塩谷立の発言 (本会議)

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○塩谷立君 自由民主党の塩谷立でございます。(拍手)
 質疑に入る前に、先週起きました熊本及び大分両県を震源とする地震災害により犠牲となられた多くの方々の御冥福を心からお祈り申し上げるとともに、御遺族の皆様方に心から哀悼の意を表します。また、いまだ続く余震に心を痛めていらっしゃる全ての被災者の方々に心からのお見舞いを申し上げます。我が党は、政府と一体となり、行方不明者の救命救助活動、被災者の皆様に寄り添った支援の取り組み等、全力を挙げることをお誓い申し上げます。
 それでは、質問に移らせていただきます。
 私は、自由民主党を代表いたしまして、ただいま議題となりました、与党共同提出及び民進党提出の衆議院議員選挙区画定審議会設置法及び公職選挙法の一部を改正する法律案につきまして質疑を行うものであります。
 平成の時代に入りましてから今日まで、三十年近くの間に、我が国はさまざまな改革を進めてまいりました。選挙制度など政治改革の議論について、平成二年、ちょうど私が初当選の時期でしたが、議員同士の熱い議論が昼夜繰り広げられていたことを今でも鮮明に覚えております。
 その政治改革を皮切りに、行政改革、地方分権改革、税制・金融システム改革、司法制度改革、教育改革、財政構造改革、社会保障と税の一体改革など、我が国の根幹をなすさまざまな改革に続き、現在、安倍内閣において、まさに戦後以来の大改革が断行されようとしています。
 端的に申し上げれば、これらの改革の背景には、従来、中央集権的行政機構を中核として、実に効率的に、効果的に稼働してきた我が国の戦後体制が壁にぶち当たり、国民が多くの面で閉塞感を持つに至ったという時代認識があったのだと考えております。そして、我々は、政治主導の確立と自由主義的な市場原理の活用によって、これまでの体制を抜本的に変革し、我が国を閉塞状況から解放しようとしてきたのであります。
 無論、これらの改革については、今後着手するものは言うに及ばず、全て成就したと言うことはできません。改革は広範にわたり、かつ、今まで経験したことのない手法を取り入れた分野が多かったこともあり、我々は常に、改革後の仕組み、システムの運用状況に目を凝らし、改革が所期の目的を十分に上げられるよう、常に必要な手直しを行いつつ、国民の信頼を確保していかなければなりません。
 このような見地に立つとき、選挙制度は国民が政治に参加するための最も重要なシステムであることから、国民の制度への信頼性を基本にし、入念な検討を加えることが何よりも重要であります。
 今回、与党及び民進党の両案は、衆議院小選挙区における投票価値の平等に反する状態の是正措置を求めた司法の要請に対し、衆議院議長のもとに設置された諮問機関から提示された答申を踏まえ、立法府として、法律案という形でその回答を提示されたものと考えます。
 今回の法律案は、司法の要請に十全に応えられ、国民の信頼にもたえられるものと考えられるのか、与党及び民進党の提案者の見解を承りたいと存じます。
 さて、与党案と民進党案において、第一に明確にしておかなければならないのは、小選挙区に係る都道府県への定数配分、また、比例代表に係る各ブロックへの定数配分の見直しについて、いわゆるアダムズ方式を導入する時期に大きな違いがあることであります。
 言いかえれば、本年一月に提示された衆議院選挙制度に関する調査会の答申について、読解力の違いに起因していると言ってもよいかもしれませんが、両案は実施時期において根本的な隔たりがあるということであります。
 調査会の答申では、小選挙区に関して、都道府県への定数配分の見直しは、十年ごとの大規模国勢調査の結果による人口に基づき行うとされており、素直に読めば、次回の大規模国勢調査の実施年は平成三十二年であり、その時点のデータに基づき実施されるのが自然であると考えます。また、それが、調査会が求める選挙制度の安定性の要請に合致する考えであり、答申の論理構造を正しく理解していることでもあると考えます。
 したがって、与党案が、選挙区の変更が選挙民、有権者に及ぼす影響にも配慮しつつ、制度の安定的な運営を図るためには、平成三十二年の大規模国勢調査の結果を待って実施するべきであるということは、まことに適切な措置であると考えるのであります。この点につきまして、与党提案者の御見解を伺います。
 しかるに、民進党案は、なぜ平成二十二年にさかのぼり、古いデータを使おうとしているのでしょうか。皆目わかりませんが、私なりに解釈すれば、民進党案は、国民へのアピールの姿勢を優先する余り、現実の有権者への影響などは度外視しても一向に構わないとの思惑から提出したものではないかと考えざるを得ないのであります。
 この点、民進党提案者が、なぜ平成二十二年の国勢調査の結果をもとに都道府県別定数の配分を行おうとするのか、その理由をお聞かせ願いたいと思います。
 いずれにしろ、私は、与党案が制度の安定性を踏まえながら定数削減と格差是正を行おうとする案であるにもかかわらず、与党案は答申の先送りである、党利党略で対応したものだとの指摘があるとすれば、それは、与党案の考え方を正しく理解しようとしない、一方的な話であると申し上げておきます。
 第二点は、与党案、民進党案で内容は異なりますが、附則に明記された、望ましい選挙制度のあり方について、不断の見直しが行われるものとする旨の検討条項についてであります。
 私が最近最も衝撃を受けたことは、かねてより予想されていたことではありますが、我が国の総人口が現実に減少したということです。本年二月に公表された平成二十七年国勢調査速報値によると、我が国の総人口は約一億二千七百万であり、大正九年の調査開始以降、初めて減ったということであります。また、出生数と死亡数が今後一定で推移した場合の将来人口は、今から八十四年後の二一〇〇年には約五千万人を切るというショッキングな数値も出されております。
 我々は、こうした変動期にいることを直視しながら、将来を見据え、各般の国民的な取り組みを講じていかなければならないのは言をまちません。
 調査会答申の資料には、定数二百八十九の場合、アダムズ方式による都道府県への議席配分試算として、現行定数から平成四十二年の将来推計人口による各都道府県の配分数の一覧が記載されていますが、定数が十以上、人口五百万人を超える九つの都道府県の定数を、現行と平成四十二年とで比較してみると、百四十から百五十一に増加し、人口集中するその九都道府県だけで全体の定数の五二%を占めることになります。
 このように、格差是正のため、人口のみに依拠した制度を追い求めることによって、地方の声が国政に反映されにくくなるのではないか。これが我が国の民主主義の将来にとって望ましい形なのか。私は、全体の利益の実現を目的として活動する立場の国会議員の一人として、大いに論ずべき課題であると考えるものであります。
 また、同時に、この課題は二院制のあり方にも通ずるものだと思います。
 調査会答申では、現行憲法の二院制の位置づけ、評価について触れていますが、戦後、国民主権主義を基調とした代議制民主主義が誕生して半世紀以上を経た今日、日本の議会制度をさまざまな角度から見詰め直すことが不可欠だと思います。二院制のあり方について、従来から議論されてきましたが、我々が選挙制度を考える際にも重要な視点だと思います。
 選挙制度のあるべき姿を考える上で、二つの院が同じ代表原理で構成されるならば、二院制の存在理由は希薄になります。一つの代表原理に立った議院の行動や意思決定をチェックするという側面を考えれば、もう一つの議院は別の代表原理に基づいて構成されるべきだと思います。
 いずれにせよ、我々は、少子高齢化、人口減少時代を迎える一方で、大都市圏への人口集中が加速しているといった日本の社会の急速な変化に対応しつつ、我が国の議会政治の将来を見据え、国会の機能、役割を考えていかなければなりません。二院制のあり方や衆議院の権限、運用の問題を含め、議員の選出方法、投票制度などについて、絶えず議論を重ねていくことが求められると思います。
 以上述べた点を踏まえ、両案提案者がどのように考え、検討条項を設けられたのか、御説明をお願いいたします。
 以上、大きく二項目について御質問いたしましたが、今回の法律案提出までの間、私自身も多くのことを考えさせられました。
 今、国民の期待は次の言葉に尽きると思います。この歴史的な変革期に機能する国会を、あるいは、国家の進むべき道筋を明確に示す政治をです。
 与党案は、将来にたえ得るものとして十分に吟味の上、提出されたものであると考えます。今国会での与党案の成立に対する支持を強くお訴え申し上げ、私の質問を終わります。(拍手)
    〔細田博之君登壇〕

発言情報

speech_id: 119005254X02720160422_011

発言者: 塩谷立

speaker_id: 20131

日付: 2016-04-22

院: 衆議院

会議名: 本会議