佐藤茂樹の発言 (本会議)
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○佐藤茂樹君 公明党の佐藤茂樹でございます。
私は、公明党を代表して、ただいま議題となりました自由民主党及び公明党提出の衆議院議員選挙区画定審議会設置法及び公職選挙法の一部を改正する法律案、民進党提出の同法案につきまして質問をいたします。(拍手)
質問に入る前に、このたびの平成二十八年熊本地震におきまして、かけがえのない多くの命が失われました。犠牲となられた全ての方々に対し心から哀悼の意を表しますとともに、御遺族を初め、負傷された方々、避難生活を送っておられる皆様に心からお見舞いを申し上げます。
公明党は、発災直後の四月十四日夜、党内に平成二十八年熊本地震対策本部を設置し、国会議員を初め議員が現場に急行し、現場のニーズを直接聞き取りながら、被災者の皆様が少しでも安心できる環境を整えるべく奔走してまいりました。被災者の皆様が一日も早く平穏な生活を取り戻せるよう、政府・与党一丸となって取り組むことをお約束し、質問に入らせていただきます。
衆議院の選挙制度には、一票の格差是正、定数削減、選挙制度の抜本改革といった重要な課題があります。
一票の格差について、平成二十三年に最高裁から違憲状態との指摘を受けて以降、選挙制度をめぐる課題の解決に向けて、たび重なる政党間協議を行ってまいりましたが、合意には至らず、一昨年六月、議長のもとに有識者から成る衆議院選挙制度に関する調査会が設置されました。そして、計十七回に及ぶ精力的な御議論の末、本年一月、議長に答申書が提出されました。
公明党は一貫して、調査会答申に至った経緯、一票の格差に関する最高裁判決を重く受けとめ、答申に沿った法改正を今国会でなし遂げるべきと主張し、本法律案の提出に至りました。
以下、具体的に質問します。
まず、与党案について伺います。
衆議院選挙制度改革に関するこれまでの経緯を踏まえると、最も重視すべきは、両法案が、一票の格差について違憲状態と判断した最高裁の判決に応えたものと言えるのか、また、調査会答申に沿った内容となっているのかという点であります。
与党案においては、平成三十二年の大規模国勢調査以降に、定数配分のあり方を抜本的に見直すアダムズ方式を導入することとしております。しかし、それまでの間、最高裁が一票の格差を生み出す主要な要因と指摘している一人別枠方式の残滓が解消されていない現行制度が存続することとなり、最高裁判決に応えていないのではないかとの指摘が少なからずあるところであります。
そこで、改めてお尋ねいたします。
与党案は最高裁判決に応えたものと言えるのか、また、調査会の答申に沿っているとお考えでしょうか。与党案提案者の答弁を求めます。
また、与党案に対する批判として、アダムズ方式の本格的な導入を平成三十二年の国勢調査まで行わず、今回、小選挙区において〇増六減、比例代表において〇増四減のみを行うということは、改革の先送りではないのかというものがあります。
与党案においては、何ゆえ、平成三十二年の大規模国勢調査以降にアダムズ方式を導入することとされたのでしょうか。お答えください。
続いて、定数削減について伺います。
与党案においては、アダムズ方式による定数配分の見直しを平成三十二年の国勢調査以降に実施する一方、定数削減については、政治的決断として、平成二十七年の国勢調査結果に基づき、先行して行うこととしております。
国民の代表である国会議員の定数削減については、大島議長が選挙制度改革について示された「思い」に沿って、透明性のある方法、すなわち客観的に理解可能な具体的な方式を定めて選定することが重要です。この点について、与党案はどのような考え方に基づき定数削減を行おうとされているのか。
また、平成三十二年以降の定数配分については、アダムズ方式において行うことが本法案に明記されている以上、定数削減についてもアダムズ方式の考え方と整合性のある方法で行うことが合理的と考えますが、与党案はその考え方に基づくものであるとお考えでしょうか。与党案提案者の答弁を求めます。
続いて、民進党案について伺います。
与党案と民進党案の最大の相違点は、与党案が平成三十二年の大規模国勢調査の結果に基づきアダムズ方式を導入するとしているのに対し、民進党案が平成二十二年の大規模国勢調査の結果に基づきアダムズ方式を導入するとしている点です。
公明党は、答申が示された当初、直近の平成二十七年の簡易国勢調査結果に基づき定数削減とアダムズ方式の導入を行うべきとの考え方を示してまいりました。
しかし、大島議長が、今国会中に必ず立法府としての結論を出すとの御決意のもと、リーダーシップを発揮され、あくまで制度の安定性と答申との整合性を第一に考えられた結果、アダムズ方式の導入は十年ごとに行われる大規模国勢調査の結果に基づき行う方針が示されました。
我が党といたしましては、今国会で成案を得ることが最重要であり、議長の御尽力にお応えするためにも、議長のお考えに従って、どの時点の大規模国勢調査の結果に基づきアダムズ方式を導入することがふさわしいのか、つぶさに検討を行ってまいりました。
その結果、民進党案の平成二十二年の大規模国勢調査の結果に基づく考え方には三点の問題点があり、平成三十二年の大規模国勢調査の結果に基づきアダムズ方式を導入することが妥当であるとの考えに至りました。
以下、民進党案の問題点を指摘します。
まず第一は、平成二十二年の大規模国勢調査にさかのぼってアダムズ方式を即時に導入したとしても、四年後の平成三十二年には次の大規模国勢調査が控えていることから、結局、立て続けに定数配分の見直しを行うこととなってしまい、制度の安定性に欠けるのではないかという点です。
また、平成二十二年の大規模国勢調査に基づきアダムズ方式を導入した場合、都道府県への議席配分が現行定数よりも一議席減となる滋賀県、沖縄県については、国立社会保障・人口問題研究所による平成三十二年の将来推計人口によれば、再びそれぞれ一議席増となるとの試算が示されており、四年後の平成三十二年の大規模国勢調査に基づく定数配分で、少なくともこの二県については、一旦減った定数が再び増員となって、現在の定数に戻る可能性が高いということです。こうした短期間での定数の出戻りは、選挙制度の安定性の観点から問題があると考えます。
制度の安定性及び短期間での定数の出戻りの問題についてどのようにお考えか、民進党案提案者の答弁を求めます。
第二点目は、簡易国勢調査とはいえ、我が国人口を正確に把握した直近の平成二十七年簡易国勢調査の結果が出ているにもかかわらず、民進党案があえて古い国勢調査の数値を用いることとしている点については、直近の人口を反映しているとは言えず、合理性があるのかという点です。この点について、民進党案提案者の答弁を求めます。
そして第三点目は、平成二十二年の大規模国勢調査の結果が出てから、既に平成二十四年、二十六年と二回の総選挙を経ているにもかかわらず、その国勢調査の結果を用いて今回新たに定数を配分し直すとするならば、それにより従前と異なる定数を配分された都道府県の有権者を中心に、これら二回の総選挙の正当性や選挙された議員の地位に対し疑念を抱かせることになるのではないかという点です。この問題は、直近二回の総選挙は誤った定数配分で実施したことを立法府として認めることになるのではないでしょうか。民進党案提案者の答弁を求めます。
以上のように、民進党案が定める平成二十二年の大規模国勢調査を起点にアダムズ方式を導入した場合、制度の安定性、古い国勢調査の結果を用いることへの合理性、直近二回の総選挙の正当性といった問題点があり、与党案である平成三十二年の国勢調査の結果をもとに、アダムズ方式を導入すべきであると考えます。
続いて、選挙制度に関する見直し条項について伺います。
両案には附則で見直し条項が明記されており、与党案においては、本法律案の施行後も、全国民を代表する国会議員を選出する望ましい選挙制度のあり方について、不断の見直しを行うこととする旨の見直し条項が記されております。この見直し条項を設置した趣旨について、与党案提案者にお伺いします。
民進党案においては、与党と同様の条項に加え、第二項の見直し条項が記されており、第二項の前段部分では、「特に人口が急激に減少している地域の民意を適切に反映させることに留意する」とともに、後段部分においては、「更なる国会議員の定数削減を図るよう努めるもの」とされております。
この第二項の、人口が急激に減少している地域への配慮とは、具体的にはどういうことなのでしょうか。仮に、現行制度における見直しであるならば、人口が急激に減少している地域の民意を反映させることとさらなる定数削減を図ることとは両立し得ないのではないでしょうか。
今後の選挙制度のあり方についてどのような方向を目指しておられるのか、民進党案提案者の答弁を求めます。
最後に、冒頭申し上げたとおり、衆議院選挙制度改革をめぐっては、さまざまな課題がある中、最高裁が三度続けて違憲状態と判断した一票の格差について、速やかに是正措置を講じるとともに、二十九回に及ぶ政党間協議を経ても結論を得られず、衆議院選挙制度に関する調査会の設置に至り、議院運営委員会において調査会の答申を尊重することを議決した経緯を踏まえると、今国会で成案を得ることが最重要であると考えます。
公明党の主張を踏まえ、与党案は最高裁判決並びに答申に沿った内容となっていると考えており、できるだけ多くの政党の合意のもと、与党案の早期成立に向けて尽力することをお約束し、私の質問を終わります。(拍手)
〔北側一雄君登壇〕