福田昭夫の発言 (本会議)
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○福田昭夫君 民進党の福田昭夫です。
私は、民進党・無所属クラブを代表して、ただいま議題となりました国家戦略特区法の一部改正案について質問いたします。(拍手)
まず、国家戦略特区の位置づけについてお聞きいたします。
日本経済の再生に向けた第三の矢としての成長戦略で、内閣総理大臣主導で、国の成長戦略を実現するため、大胆な規制改革などを実行するための突破口として、国家戦略特区を創設することとされ、法律が制定されました。
それは、国家戦略特区を通じて、居住環境を含め、世界と戦える国際都市の形成、医療等の国際的イノベーション拠点の整備といった観点から、規制の特例措置を総合的かつ集中的に講ずることにより、国内のみならず世界から資本と人を引きつけることで世界で一番ビジネスのしやすい環境を創出し、民間投資が喚起されることで日本経済を停滞から再生へつなげていくとしていました。
都市の競争力向上、金融資本市場活性化策を通じて、二〇二〇年までに、世界銀行のビジネス環境ランキングにおいて、日本が二〇一四年先進国十九位から三位以内に入るという成果目標、KPIを設定しましたが、現状はどうかというと、二〇一六年の世界銀行のビジネス環境ランキングでは、何と先進国で二十四位と後退し、成長戦略は少しも進んでおりません。逆に低下をしております。
一方、地方創生を声高に言い出した安倍政権は、国家戦略特区において地域活性化を図るという地方創生の概念を取り入れました。国家戦略特区を通じて、地方創生特区で新たな発展モデルを構築しようとする地域を支援しようとするものでしょうが、そもそも特区法に地方創生特区の定義はなく、むしろ当初の特区法の目標であった、世界で一番ビジネスのしやすい環境といううたい文句は相当陰に消えてしまったように思われます。
石破大臣、結局のところ、国家戦略特区で何を目指そうとしているのでしょうか。年を重ねるごとにその方向性を見失っているのではないでしょうか。当初目指していた方向性は現在も貫かれているのか、軌道修正を図っているのか、特区が目指すべき位置づけについて改めて確認を求めます。
また、この国家戦略特区のほかに、平成十四年に制定された構造改革特区、平成二十三年に制定された総合特区という二つの制度があり、指定区域での制度の類似性や重複により、効率的で効果的な連携ができるのかが大きな課題となっております。
特区という三つの制度をうまく活用していくことを具体化するのか、または大胆に特区制度そのものを整理して一つにまとめていくのか、そうした必要があるかと思いますが、この点について、石破大臣の御見解をお聞きします。
国家戦略特区の区域計画は、国と各区域自治体、民間の三者で構成される区域会議で策定され、閣議決定された国家戦略特区基本方針や内閣総理大臣が決定する国家戦略特区区域方針との整合性を担保しつつ、内閣総理大臣が認定する中央集権的な仕組みとなっております。これに基づき各種の規制の特例を行い、その結果と言える区域の評価書を策定し、内閣総理大臣に提出することとなっており、評価書は速やかに公表することとし、公表に当たっては、特区間の健全な競争を促進させるため、各区域計画の評価結果について相対的かつ客観的に比較が可能なように整理することとされています。
これはPDCAサイクルの基本線となるものですが、評価書はどこで公開され、地域による効果検証をどのように比較、整理されているのでしょうか。また、政府においては、各区域での規制の特例の実施状況を見て、全国展開ができるのかを検証、チェックし、不要な規制について改正していくべきだと思いますが、そうした取り組みを具体的に行っているのでしょうか。
以上について、石破大臣にお聞きいたします。
次に、今回盛り込まれた規制の特例の項目について幾つか御質問いたします。
本法案では、国家戦略特区でテレビでの服薬指導を認めることとしています。この事業の対象となる区域として、都道府県知事が管轄する区域ごとに、保健衛生上の危害の発生及び拡大を防止するために必要なものとして厚生労働省令で定める措置が地方公共団体の長により講じられている区域とされています。
医療資源の乏しい、薬局が遠い離島などの地域の患者の利便性の向上などが想定されますが、これらの想定以上に、どのようなニーズに対応するのか、また、対象地域は、薬局の遠い地域以外に、身近に薬局がある都市部でも指定になるとお考えでしょうか。
一方、対面での服薬指導と比べて、テレビ電話での指導は、薬剤師が患者の様子を把握しづらいという問題があると考えますが、この問題をどうやって解決するのか、石破大臣にお伺いをいたします。
次に、道路運送法の特例についてお伺いをいたします。
近年の過疎化の進行により、路線バス撤退など公共交通の確保が課題となる中で、公共の福祉の確保等の観点から、市町村やNPO法人等が実施主体となり、自家用車による有償運送を認める自家用有償旅客運送制度が、平成十八年の道路運送法改正により実施されています。
今回の特区の特例では、交通空白地帯などで市町村やNPO等が行っている自家用有償旅客運送の対象を外国人観光客等に拡大しようというものであります。
過疎地等で路線バスやタクシー供給が難しいところで、市町村などの非営利団体が外国人観光客のためにこうした措置を講ずることについて、どの程度の輸送需要があるとお考えでしょうか。
また、観光客とそれ以外の者を区別することは困難であり、結果として全ての一般旅客が対象となるのではないでしょうか。
しかも、これが国家戦略特区の区域でできるとなると、大都市の特区で実施する場合、一般のタクシーやバスもある中で、いわゆる白タク行為とも見られかねませんが、こうした課題についてどのように整理しているのか、石井国土交通大臣にお聞きをいたします。
次に、クールジャパン外国人人材の受け入れ検討についてお聞きします。
法案では、クールジャパン外国人人材の受け入れを促進するため、一年以内をめどとして検討し、その結果に基づき必要な措置を講ずることとしています。
既に、高度人材外国人の受け入れを促進するため、高度人材外国人に対しポイント制を活用した出入国管理上の優遇措置を講ずる高度人材ポイント制がありますけれども、現制度では不十分なのか、具体的な説明を求めます。
また、クールジャパンの定義が曖昧であり、何でもかんでも対象業務となってしまい、単純労働に従事する外国人を受け入れてしまうおそれはないのでしょうか。
以上、岩城法務大臣にお伺いをいたします。
企業の農地所有についてお伺いいたします。
現在、農業者以外が一〇〇%出資であっても、リース方式であれば農業参入は可能となっております。所有を行うことのできる農業生産法人も、改正農地法の施行に伴い、本年度から、農業者以外の議決権は二分の一未満に緩和され、農作業に従事する役員も一人以上でよいと緩和がなされました。
私がお聞きしたい疑問は極めてシンプルです。なぜリースではなく、なぜ所有でなければならないのか。それを、誰がなぜ必要としているのでしょうか。
内閣府からのヒアリングでは、農業参入している民間企業が、なぜリースでは事業拡大ができないのか、資金調達ができないのか、所有であればできるのか、再三回答を求めました。しかし、内閣府からは、国家戦略特区の指定地域である養父市が企業の意向を踏まえて提案しているものとの回答にとどまり、内閣府自身がその必要性を確認した形跡は一切見受けられません。
結局、一般企業の農地所有の解禁を全国で行うために、アリの一穴をあけるために養父市を、そして国家戦略特区制度をてこにしていると見ざるを得ません。
このようなアリの一穴を容易に許すことともなれば、一朝一夕では決して得ることのできない豊かな農地をやすやすと手放すことにもなりかねません。そのようなことは決して起きないというのであれば、何よりもまず、農業参入を行っている企業が、なぜリースではなく、なぜ所有であれば事業拡大できるのか、資金調達ができるのか、森山農林水産大臣の明快な答弁を求めます。
終わりに、私は、麻生大臣や前甘利大臣と何度もアベノミクスの大胆な見直しを議論してまいりました。昨年の通常国会で、この演壇から、アベノミクスの誤りを指摘して、次のブラックマンデーの引き金を引くおそれが強いと申し上げました。
東京証券取引所は、この四月七日、二〇一五年度に外国人投資家が日本株を五兆一千二十五億円売り越したと発表しました。売り越しは、リーマン・ショックが起きた二〇〇八年度、平成二十年度以来七年ぶりであります。世界的株安に陥ったブラックマンデーがあった一九八七年度、昭和六十二年度、六兆二千百二十億円に次ぐ、過去二番目の多さだといいます。
もうアベノミクスは破綻をしております。日本を破壊させます。一日も早い大転換を勧告し、私の質問を終わります。(拍手)
〔国務大臣石破茂君登壇〕