末松信介の発言 (決算委員会)
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○末松信介君 自民党の末松信介でございます。
熊谷大議員からは、東日本大震災の経験を踏まえまして、熊本地震対策について御提言を入れての質問がございました。心から敬意を表したいと思います。
私は、最初に、オバマ・アメリカ合衆国大統領の広島訪問につきましてお伺いをいたします。
オバマ大統領が、伊勢志摩サミットの後、二十七日、今週でありますけれども、広島を訪問されることになりました。まさに歴史的な意義を持つ機会になろうかと思います。七年前のプラハ演説で核兵器なき世界をというメッセージを送られています。今回、また大きなメッセージを発していただけるものというように心から期待をいたしているところであります。
しかし、核大国の米国、ロシアの関係の冷え込みもございます。中国も軍事増強を続けております。北朝鮮も核実験を続けて、挑発をやめません。まさに、核なき世界から程遠いのが実態でございます。
かつて、世界は核兵器により滅亡の危機を迎えたことがございます。言うまでもなく、一九六二年のキューバ危機でございます。私はまだ当時小学校一年生でありました。全く記憶がございません。中学生になりまして、教師からそのときの話を聞かせていただきました。マクナマラ米国防長官も回顧録などで、そのとき世界は本当に核戦争による滅亡の危機を迎えていたと、その瀬戸際まで行ったと語っておられます。ソ連が核ミサイルをキューバに持ち込んで、当時九千万人のアメリカ国民を危機にさらしたわけです。一九六二年の十月の十六日にキューバ危機は起こっております。
十一日後の十月二十七日に、ソ連の最高指導者フルシチョフが実は二通の手紙をホワイトハウスに送ってきたわけなんです。一通目は、これは酒に酔っているかどうかは分かりませんけれども、極度の緊張状態の中で書かれた文章だと言われているんですが、ソビエトが、キューバにアメリカが侵攻しなければソビエトは撤退する用意があるという内容が一つ、もう一通目は、具体的な行動、つまりキューバを攻撃すれば大規模な反撃に出るという、硬軟二つのメッセージが実は送られたわけです。
アメリカ当局は随分困惑をします。ルメイ将軍は、直ちにキューバを攻撃して破滅させよということを主張されたそうなんです。そのときに、トンプソンさんという前モスクワ駐在大使がおられます、その方は、ケネディ当時大統領に対して、一通目の友好的な手紙にのみ回答してくださいとおっしゃっておられます。しかし、それに対してケネディ大統領は、駄目だと、それでは解決にならないというように言ったんです。トンプソンさんは、いや、大統領、あなたは間違っていると口論になったそうであります。そして結果は、一通目の友好的な手紙にのみ回答しました。答えは正しかったわけであります。
マクナマラ元国防長官は、そのときのやり取りを振り返り、こう述べておられます。核戦争に至らなかったのは運が良かっただけだと、我々はその瀬戸際まで行ったと、ケネディもフルシチョフもカストロも理性ある人間である、にもかかわらず核戦争の寸前まで行ったと、その危険は今もあると。
三十年後の一九九二年の一月に、マクナマラさんは国際会議でキューバに行ってカストロに会っておられます。あのとき一体キューバは何発核弾頭を配備していたのかということを尋ねたんです。答えは百六十二発です。通訳の間違いじゃないかと聞き返したそうなんです。続けてカストロ氏に対してマクナマラ氏は質問しています。一つは、核弾頭の存在を知っていたのかということ。二つ目は、フルシチョフに核の使用を進言する用意はあったのか。三つ目は、実際使用したらキューバはどうなっていたのかということです。答えは、核の存在を知っていた。二つ目は、実際使用を進言したと言っています。そして三つ目は、キューバは破滅したであろうと。カストロさんはマクナマラ氏に対し、貴国も同じ立場に立たされたらそのような態度を取るだろうとおっしゃっていますが、マクナマラさんは、私はそうは思いませんというふうに答えられたんです。
キューバ危機最大の教訓は、人間の弱さと核兵器の恐ろしさだと同氏は語っておられます。数千発の核ミサイルを発射するのに十五分程度しか掛からず、しかも一人の人間が判断をして瞬時にせん滅をさせることができるということなんです。七十一年前に広島、長崎で大勢の人々の命を奪った核兵器がどこの国の人々に対しても二度と使われることのないようにするのは世界共通の願いでございます。今回のオバマ大統領の広島訪問は、唯一の被爆国たる我が国として、核なき世界の実現に向けて今後とも全力を尽くすという意思を米国大統領と一緒になって発信する、人類の歴史にとっても重要な機会になると思います。核なき世界の実現に向けました我が国の、安倍総理の決意と今回の広島訪問の意義というものを総理から改めてお話をしていただきたいと思います。