石破茂の発言 (地方・消費者問題に関する特別委員会)

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○国務大臣(石破茂君) 地方創生担当大臣として、所信の一端を申し述べます。
 日本列島改造、田園都市構想、ふるさと創生など、歴代内閣は地方の発展を大きな政策テーマとして掲げてまいりました。しかし、現内閣が重要政策の一つとして進めております地方創生は、従来の取組とは大きく異なるものであると私は認識をいたしております。
 従来の政策はそれぞれ大きな意義のあるものでしたが、経済成長、人口増加、地価の上昇などをその背景としておりました。しかし、現在、かつてのような高度経済成長は望むべくもなく、人口急減と少子高齢化が同時進行し、地価の大きな上昇も想定できません。置かれている状況は従来とは全く異なるのであり、過去の延長線上の政策はもはや通用いたしません。
 仮に今のままの出生率、死亡率がこのまま続くとすれば、日本人は二百年後には千三百九十一万人、三百年後には四百二十三万人になるとも言われております。東京への過度な一極集中を是正し、疲弊が進む地方を活性化し、人口減少に歯止めを今掛けなければ、地方も東京も時間差を置いて衰退の一途をたどり、日本という国家そのものが持続可能性を失うことになるのであります。
 言うなれば、静かな有事とでもいうべきこの危機的な局面に当たり、従来とは発想を全面的に転換していくことが必要であります。地方創生は、東京に集中した人と富を地方に分散するなどという単純な考え方ではなく、日本全体を新たにつくり替える、日本創生ともいうべき取組であります。
 地方創生は、計画段階からいよいよ本格的な実行段階に入ります。二〇一五年度中にはほぼ全ての地方公共団体で地方版総合戦略が策定され、具体的な事業の展開が図られようとしております。
 しかし、現状は依然として厳しい状況にあります。合計特殊出生率は二〇一四年に一・四二と、九年ぶりに低下に転じました。東京圏への転入超過数は二〇一二年以降四年連続して増加をしており、東京一極集中の傾向に歯止めが掛かってはおりません。
 このような現状を打開するためには、国と地方が、どちらが上でどちらが下とかいう話ではなくて、国民とともにこの状況についての基本認識を共有しながら、共に力を合わせて取組を加速していかねばならないのであります。
 このため、地方創生の更なる深化を図る観点から、施策の進捗状況を検証し、政策パッケージ、個別施策の拡充や、縦割りの是正等を目指して、総合戦略の改訂版を昨年末閣議決定いたしました。
 地方に仕事をつくらなくてはなりません。今までともすれば公共事業と企業誘致に支えられてきた地方の産業構造を変革すべく、改訂版総合戦略に基づき、地方において魅力ある職場を生み出すため、地域の技の国際化、ローカルイノベーション、地域の魅力のブランド化、ローカルブランディング、地域の仕事の高度化、ローカルサービスの生産性向上などを推進いたしてまいります。
 地方での安定した良質な雇用の創出を通じて、地方への新しい人の流れをつくるため、税制措置により企業の地方拠点強化を支援します。東京から地方への本社機能の移転を民間にお願いしながら、政府関係機関は一切移転しないというのでは説得力も欠きます。地方からの御提案を踏まえ、中央省庁、研究・研修機関など政府関係機関の移転について検討を更に進め、二十七年度中に基本方針を決定し、二十八年度以降具体的な取組を実施します。
 これまでの少子化対策は国全体での取組が中心でありましたが、出生率、初婚年齢、労働時間、通勤時間など、少子化の状況や背景は地域によって大きく異なっており、地方の取組を主力とする地域アプローチの重要性を認識した対策も併せて展開することが必要であります。政府において作成した地域少子化・働き方指標の充実に努めますとともに、地域における先駆的、効果的な取組の全国的な展開を支援するなど、地域の実情に即した働き方改革に対し、関係府省庁と一体となって支援をいたしてまいります。
 地域ごとに人口の流出に歯止めを掛け、活力ある経済生活圏を形成するためには、地域と地域が効果的に連携することが重要であり、連携中枢都市圏の取組を更に推進いたします。中山間地域等において持続可能な地域をつくるため、各種生活サービス機能を確保する小さな拠点を形成するとともに、地域の課題解決に取り組む地域運営組織の形成を促進するための有識者会議を設置し、具体的な方策を検討し、成案を得てまいります。
 地域の取組に対して、地域経済分析システム、RESASシステムによります情報支援、地方創生リーダーの育成、普及や、比較的小規模の自治体に国家公務員等を派遣することによる人的支援、地方創生加速化交付金等による財政支援など、三つの側面から支援をいたします。
 今国会におきましては、地方公共団体の自主的、主体的、先導的な事業を支援する地方創生推進交付金、地方公共団体が行う地方創生プロジェクトに対する企業の寄附を促進する地方創生応援税制、中高年齢者が希望に応じて地方やまちなかに移り住み、多世代の地域住民と交流しながら、健康でアクティブな生活を送り、必要な医療、介護を受けることができるコミュニティーづくりを目指す生涯活躍のまち推進のための措置を講ずる地域再生法の改正案を提出させていただいております。
 道州制は、国家の統治機構を集約、強化するとともに、住民に身近な行政は可能な限り地方が担うという、地方経済の活性化や行政の効率化にも資する手段の一つと考えており、国会における御議論も踏まえつつ取り組んでまいります。
 地方創生におきましては、国民の皆様の意識に訴える運動論がその基盤を成すのであり、お任せ民主主義からの脱却こそが肝要であります。やりっ放しの行政、頼りっ放しの民業、全然無関心の市民が三位一体となったとき、地方創生の成功は到底おぼつかないのであります。
 これを克服するためには、行政が意識を改革するのは当然のことでありますが、地域の主権者である住民お一人お一人にも当事者意識を持っていただかなくてはなりません。今までの、行政がやってくれないという批判・依存型から、行政に我々はこれをやらせてもらいたいという積極的、主体的なものに転換しつつある地域が各地に見られるようになるなど、住民の意識も着実に変化しつつあると感じております。
 各種政策の推進に当たりましては、国の取組について国民の皆様方に御理解をいただくことが重要であります。個々の政策パッケージについての分かりやすい手引の作成、地方公共団体などへの説明会の開催を始めとして、丁寧かつ持続的な広報活動を展開し、これにより全国全ての地域に必要な情報がお届けできますよう努めてまいります。
 地方創生の取組はすぐに成果が現れるものでは当然ありません。政策効果を検証しながら、息長く取り組むことが重要であります。着任以来申し上げておりますように、知恵は現場にこそある、力の逐次投入ではなく、総力で臨む、なぜできないかを述べるのではなく、どうすればできるかを考え、実行するとの思いの下、副大臣、大臣政務官、大臣補佐官及び職員共々、引き続き緊張感を持って微力を尽くす所存であります。
 熊谷委員長を始め理事、委員各位の御理解と御協力を賜りますよう心からお願いを申し上げます。
 以上であります。

発言情報

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発言者: 石破茂

speaker_id: 20757

日付: 2016-03-16

院: 参議院

会議名: 地方・消費者問題に関する特別委員会