笠浩史の発言 (本会議)
⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。
詳細は利用規約をご確認ください。
○笠浩史君 民進党の笠浩史です。
私は、民進党・無所属クラブを代表して、ただいま議題となりました民進党提出及び自民党・公明党提出の衆議院議員選挙区画定審議会設置法及び公職選挙法の一部を改正する法律案につきまして質問いたします。(拍手)
質問に先立ち、冒頭、今般の熊本県を中心とする地震で犠牲となられた方々とその御遺族に対しまして、心からお悔やみを申し上げます。また、被災された全ての皆様に心からお見舞いを申し上げます。
選挙制度は全ての衆議院議員及び政党の基盤にかかわる問題であり、投票価値の平等が確保されていることは、議会制民主主義のもとで、国家の意思形成の正当性を基礎づける中心的な要素をなすものであることは言うまでもありません。
しかしながら、最高裁判所は、過去三回の衆議院選挙に対し、一票の格差が著しく、違憲状態と厳しい判断を下しました。そして、これまでに二十九回にも及ぶ政党間協議を重ねても結論が得られなかったがゆえに、衆議院議長が第三者機関である衆議院選挙制度に関する調査会に諮問したという経緯を踏まえるべきであることは当然であります。
私は、この視点に立って、両案の提案者に質問いたします。
まず最初に、アダムズ方式の導入時期についてであります。
衆議院選挙制度に関する調査会の答申では、一票の格差是正のため、現行の一人別枠方式の廃止とアダムズ方式の導入が大きな柱となっています。
民進党案では、二〇一〇年大規模国勢調査でアダムズ方式を導入することとしていますが、六年前の調査では古過ぎるので、二〇一五年簡易国勢調査をもとにアダムズ方式を導入すべきではないかとの指摘もあります。民進党提案者の説明を求めます。
他方、自民党・公明党による改正案では、アダムズ方式に基づく選挙が実施できるようになるのは二〇二二年以降になります。これでは、二〇一二年十一月十四日の党首討論で、当時の野田総理と安倍自民党総裁が一票の格差と定数削減を約束してから、十年もの月日が浪費されることとなります。このような先送りは、国民、有権者の理解が得られず、政治不信はますます増大するのではとの懸念を持ちます。この点について、自民・公明提案者の見解を伺います。
アダムズ方式を先延ばしする理由とは何か。既に結果が出ている二〇一〇年大規模国勢調査をもとに今すぐに区割りを変更しないということに対して、きちんとした説明がなされていません。単に、党利党略のための先延ばしにしか見えないことは多くの報道でも指摘をされていますが、自民・公明提案者の見解をお聞かせください。
特に、公明党は、山口代表を初めとして党幹部が、二〇一五年簡易国勢調査を使用してアダムズ方式を導入すべきと重ねて表明してきました。これは、もうこれ以上の先送りは許されないという民進党案と基本的には同じ認識だったと思います。一体いつの間に、何ゆえに変節したのか、国民への説明責任を果たすべきであります。この点については、公明党の提案者に説明を求めます。
自民党の谷垣幹事長は、四月六日の衆議院議長による選挙制度に関する各党からの意見聴取終了後のぶら下がりで、今回の自民党案の小選挙区〇増六減はアダムズ方式そのものではないと率直に認めています。自民・公明案による〇増六減がアダムズ方式そのものではないとすれば、一人別枠方式は撤廃されないこととなりますが、この点について、自民・公明提案者の認識を伺います。
最高裁からは、既に、衆議院選挙が三回連続して違憲状態と指摘され、一人別枠方式自体の撤廃を求められています。一人別枠方式という根幹の制度を維持したまま議席数をわずかに上下させるというこれまでの対応を、最高裁は明確に指弾しています。
まさに、びほう策そのものである自民・公明案で選挙を実施することは、選挙の正当性、ひいては国会の正当性を揺るがすことになりかねないとの強い懸念を持ちますが、自民・公明提案者の見解を伺います。
自民・公明案の〇増六減は、二〇一五年簡易国勢調査の結果を使用してアダムズ方式の計算式を使い、定数減の対象となる十五県のうちで議員当たり人口の少ない順に六県を減員するものであります。これは、途中の計算式だけを部分的に借用することで、あたかもアダムズ方式を用いているかのように偽装するものと指摘せざるを得ません。二〇一五年簡易国勢調査にアダムズ方式を用いるのなら、九増十五減を行うべきであります。なぜこのようなまやかしを行うのか、自民・公明提案者の認識を伺います。
さらには、この小選挙区六減の選出について、二〇一〇年大規模国勢調査と二〇一五年簡易国勢調査をもとにアダムズ方式で計算してみると、二〇一〇年大規模調査では、人口の少ない順に、鹿児島県、岩手県、熊本県、青森県、三重県、沖縄県ですが、二〇一五年簡易調査では、人口の少ない順に、鹿児島県、岩手県、青森県、熊本県、三重県、奈良県となり、定数削減の対象となる県が沖縄県から奈良県へ入れかわります。
この計算結果を知った上で恣意的な判断を行ったのでしょうか。沖縄県民、奈良県民にどう説明をするのでしょうか。自民・公明提案者に説明を求めます。
また、二〇一〇年大規模国勢調査にアダムズ方式を導入する民進党案では、都道府県の定数は七増十三減となります。これに対し、影響を受ける選挙区が多過ぎるので激変緩和措置が必要ではないかとの声も聞こえてきますが、民進党提案者の見解を求めます。
次に、議員定数の削減について伺います。
今回の改正案では、両案ともに、小選挙区六人、比例区四人の計十人の定数削減となっています。
民進党を結成した旧民主党や旧維新の党は、そもそももっと大幅な定数削減を掲げていたのではないでしょうか。今回の答申に基づく法改正は、当時の主張に反するものとなってしまうのではないでしょうか。この点について、民進党提案者に説明を求めます。
また、民進党案では、その附則第四条第二項でさらなる定数削減に努めることを明記していますが、調査会の答申では、定数削減について、積極的理由や理論的根拠は見出しがたいとかなり否定的であります。さらなる定数削減にこだわるのは答申に反するのではないでしょうか。民進党提案者に、この点についての見解もあわせて求めます。
一方、自民・公明提案者に対しても、議員定数削減についての基本的な認識を伺います。
さらに、民進党の附則第四条第二項にある、「特に人口が急激に減少している地域の民意を適切に反映させることに留意」とは具体的にどのようなことなのか、民進党提案者に説明を求めます。
議員の選び方、議会制民主主義の土台となる選挙制度の改革は、少なくとも与党と主要野党が合意した上で実現させるべきであることは当然であり、これまでの国会の慣習でもあります。
現行の衆議院比例代表並立制を導入した一九九三年から九四年にかけての政治改革国会でも、細川連立与党と野党自民党が激突をいたしましたが、最終的には、細川・河野会談を受けて連立与党が野党自民党の主張を受け入れる形で合意し、成立をいたしました。
自民党と公明党は野党に歩み寄り、私ども民進党案を受け入れて成立させるべきと考えますが、最後に、この点について自民・公明提案者の見解を伺い、私の質問を終わらせていただきます。(拍手)
〔細田博之君登壇〕