大島九州男の発言 (東日本大震災復興及び原子力問題特別委員会)

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○大島九州男君 去る二月八日、九日の二日間、宮城県及び福島県において、東日本大震災の被災地における復旧・復興状況等の実情を調査してまいりました。
 参加者は、田中直紀委員長、森まさこ理事、上月良祐理事、滝波宏文理事、宮本周司理事、風間直樹理事、熊谷大委員、新妻秀規委員、紙智子委員、真山勇一委員、清水貴之委員、中野正志委員、山本太郎委員及び私、大島の十四名であります。
 以下、調査の概要について御報告いたします。
 初日は、宮城県に赴き、バスの車中にて、復興庁宮城復興局から管内の復旧・復興の現状と課題について説明を聴取した後、気仙沼市を訪れました。
 まず、気仙沼中央公民館の屋上より被災地の現状を俯瞰した後、同公民館内において、菅原市長から、気仙沼市の復旧・復興の状況について説明を聴取しました。
 気仙沼市では、地震による地盤沈下等からの復興に取り組むとともに、多様な水産関連産業が立地する強みを生かし、主力産業である水産業の創造的再興を図っていきたいとのことでありました。
 続いて、市当局から、応急仮設住宅の入居者等に係る支援の現状と課題について説明を聴取しました。
 その後、バス車中より、南気仙沼地区被災市街地復興土地区画整理事業を視察しました。同事業は、総面積約三十二・五ヘクタールで、平成二十九年度の完成を予定しており、災害公営住宅の予定地から造成工事がなされているとのことでした。
 次に、朝日町地区の気仙沼造船施設整備高度化事業を視察しました。同事業は、被災した造船事業者が集約、統合により新会社を設立し、市が地盤をかさ上げして造成する用地に、津波に弱い斜路方式ではなく、船舶をリフトで上下させるシップリフト方式による津波対応型造船施設を整備するものであります。また、同地区では、L2津波にも耐え得る強固な漁業用燃油施設を整備するとのことでした。
 次いで、災害公営住宅である市営南郷住宅を視察しました。同住宅は、平成二十七年に完成し、鉄筋コンクリート構造の建物三棟、百六十五戸が整備されております。旧南気仙沼小学校が担ってきた地域のコミュニティー機能を受け継ぐとともに、指定避難所等としての役割を有しているとのことでした。
 次に、バス車中にて、菅原市長から、復興事業に係るマンパワーの確保、復興交付金効果促進事業の使い勝手の向上、外国人技能実習生の受入れ、水産物の禁輸措置の解除等に関する要望について説明を聴取しました。
 その後、防潮堤整備事業等が計画されている大谷海岸周辺を視察し、宮城県等から説明を聴取しました。被災前は国内有数の海水浴場であった同海岸の砂浜の保存と良好な景観形成のため、地元からは、国道四十五号をかさ上げし、L1津波に対応する防潮堤との兼用堤とすることなどが要望されており、関係行政機関において検討がなされているとのことでした。
 続いて、南三陸町に移動し、南三陸町旧防災対策庁舎前において黙礼を行った後、付近の高台より被災地の現状を俯瞰しつつ、宮城県から同庁舎について、また、南三陸町から志津川地区被災市街地復興土地区画整理事業等について、それぞれ説明を聴取しました。
 南三陸町旧防災対策庁舎は三階建てで高さ十二メートルでありましたが、津波により、屋上に避難した五十四名のうち四十三名が亡くなられたとのことでした。同庁舎の取扱いにつきましては、最終的な結論は出されておらず、震災から二十年となる平成四十三年の三月十日までの間、宮城県が維持管理し、一時保存することとなっています。
 志津川地区被災市街地復興土地区画整理事業は、低地にある市街地が災害危険区域に指定され、住宅が高台に移転することに伴い、その地盤をかさ上げし、産業、観光等に係る都市機能を集約するものであります。総面積約六十・二ヘクタールで、平成三十年度の完成を予定しているとのことでした。
 次に、南三陸病院及び総合ケアセンター南三陸を視察しました。同病院は、前身の公立志津川病院が津波で被災したため、高台に整備された診療科十科目、病床数九十床の総合病院であります。医療、保健、福祉の一体整備の町づくりを具現化するものとして、台湾からの支援なども受け、本設復旧した施設であり、昨年十二月から利用を開始したとのことでありました。
 その後、津波で浸水したものの避難所の役割を果たした南三陸ホテル観洋において、震災当時の状況や南三陸町の復旧・復興等について佐藤南三陸町長及び同ホテルの阿部おかみと懇談を行いました。
 二日目は、福島県に移動し、県庁において、福島県の復旧・復興の状況について説明を聴取しました。
 まず、内堀知事から、避難者支援と生活再建、原発事故に係る作業状況、除染の推進、県民の心身の健康確保、農林水産業の現状と安全・安心対策、観光、交流の状況と再生に向けた取組、再生可能エネルギーの導入推進、イノベーションコースト構想等について説明を聴取しました。
 続いて、県の各担当部局から、原発事故への対応、避難地域、浜通り地域の復興・再生、風評の払拭及び風化防止対策の強化に関する要望について説明を受けました。
 その後、派遣委員との間で、グループ補助金等各種補助金の使い勝手、教職員の加配と教育相談体制の充実、イノベーションコースト構想の具体化、医師、看護師等の人材確保、中間貯蔵施設に係る取組、避難者を始めとした県民の健康確保に向けた国の支援、原発事故の汚染水対策、原子力損害賠償の在り方、福島県内における雇用対策等について意見が交わされました。
 次に、二本松市に移動し、野地二本松市議会議長から、同市内における除染対策及び空間線量モニタリング対策について説明を聴取しました。
 派遣委員との間では、森林除染が要望されている背景、二本松市内に設置されている応急仮設住宅の集約等について懇談が行われました。
 なお、二日目の午後に、いわき市において清水市長との意見交換等を行う予定でしたが、参議院本会議が開会されることとなり、訪問を取りやめた次第であります。
 以上が調査の概要であります。震災から五年が経過し、新しい復興・創生期間を迎えるとされていますが、被災地においては、いまだに避難者の生活再建や健康問題などの課題が山積している状況であります。しかし、その一方で、新産業への取組、道路や公共交通の再開、新しい病院の設置など復興の光が見えつつあります。こうした被災地の復興・創生の動きがより一層加速化されるよう、国としても適切な対応を図る必要があることを改めて強く認識した次第であります。
 最後に、私どもの調査に御協力をいただきました皆様に対し、厚く御礼を申し上げますとともに、被災地の一日も早い復興・創生が果たされますようお祈り申し上げまして、派遣報告を終わります。

発言情報

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発言者: 大島九州男

speaker_id: 19475

日付: 2016-03-16

院: 参議院

会議名: 東日本大震災復興及び原子力問題特別委員会