河村小百合の発言 (国民生活のためのデフレ脱却及び財政再建に関する調査会)

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○参考人(河村小百合君) 平木先生、ありがとうございます。じゃ、御質問いただいた点について端的にお話しさせていただきます。
 二〇〇〇年代にも、言われている、日本だけ低金利でよその国はそこそこの金利水準があって、当時と今とどこが違うのかということで御質問でございます。二点あると思います。
 一点目は、この国の財政状況で、先ほど使わせていただいたスライドの三ページ目のところに長期推移付けておりますけれど、当時、例えば二〇〇〇年のところを見ると、政府債務残高のGDP比ってまだ一五〇いっていなかったんですよね。これはよその国と比べればもちろん悪いんですが、今と見たらどうかということの違いがもちろんあろうかと思います。ただ、より大きいのは、今後どう違うか。
 二つ目の要因で、中央銀行が政策運営するときのポジションが全然違っています。これは、先ほど使いました資料の十九ページのところで、スライド、日銀のバランスシートの見取図を付けておきましたけれども、先生も本当に去年からいろいろ審議されていると思いますのでよく御案内かと思いますけれども、日銀、当分出口というおつもりも何かなさそうな感じはありますが、いずれやらなきゃいけないと。
 そのときにどういう形でやっていくかというと、FEDのような形で、今当座預金、超過準備がたくさんありますけれども、そこに今〇・一%の金利を払っているものを、今回ちょっと部分的にマイナスも入れられてというような話は入ってきてはおりますが、今、大半は〇・一払っている。それを引上げ誘導する形でやっていかざるを得ないだろうということは、これは恐らく国会のいろいろな委員会の審議の場で日銀の首脳陣の方御自身がもう複数回にわたって認めていらっしゃるところだというふうに思います。
 これどういうことかというと、政策金利なんというのは普通、中央銀行というのは、もう日銀の元のバランスシートの状態は、この左側で御覧いただければ分かるんですが、普通、中央銀行というのは負債にはコスト掛からないんです。銀行券に金利ないですよね。当座預金も、普通こんなのに金利付かないんですよ。義務的に預けなきゃいけない法定準備預金には付かない。ですから、ある意味、資産で持っていれば、それは民間銀行に対する貸出しでも国債でも、もうその分の金利が丸もうけになると。
 それで、民間の銀行だったら調達もコスト掛かりますよね。お客さんに預金の金利払ったりとか、インターバンクで取ってきた資金にお金払ったり。ですから、資産と負債の間での利ざやで稼ぐのが民間の銀行、負債はゼロだからぼろもうけできるのが中央銀行というのが普通なんです。
 ところが、この異様な金融政策の後は中央銀行も負債にコストが掛かる、政策運営にコストが掛かるわけですよ。しかも、二〇〇〇年代との大きな違いは、日銀はここの部分の財務運営の制約が異様に大きい。持っている国債の加重平均利回りが異常に低いから。アメリカやイギリスに比べても異様に低いから。
 ということは、どこが違うかというと、恐らく、いろんな市場参加者がいますよね。今、ジョージ・ソロスは中国に対してもう宣戦布告されているようで、まあ怖いなと。空売りもいっぱい仕掛けられてね。そういう目から御覧になったら、日本がこれから先、キャピタルフライトは起こらないかな、円安は行かないかなと思っても、外国為替市場介入はできるかもしれませんけど、投機筋と戦って何か巨大な利益を献上するだけで終わらないかなという気もしますが。
 自国通貨安を防ぐときの一番大事な手段、中央銀行の金融政策も大事な手段なのに、日本は金利を引き上げられない、そういう当局だ、ここが二〇〇〇年代との一番大きな違いなんじゃないかと思います。やっぱり先々非常に心配されるんじゃないかなというふうに思います。
 そして、あと二番目の御質問のところは、日本の戦後の経験を私もいろいろ書かせていただいておりますが、今後どういうことがあり得るかということなんですが、預金封鎖なり資本移動規制なり、日本じゃ余りみんなきちんと学校で教わってもいないし、記憶にもだんだん残らなくなりつつありますけど、あり得ない手段ではないと思います。
 実際に今、ヨーロッパでやっている国がありますね。ギリシャもそうです。キプロスもそうです。アイスランドもそうです。結局そうなるんですよね。あそこはユーロがあるから通貨の切替えはしませんけど、日本だって結局、たんす預金の抜け穴を防ぐために一対一の通貨交換をやったわけですよね。課税権があるということは、そういうことをする力が国にはあるということですけれども。
 余り考えたくはないですけれども、本当に行き詰まれば、海外投資家にこの国の国債を買ってもらえているわけでもない以上、IMFに救ってもらえるような財政運営の規模でもない以上、そういう状況に陥る可能性を完全に否定することは私はできないと思っています。
 済みません、以上です。

発言情報

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発言者: 河村小百合

speaker_id: 31270

日付: 2016-02-17

院: 参議院

会議名: 国民生活のためのデフレ脱却及び財政再建に関する調査会