阿部信泰の発言 (国際経済・外交に関する調査会)
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○参考人(阿部信泰君) 最初に財政の件でございますけれども、個人が国連などにお金を出すと、これは実際にやっている方もいらっしゃるんですけれども、ただ、制度的にはそういう寄附あるいは国からの任意拠出というものは国連あるいは国際機関の中核的な業務に使ってはいけないという逆の規制がありまして、したがって、その中核的な業務を増やそうとすると、どうしても義務的拠出を増やしてもらわないとその組織は動けないと。もちろん、そのほかの追加的な任意拠出でやるものはできるんですね。
そこで、そもそも、それじゃ、各国からお願いをして義務的拠出を出してもらっているんじゃ駄目じゃないか、国連がもう国の政府のように自分で税金を取ったらいいじゃないかと、これはそういうアイデアもありまして、アメリカのトービンさんという教授がしばらく前に出したアイデアで、トービン・タックスと俗に言われていますけれども。あるいは最近でいうと、航空機の航空券を買うときに税金を徴収したらどうかとか、いろいろアイデアがあるんですが、実現はなかなか難しいと思いますね。
というのは、それを実現するためには国連で決めてやらなきゃいけませんが、決めるときには常任理事国が大きな力を持っていますね。実際上は、例えばアメリカという国は、そういうふうに国際機関にある意味では徴税権という主権を譲り渡すということについては原則の問題として非常に反対が強いんですね。ですから、これはなかなか垣根が高いと思います。
それから、優秀な人材。確かに星野先生がおっしゃるとおり、日本人は真面目でよく働くし、実は能力も非常にあるんですけれども、なかなか国際機関の組織の中に行ってみると、みんな物すごい勢いで競争して動き回っていまして、自分の能力をいかにひけらかして、人に見せて、私はこんなことができるんだ、こんなに知っているんだということをやれることによって採用され、中でのし上がっていくと。これはなかなか日本人は苦手なんですね。こういう島国で、非常にお互いよく知っている社会で育っているものですから、そんなこと言わなくてもちゃんと、あいつはよくやる、あいつはよくできるというと、みんな分かってくれて、ちゃんと日本の社会は上が引き上げてくれるんですね。国連はそういきません。
ですから、そういう意味においては、最近若干日本の教育も少し変わっていて、もう少し自己プレゼンテーションを勉強しようというようなこともやっています。それから、日本でもどんどん企業も外国の企業に買収される企業もあるし、あるいは日本から外へ出ていく。そういうところで働くためにはサラリーマンもやっぱりそういう自己主張、自己顕示もできなきゃいけないということで、そういった類いの教育、人材をつくるということも私は一つの視点ではないかなと思います。
以上です。