岡田克也の発言 (本会議)

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○岡田克也君 民進党代表の岡田克也です。
 私は、民進党・無所属クラブ、日本共産党、生活の党と山本太郎となかまたち、社会民主党・市民連合を代表し、ただいま議題となりました安倍内閣に対する不信任決議案について、提案の趣旨を説明いたします。(拍手)
 まず、決議案の案文を朗読します。
  本院は、安倍内閣を信任せず。
   右決議する。
    〔拍手〕
以上であります。
 冒頭、端的に申し上げます。
 第一に、公約違反の経済失政、アベノミクスの失敗。第二に、立憲主義と平和主義への重大な挑戦。そして第三に、国民に対して強権的で不正直な政治。これが、我々が安倍内閣を信任し得ない理由です。安倍総理は直ちに退陣すべきです。
 不信任の第一の理由は、公約違反の経済失政、アベノミクスの失敗です。
 一昨年十一月、安倍総理は、消費税一〇%への引き上げを一年半延期するとともに、それを理由に、何ら大義のない解散・総選挙を行いました。その際、あなたが国民に対して何と約束したか。よもやお忘れではないでしょう。
 再び延期することはない、皆さんにはっきりと断言する、必ずやその経済状況をつくり出すことができる、アベノミクス解散だ、あなたはそう言って大見えを切ったのです。
 あれから一年半、日本経済の現状はどうでしょうか。国民の生活、暮らしは依然として厳しく、苦しい。安倍総理は、常に自分に都合のいい数字を並べ立てて反論します。しかし、安倍政権発足後三年半を経た現在においても、国民の八割が景気回復を実感していないと答えている。そのことが全てを物語っているではありませんか。
 結局、民間投資を喚起する成長戦略は不発に終わり、円安と株高のみを牽引車としたアベノミクスは、今や完全に行き詰まっているのです。
 格差と貧困も拡大しています。しかし、安倍総理は余りにも冷淡で無策です。
 例えば、不安定な非正規労働者は増加の一途をたどり、今や四割に上っています。それにもかかわらず、昨年九月、非正規雇用をさらに拡大する労働者派遣法の改悪を行いました。完全に逆行しています。
 参議院選挙を前にして、慌てて一億総活躍社会なるスローガンを掲げ、あれこれ取り繕っていますが、そこに格差の是正の視点はありません。そんな安倍総理に、保育園落ちたという若いお母さんたちの悲痛な叫びが聞こえないのは当然です。
 安倍総理は、来年四月に予定されている消費税一〇%への引き上げを、何と二〇一九年十月まで二年半再延期すると伝えられています。
 確かに、我々も、消費税を引き上げられる経済状況ではないと考えています。しかし、その原因は安倍総理の経済失政にある。そして、二〇一九年十月に再延期するということは、無責任にも、増税の最終判断を安倍総理の総裁任期後に先送りするとともに、二〇二〇年度基礎的財政収支黒字化の財政健全化目標を放棄するということです。経済失政と財政健全化目標の放棄、これだけでも内閣総辞職に値する重大な公約違反です。
 それだけではありません。先週の伊勢志摩サミットにおいて、突如、安倍総理は、世界経済がリーマン・ショックの前と似た状況であるとの認識を示し、G7はその認識を共有し、強い危機感を共有したと胸を張りました。
 私は驚きました。世界経済がリーマン・ショック前と似たような状況にあるなどという見解は聞いたことがありません。IMFによる経済見通しも、サミットに先立って行われたG7財務大臣・中央銀行総裁会議も、そして日本政府自身も、リスクはあるものの世界経済は緩やかに回復し成長しているというのが共通認識です。
 安倍総理が示した認識をG7で共有したというのも根拠がありません。例えば、サミット直後に、ドイツのメルケル首相は、世界経済はそこそこ安定した成長を維持していると述べ、フランスのオランド大統領も、私たちは危機の中にいないと明言しているではありませんか。
 結局、安倍総理がリーマン・ショック前夜とあおり立て、世界経済の危機を誇張しているにすぎないのです。そして、安倍総理は機動的財政出動を強調しています。サミットの場を利用して、みずからの経済失政をごまかし、消費税引き上げ再延期を正当化しようとするなど、前代未聞、我が国の名誉と信用を大きく傷つけるものです。
 そもそも、こんなやり方がまかり通ると安倍総理が思っているところに、この政権の信じがたいおごりがあるのです。本会議に出席している国会議員の皆さん、そして国民の皆さん、本当にこれでいいのでしょうか。よくお考えください。
 安倍総理、あなたが重大な経済失政により消費税を引き上げられる状況をつくり出せなかったことは動かしがたい事実です。国民生活は破壊され、格差と貧困が拡大しています。経済失政、アベノミクスの失敗を正直に認めて、公約違反を国民に謝罪し、即刻退陣すべきです。
 不信任の第二の理由は、立憲主義と平和主義への重大な挑戦です。
 安倍内閣は一昨年七月、歴代内閣が憲法違反としてきた集団的自衛権の行使を容認する閣議決定を行いました。そして昨年九月、国民の八割が説明不十分と言い、国会でまともな答弁すらできない中で、安全保障法制の成立を強行しました。
 しかも、安全保障法制は、極めて曖昧な新三要件のもと、我が国が武力行使可能となる存立危機事態を認定するものです。これは、内閣に防衛出動を白紙委任するもので、憲法違反であることは明らかです。
 憲法違反の法律は、幾ら時間がたっても憲法違反です。我々は、安全保障法制を白紙化することを柱とする議員立法を今国会に提出しました。しかし安倍総理は、これを一度も審議することなく、全く無視しました。これからも丁寧に説明する努力を続けていくと言った安倍総理の約束は一体どうなったんでしょうか。立憲主義をないがしろにし、国民を欺いた安倍総理、あなたの責任は極めて重大です。
 その安倍総理が次に狙うのは憲法改正です。安倍総理は、在任中に改正をなし遂げたいと明言し、夏の参議院選挙で憲法改正発議に必要な三分の二以上の議席を改憲勢力で確保することを目指すとしています。
 では、安倍総理の目指す憲法改正とは何か。本丸は九条です。安倍総理は、二度と戦争の惨禍を繰り返さない、平和主義を貫くと言います。しかし、日本国憲法の平和主義とは何か、安倍総理はそれすら理解していません。
 先日の私との党首討論でも、二度と他国を侵略しない、これこそまさに平和主義だと述べました。この答弁に全てがあらわれています。日本国憲法は単に侵略戦争を禁じたものではありません。海外の紛争に武力をもって介入しない、それが憲法の平和主義の根幹となる考えです。安倍総理はこの憲法の平和主義をねじ曲げようとしているのです。侵略戦争をしないというのは当たり前のことで、これを憲法の平和主義と言うのは詭弁もいいところです。国民の皆さん、本当にこれでいいのでしょうか。
 安倍総理が内閣総理大臣である限り、安全保障法制を実施するのみならず、憲法の平和主義を捨て去り、限定のない集団的自衛権の行使に道を開くことになります。これは立憲主義と平和主義への重大な挑戦です。そんなことは絶対に認めるわけにはいかない。安倍総理は即刻退陣すべきです。
 不信任の第三の理由は、安倍内閣が極めて強権的で、国民に対して正直に語らず、不都合な真実を隠し続けてきたことです。
 ここでは、特に三つ指摘しておきます。
 一つ目は、URと甘利前大臣の政治と金をめぐる問題です。
 甘利氏の閣僚辞任から四カ月が経過しましたが、一度も甘利前大臣は説明をしないまま放置されています。URという政府機関と安倍内閣の重要閣僚にかかわる疑惑であるにもかかわらず、安倍総理は責任を果たすつもりがないのです。
 二つ目は、TPP交渉とその関連資料です。
 安倍内閣は、重要五項目を守るとした国会決議に反する協定を締結しました。さらに、今国会で我々が交渉の経緯や経済効果の根拠などについて説明を求めても全く不十分な対応であり、かつ、全て黒塗りされた資料を提出しました。これでまともな国会審議などできるはずがありません。国会軽視、国民無視の安倍内閣の体質をまさしく象徴するものです。
 そして三つ目が、報道の自由の制約と国民の知る権利の侵害です。
 国際NGOによる報道の自由度ランキングは、民主党政権時の十一位から、何と七十二位まで落ち込み、また、先般来日した国連の特別報告者からは強い懸念が示されました。彼らが指摘しているのは、安倍総理や高市総務大臣が繰り返し言及している電波停止の可能性や特定秘密保護法の問題です。安倍内閣の強権的な政治のもと、国民に正しい情報が届きにくくなっているのです。民主主義の重大な危機です。
 このほかにも、普天間基地移設をめぐり、沖縄に全く寄り添うことなく、法廷闘争にまで持ち込むなど、国民に対して強権的で不正直な安倍政治の事例は枚挙にいとまがありません。安倍総理は即刻退陣すべきです。
 以上、安倍内閣不信任の理由として三つ申し上げました。安倍総理、今あなたがなすべきことはただ一つ、直ちに総辞職することです。
 最後に、国民の皆さんに申し上げます。
 今こそ、思いを行動に移すときです。夏の選挙は、安倍政権と国民の良識の戦いになります。安倍政権の暴走をとめ、政治の流れを変える、そうでなければ日本の将来は危うい、その認識を国民の皆さんと共有しつつ、我々がその先頭に立つことをお約束し、私の趣旨弁明といたします。(拍手)
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発言情報

speech_id: 119005254X03620160531_006

発言者: 岡田克也

speaker_id: 12424

日付: 2016-05-31

院: 衆議院

会議名: 本会議