宮本岳志の発言 (本会議)
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○宮本岳志君 私は、日本共産党を代表して、所得税法等改正案について総理に質問いたします。(拍手)
総理は、施政方針演説で、三年間のアベノミクスは大きな果実を生み出したと自画自賛してみせました。しかし、一月の読売の世論調査でも、国民の七割が、安倍内閣のもとで景気の回復を実感していないと答えています。
大体、本当にそれほど経済がうまくいっているのなら、これほど国民の間から、暮らしや営業、雇用や老後をめぐって不安と怨嗟の声が上がるはずがないではありませんか。
確かに、大企業は、アベノミクスのもと、二年連続で史上最高の利益を更新し、内部留保は今や三百兆円を突破しました。
しかし、国民の暮らしはどうか。厚生労働省が二月八日に発表した二〇一五年の毎月勤労統計によると、実質賃金指数は前年を〇・九%も下回り、四年連続でマイナスです。
今起こっていることは、経済の好循環どころか、一層の貧困と格差の広がりではありませんか。総理の答弁を求めます。
アベノミクスの三本の矢は完全に破綻しました。異次元の金融緩和のかけ声のもと、日銀が年間八十兆円もの日本国債を買い入れ、市場に通貨を放出し、円安と株高を演出する政策も、もはや破綻は明瞭です。日銀は、マイナス金利などという禁じ手に手を出したあげく、経済と金融の安定性さえみずからの手で破壊し、円高と株価の乱高下を招いています。
内閣府が昨日発表した昨年十—十二月のGDP速報値は、前期比年率でマイナス一・四%と、GDP六百兆円どころか、逆に日本経済は縮小しています。その最大の要因が、GDPの六割を占める個人消費の減にあることは明らかです。総理、この現実を直視するなら、アベノミクスの破綻はもはや明瞭ではありませんか。
ところが、政府は、アベノミクスの第二ステージなどと言って、最初の三本の矢の総括も反省もないままに、性懲りもなく新三本の矢なるものを持ち出してきました。総理は、最初から設計図があるような簡単な課題ではないなどと言いますが、その設計図は、紛れもなく財界、経団連が描いたものであります。
昨年一月一日に経団連が発表した「「豊かで活力ある日本」の再生」と題した提言では、既に、GDP六百兆円の実現や人口一億人の維持などが打ち出されています。何よりも、経団連の榊原会長自身が、経団連ビジョンで掲げた目標とほぼ内容的には軌を一にしていると大いに評価しているではありませんか。答弁を求めます。
経団連は、この提言で、実効税率二五%までの法人税引き下げを求めていますが、財界の言うまま、さらなる法人税減税を進めるのですか。あわせて答弁を求めます。
本法案の内容である税制改正大綱は、この財界の意を受けたものであり、国民には消費税の増税など一層の負担を押しつけつつ、大企業には法人税減税の大盤振る舞いを続けようとするものです。法案では、大企業に、法人税のさらなる引き下げで、一兆円もの減税をばらまいてやろうとしています。
財界は、日本の法人税率は高いと言いますが、事実に反します。法定実効税率は、既に、二〇一一年度の三九・五%からことし三月期の三三・一%に引き下げられ、フランスの三三・三%、ドイツの二九・五%に比べても大差はありません。大体、あなた方がお手本のように言うアメリカのニューヨーク州の法定実効税率は、四五%を超えています。
麻生財務大臣は、先日の財務金融委員会で、今回の改革で国際的に遜色のない水準へ移行できたと述べられました。総理も財務大臣と同じ考えかどうか、答弁を求めます。
大企業優遇の減税策は枚挙にいとまがありません。
報道によれば、研究開発減税を初めとする租税特別措置による政策減税は安倍政権下で倍増、二〇一四年度には少なくとも約一兆二千億円に上ると言われます。しかも、減税額のうち約六割を資本金百億円超の大企業が受けており、まさに大企業優遇措置ではありませんか。例えば、二〇一四年度の研究開発減税は六千七百四十六億円と過去最高に達し、その九割以上は資本金十億円超の大企業に対するものです。
総理、日本の大企業の法人税は、実質税負担率で見れば、高過ぎるどころか低過ぎるのです。これ以上引き下げる必要がどこにあるのか、答弁を求めます。
総理、消費税は、低所得者ほど負担が重い、逆進性を持つ税制です。この税率を引き上げれば、その逆進性も一層高まります。
たとえ食料品等の消費税率を現行の八%に据え置いたとしても、低所得者層ほど消費税負担の増加率が高まる、すなわち逆進性も高まるということをお認めになりますか。
一〇%への増税が、景気悪化の引き金を引き、日本経済に追い打ちをかけることは明瞭です。来年四月からの増税はきっぱり中止すべきではありませんか。答弁を求めます。
あなた方は、軽減税率があたかも低所得層に配慮したもののように言いますが、とんでもありません。
私は、先日の財務金融委員会で、来年四月の消費税一〇%への引き上げ時に簡素な給付措置が打ち切られること、これは、消費税八%への引き上げ時に、住民税非課税の約二千二百万人に対して、消費税引き上げに伴う食料品支出額の増加分、三%分を補填するという建前の給付金であったことを明らかにしました。
簡素な給付措置が食料品の消費税三%分に値したかどうかはともかく、来年四月、それを打ち切れば、たとえ軽減税率によって食料品等の税率を八%に据え置いたとしても、低所得世帯には二重の負担増になるのではありませんか。答弁を求めます。
私の問いに麻生財務大臣は、簡素な給付措置打ち切りによる三%分の負担増を認めざるを得なくなり、消費税の引き上げの増収分は、全額社会保障費等々の充実、安定化に充てるなどと、その使途の問題にすりかえることしかできませんでした。
しかし、消費税は既に八%に増税されたが、社会保障の充実などどこにもありません。年金も介護も医療も、負担増と給付減のオンパレードであります。その上、安倍内閣は、毎年一兆円とも言われる社会保障の自然増を五千億円程度に圧縮することを決め、小泉内閣以上の血も涙もない社会保障費削減に踏み出しています。
総理、これでは、社会保障と税の一体改革の看板に偽りありと言われても仕方がないではありませんか。答弁を求めます。
また、いわゆるインボイス方式を前提にした軽減税率は、業者の実態を無視するもので、麻生財務大臣でさえ面倒だと言うのは当然です。インボイスが発行できない事業者は取引から排除され、実質的には免税点の形骸化につながることになります。免税業者は潰れても構わないということなのか、答弁を求めます。
国民には一人当たり二万七千円、世帯当たり六万二千円もの消費税増税を押しつけながら、大企業には法人税減税や研究開発減税などの大盤振る舞い、このような経済政策、税制は全く逆立ちしています。
今こそ、我が党が提案している、貧困と格差を正し、暮らし最優先で日本経済再生を図るまともな道に経済、税制のかじを切りかえることを強く求めて、私の質問を終わります。(拍手)
〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇〕