宮崎岳志の発言 (本会議)
⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。
詳細は利用規約をご確認ください。
○宮崎岳志君 冬の寒さ残る上州群馬より上ってまいりました宮崎岳志でございます。
私は、民主・維新・無所属クラブを代表し、ただいま議題となりました地域再生法の一部を改正する法律案について質問いたします。(拍手)
冒頭、一言申し上げます。
甘利明前大臣は、昨日で一カ月間の自宅療養を終えられたと存じます。甘利大臣、いらっしゃっていますでしょうか。ちょっと目が悪くてよく見えませんけれども、一部の報道によれば、甘利大臣は、議員宿舎で足腰のトレーニングに励んでいらっしゃるということであります。睡眠障害から回復された以上、速やかに国会における証人喚問に応じ、金銭授受に関する疑惑をみずから晴らされることを求めます。
安倍総理は、本年一月の施政方針演説の冒頭で、幕末の勘定奉行、小栗上野介忠順の言葉を引用されました。
一言以て 国を亡ぼすべきもの ありや、
どうかなろう と云う一言、これなり
幕府が滅亡したるは この一言なり
我がふるさと群馬の偉人、小栗上野介忠順の言葉を引用していただいたことには感謝を申し上げます。
一方で、小栗が薩摩、長州を中心とする新政府軍に反逆の罪をでっち上げられ、裁判どころか取り調べすらないまま惨殺されたことも、長州人たる安倍総理には思い起こしていただきたいのであります。
物事には多面的な見方があります。長州の見方もあれば、上州の見方もあるのであります。その違いを認めることこそ、地方創生の本質であります。
その小栗忠順は、現代につながる中央集権制の事実上の立案者だったと言われております。郡県制を提唱したのも小栗上野介だということであります。
地方創生には小栗以来百五十年の中央集権制の大転換が必要であります。しかし、安倍政権の掲げる地方創生は、小手先の小細工に終始しております。
地域主権改革は、我が党の綱領にも記された党是であります。安心してください。民進党の綱領案にも入っていますよ。
我々は、地方創生の理念には共感しつつも、今回の法案については厳しくチェックをさせていただきます。
まず、廃止された一括交付金について伺います。
かつて、民主党政権は、地域の自主性を尊重するため、各府省のひもつき補助金を統合し、自治体が自由に配分できる一括交付金を創設しました。都道府県へのアンケートでも、約八割が評価すると回答されておりました。
しかし、安倍政権は、発足するや否や、これを廃止し、旧態依然、古色蒼然たるひもつき補助金に戻してしまいました。坊主憎けりゃけさまで憎いということでしょうか。
石破地方創生大臣は、以前、手続が煩雑で使い勝手が悪かったためだというふうに答弁をしておりますが、煩雑だったのは手続ではなく、補助金に群がる業界や団体の利害調整だったんじゃないですか。
一括交付金を廃止し、ひもつき補助金に戻した理由を改めて伺います。
新型交付金の地方創生推進交付金について伺います。
安倍政権は、旧来の補助金を温存したまま、制度のすき間を新型交付金で埋めようとしております。しかし、それは小手先の対症療法であり、総額も一千億円にすぎません。民主党政権下の一括交付金が弊害の根本的除去を目指した外科手術であれば、新型交付金は傷口に張りつけるばんそうこうにすぎないのであります。
しかも、自治体の計画を国が審査する上から目線の仕組みで、煩雑さ、使い勝手の悪さは一括交付金を上回るものであります。昨年八月、通信社が行ったアンケートにおいても、全国の知事の半分以上が評価できないというふうに回答をしております。
石破大臣、新型交付金の総額は十分確保されたと思われますか。煩雑で使い勝手が悪くないですか。地方の自由にさせるという気はないんでしょうか。お答えをいただきます。
新型交付金の補助率は二分の一であり、残りは地方交付税で措置することとされております。しかし、複雑怪奇な地方交付税制度こそが、地方から自主性を奪ってきた元凶ではないでしょうか。
私は、新聞記者時代、ある市の職員から、地方交付税制度は余りに複雑で、その全体像をわかる人は市役所にも県庁にも一人もおりませんと聞かされたことがあります。
先日、元総務大臣の片山善博さんにその点をお尋ねしました。すると、片山さんは、私にも全部はわかりません、誰にもわからないんじゃないでしょうかというふうにお答えになったのです。旧自治省の官僚であり、県庁職員、鳥取県知事、総務大臣まで歴任をされた片山さんすら全体像をつかめないような複雑怪奇、奇妙きてれつな仕組みであります。
その年度に来るお金もあれば、地方債を二十年、十五年かけて償還する際におりてくるお金もあります。時々の財政状況でも変動します。最終的に幾ら来るのか、さっぱりわからないのであります。
自治体が事業を行うに当たり、実際のコストも費用対効果も算定できないようなものでは、無駄な事業が行われるのは当然であります。まさに全自動無駄製造機であります。
地方交付税を簡素化し、事業とのひもづけを廃止することこそ地域主権の第一歩です。石破大臣、そして地方交付税を所管する高市総務大臣、交付税制度に切り込む覚悟はありますでしょうか。
そもそも、全国の地方交付税の総額は最初からほぼ決まっているものであります。どこかがふえれば、どこかが減らされているんです。交付税措置を地方から見れば、自分たちの財布から黙って抜き取られたお金でプレゼントをもらっているようなものではありませんか。
高市総務大臣、新型交付金の半額を交付税措置するための財源はどこから持ってくるんでしょうか。
地方創生応援税制、いわゆる企業版ふるさと納税についてお伺いをいたします。
企業が好きな自治体に寄附をすれば、寄附金額の三割相当額を税額控除され、既存の制度と合わせ、寄附額の六割分の税が軽減されるといいます。寄附を受ける自治体にとってはありがたい話ですが、一方で税収を失う自治体も出てくることは見逃せません。
今回の仕組みでは、石破大臣の地元鳥取県や私の地元群馬県の小さな町村から首都圏の自治体に税収が移転することも起こり得ます。地方の財政力の弱い自治体にとっては、まさに村の存亡にかかわる一大事であります。
石破大臣、この減収分はどうやって補填するんでしょうか。それとも放っておくんでしょうか。
個人版ふるさと納税では、返礼品をめぐる競争が過熱をしております。返礼品リストには今も、焼酎一升瓶三百六十五本、豪華客船で行くにっぽん南国めぐりと韓国八日間の旅、最高級デジタル一眼レフカメラ、和牛一頭分、マグロ丸ごと、観光フェリー貸し切りなど、驚くべき品々が並んでおります。
個人ですらこれでは、営利を目的とする企業が、寄附をした地方自治体に便宜供与を求めるおそれも高いと言わざるを得ません。
経済的利益を伴う寄附は今回の制度の対象外とされておりますが、水面下で補助金や税制上の優遇などの便宜を図ることは十分予想されます。また、企業側から自治体に、工場への接続道路を建設してくれとか、社長を名誉村民にしてくれとか、市立大学の名誉博士号をくれとか、そういう要求があるかもしれません。
石破大臣、これらの便宜供与をどうやって防ぎますか。それとも認めるのでしょうか。
また、原子力発電所の立地自治体に対し、電力会社等が地元対策として多額の寄附を行ってきたことは広く知られております。
石破大臣、企業版ふるさと納税制度を活用すれば、これらの寄附も税額控除の対象になり、電力会社が納める税金は軽減されるということでよろしいんですね。
政府関係機関の地方移転について伺います。
地方から寄せられた移転要望の多くが却下をされました。その理由を見ると、東京駅から遠くなる、交通が不便、霞が関から遠い、都内には大学が百三十九校あるが群馬には十三校しかないなど、やる気ゼロの理由が並んでおります。東京駅から近ければ地方じゃないんですよ。だったら最初から移転とか言うなとどなりつけたくなるのであります。
わざわざ地方に提案を求めながら、因縁をつけて追い返すなど、まるでブラック企業の圧迫面接じゃありませんか。中には、移転要望を出したら所管する役所から叱られましたという自治体職員までいるんです。
地方移転の前半戦である研究・研修機関について、政府は一部移転を含めて五十一件を実行する方針だといいますが、その中身はすかすかの張りぼてであります。
例えば、全面移転とされた酒類総合研究所東京事務所は、二年前、安倍政権の行政法人改革で廃止等の抜本的見直しが決まっており、廃止されるはずの組織を、移転を口実に温存しただけであります。
移転先に拠点が設置されるケースすら少なく、大半は連携、共同研究、研修や合宿の実施。これは移転ではありません。移転だと言い張るような人は、国語の勉強からやり直されたらいかがでしょうか。
五十一件の移転で、地方拠点に配置される常勤職員は、せいぜい合わせて五十人程度とも予想されております。羊頭狗肉、看板倒れ、大山鳴動してネズミ一匹、こんな地方をばかにした話はありません。
石破大臣、今回の移転で、地方には新たに常勤職員が何人配置されるのでしょうか。
中央省庁の移転には、さらに大きな抵抗が予想されます。早い段階から、文化庁と消費者庁を除いて移転は困難との報道がされており、はなからまともな検討をしているようには思えません。ただ、馳浩文科大臣や河野太郎行革大臣という個人の個性的なキャラクターを際立たせて話題づくりをしているようにしか見えません。政府全体の決意はどこに見えるんでしょうか。
石破大臣、政府は月内に、移転する省庁名の具体名を盛り込んだ基本方針を明らかにするとしていますが、中身のあるものが本当に出せるのでしょうか。馳文科大臣、河野大臣、ふたをあけたら骨抜きということはないですよね。
生涯活躍のまち制度、日本版CCRCについてお聞きします。
日本版CCRC構想は、元気な高齢者の地方移転を促進し、健康でアクティブな生活を送りつつ、必要に応じて医療、介護を受けられる生涯活躍のまちを全国各地につくろうというものであります。
私の住む前橋市も、前橋版CCRC構想を打ち出しておりますが、それら全国各地の自治体が、活性化や人口減対策の切り札として期待をしております。
一方、今法案に盛り込まれた地方にとってのメリットは手続の簡素化のみであり、新型交付金を利用しやすいということを踏まえても、具体性は感じられません。
石破大臣、生涯活躍のまち普及に向けて、ほかに何をされるんでしょうか。
最後に申し上げます。
冒頭申し上げました小栗上野介の言葉、一言もって国を滅ぼすものありやは、実は小栗一流のパロディーであり、元ネタは論語にあります。そこでは、孔子と魯の定公が会話をしております。魯の定公は、一言にして国を滅ぼすもの、これありやと孔子に問いかけるわけでありますが、孔子はそれに答えてこう言います。私の言葉に誰も逆らわないのが楽しいという言葉があります、もし君主が間違ったことを言っても逆らう者がなければ、これこそ一言で国を滅ぼす言葉であります。
もし、安倍政権が、イエスマンばかりを集め、逆らう者を許さず、正当な批判に耳を傾けないならば、地方創生の失敗のみならず、国の滅亡をも招くことになりましょう。
安倍総理と石破大臣以下閣僚諸君が、この孔子の言葉を胸に刻み、耳ざわりな意見も虚心坦懐に聞き入れ、耳に痛い批判も反省材料として生かされることを期待いたします。
与党の皆様の絶大なる不規則発言に感謝を申し上げ、そして、民進党を真の国民政党として育て上げることをお約束申し上げまして、私の質問を終わります。
皆様、ありがとうございました。御答弁よろしくお願いします。(拍手)
〔国務大臣石破茂君登壇〕