漫財政をもたらすような体質なんですよ、ここで深刻に反省しなければ、今後日本の財政は大変なことになりますよと述べ、当時の福田赳夫大蔵大臣と激しく論戦しました。
 また、当時、野党公明党の中尾辰義議員もまた、一度公債を発行した後に急にこれをとめようとしても、ストップすることが果たしてできるのか、これは極めて至難のわざだと述べ、今の状況に五十年前の方々は警笛を鳴らしていたんです。
 それに対して、福田赳夫大蔵大臣はこのように発言をしました。財政法は憲法に準ずる大切な法律です、特に第四条は尊重しなければなりません、いたずらな解釈によって運用してはなりません、したがって、本年限りの特例として法案の審議をお願いしているんですと。
 赤字国債の発行を禁じた財政法四条の重みをしっかりと感じられていたんです。
 それに対して、安倍政権を初め歴代の政権は、巨額の国債を発行することになれ切っているとしか思えません。五十年前の野党の心配がそのとおりになっているんです。もう一度あのときの議論を我々は思い出すべきではないでしょうか。もはや、現在の予算編成そのものが持続可能性を失っていると言わざるを得ないんです。総理の考えを聞かせてください。
 財政再建に向けた一つの肝は、補助金改革です。我々は、今後、個々の不要な補助金や公共事業の箇所づけなど、これを徹底して議論し、あぶり出していく必要があると思います。
 オリンピック・パラリンピックの関連予算について伺います。先日の予算委員会で民主党の玉木雄一郎議員が質問しましたが、政府が答えられなかった件です。
 来年度予算に東京オリンピック・パラリンピックの関連予算は幾ら計上されているんですか。政府は、先週の金曜日、予算案を国会に提出したわけですから、わかるはずであります。お答えいただきたいと思います。
 そして、新国立競技場の建設費千五百億について伺います。
 誰がどのように負担するのか、国や東京都などの分担の大枠は決まったと報道されています。しかし、日本スポーツ振興センターがみずから全額を負担するという考え方はないんでしょうか。
 財務諸表を見ると、センターは、現預金と有価証券で千三百億円も保有し、毎年、サッカーくじtotoの収益金が五百億も入ってくるんです。新国立競技場を自主建設できるだけの体力が十分にあると思います。なぜそこに多額の税金を投入する必要があるのか、お答えをいただきたいと思います。
 と同時に、国民から寄附を募って建設をするという案も政府から聞こえてきます。もし寄附を募るのでしたら、箱物ではなくて、むしろ、なじみの薄い競技やパラリンピックの選手を直接支援するような寄附にしたらいかがですか。お答えいただきたいと思います。
 二十一年前の一月十七日、阪神・淡路大震災が起こりました。
 総理は、「しあわせ運べるように」という歌を御存じでしょうか。当時、神戸市立吾妻小学校に勤務をされていた臼井真先生がつくった曲です。
 臼井先生は、震災当時、音楽教師は何の役にも立たないと精神的に追い詰められていました。そんなとき、たまたま夜のニュースで、ふるさと神戸の中心である三宮が崩壊した映像を目にしました。その瞬間、思いが込み上げ、歌詞が心の奥から湧いてきて、思わず近くにあった鉛筆と紙を握り、歌詞にメロディーをつけ、わずか十分でこの曲を書き上げたと聞きます。そして、清らかで優しい子供たちの歌声に皆が涙し、と同時に、生きる力が大人たちの間に湧いてきたのです。復興を後押ししてくれたんです。
 これまで十カ国語に翻訳され、世界の被災地でどんどん歌われています。新潟中越地震や東日本大震災の被災地でも歌われていたと思います。今度は私たち大人が子供たちに幸せを運ぶ番ではないでしょうか。
 野田前総理は、将来世代のことを考えて、社会保障と税の一体改革に突き進みました。しかし、あのときの増税、その思いを軽んじ、増税分を、お金に色がついていないとばかりに、国土強靱化の名のもとに、十年間で二百兆円もの公共事業を行うという大盤振る舞いを考え、そして、ついに、軽減税率の財源として、社会保障の子育て世帯臨時特例給付金や総合合算制度にまで切り込もうとしているんです。今、我々の世代が苦しくても、将来の子供たちによい時代をつなごうという発想が感じられないんです。
 折しも、ことしは選挙権年齢が引き下げられます。まさに今、最も必要なのは、将来世代のことを考えて政を行うことではないでしょうか。
 当面、少子高齢化の進行は避けられません。つまり、働く世代がどんどん減っていくんです。そして、過去の政府の借金が一千二百兆円、毎年の税収は五十兆円余り。このままの政治が続けば、誰が考えても、子供たちの世代が重税にあえぎ、社会保障の制度が破綻をする、このことは明らかなんです。
 今、我々の世代が我慢をしても、税金の無駄遣いを徹底的に切り、財政再建をして、将来の子供たちに負担を少しでも軽くする努力をしなければならないんじゃないでしょうか。
 そのためには、まず、国会議員みずからが身を切り、範を示さなければなりません。その第一歩が、国会議員定数大幅削減を初めとする身を切る改革こそが第一歩であるということをここに宣言し、私からの代表質問を終わらせていただきます。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)
    〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇〕

発言情報

speech_id: 119005254X00720160126_011

発言者: 松野頼久

speaker_id: 11305

日付: 2016-01-26

院: 衆議院

会議名: 本会議