小川勝也の発言 (本会議)

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○小川勝也君 民主党・新緑風会の小川勝也です。
 昨日の郡司会長の質問に引き続き、会派を代表し、安倍総理並びに関係大臣に質問いたします。
 質問に入る前に、甘利大臣に伺います。
 本日、会見をなさるそうですが、金銭の受取を否定できないまま潔白を主張する、その神経に国民の多くはあきれています。この時点で政治の信頼を大きく傷つけていると考えます。進退については早めに潔く決断されるべきと考えますが、甘利大臣、いかがでしょうか。
 それでは、質問に移ります。
 総理は、二〇一二年の党首討論においての当時の野田総理との衆議院の定数削減の約束をほごにして、二〇一四年、総選挙を行いました。さらに、同年の総選挙について、最高裁は昨年十一月二十五日、違憲状態だが選挙無効請求は棄却との判決を下しました。また、今月十四日、衆議院議長の諮問機関、衆議院選挙制度に関する調査会は、衆議院の定数を十減らすことを始めとする答申を大島議長に提出いたしました。
 民主党は、定数削減などについては不十分としつつも、答申案に従って議論を進めていくしかないと考えていますが、自由民主党は逃げ回っているようであります。
 衆議院の選挙制度改革と定数改革についての総理御自身の責任についてどのように考えておられるのか、お伺いいたします。また、このことに関連し、法改正前の解散権の制約についての御認識も併せて伺います。
 アベノミクスは株価頼み、あらゆる資源を投入して株価を支える、つり上げる。良いときも悪いときもあるでしょう、株価に一喜一憂しないというのも指導者の取るべき態度としては当然です。しかし、大切な年金の運用を株式投資することに国民の不安があることは当然御存じだと思います。
 そこで、お尋ねいたします。
 GPIFの株式での運用の現時点での中間成績はどのような状況になっておりますか。また、年金を株式に投資することに不安に思う国民に総理のメッセージがあればお伺いいたします。
 今年の株価は波乱のスタートとなりました。この相場は原油価格の下落とリンクしていると言われていますが、本年の原油価格と世界経済に対する政府の見通しについても総理に伺います。
 次に、地方創生に関連し、質問いたします。
 我が国の大きな課題は、人口減少社会にどう対処していくかということだと考えます。
 まず、総理に伺います。
 人口減少・人手不足社会に対し、経済原理、市場原理に任せるのか、それとも政策を駆使してソフトランディングを目指すのか、大方針を伺います。
 北海道は人口減少の先進地です。かつては国策で屯田兵が北の守りの役割を果たしたほか、石炭、木材、水産資源、農産物などを本州に供給してきました。その後、炭鉱の閉山、二百海里問題、減反、木材の輸入自由化など幾多の試練を乗り越えてきました。農家戸数は私が生まれた頃に比べ五分の一に減り、戦争直後に十万都市だった札幌は二十倍の現在人口二百万に近づきました。
 私たちの国は、更に東京、首都圏への一極集中が進んでいます。さらに、地方でも地方拠点都市への人口集中が進み、道県の人口減少を数字で見るより人口減少地域の影響はより深刻です。
 本年三月二十六日、北海道新幹線開業のうれしいニュースの陰で、JR北海道からはショッキングな報告が相次ぎました。廃線、駅の廃止、老朽化したディーゼル車両十両を廃止し、普通列車の本数を一五%減らすなど。人口が減れば公共交通機関の採算も悪くなり、更に列車の本数が減り、利便性が低下し、人口がまた減るという悪いスパイラル現象に陥っています。また、幹線が不通になったり、安全問題を抱えたりしています。
 JR北海道は株式会社です。採算の合わない路線は廃止した方が株主の利益、実質的には国ですが、というつらい命題を抱えています。JR北海道に対しての支援の再検討について、総理の考えを伺います。採算の厳しい地方バス路線の維持も含め、公共交通機関の在り方について、総理の考え方を伺います。
 急激な人口移動は、社会が成熟していない途上国モデルと言われています。北海道だけが特別ではなくなります。安倍政権が成立させた農地の中間管理の法律が、府県の農村を大きく変えます。北海道以外の小規模兼業が主たる地域の非効率的な農地利用については、改善の余地があるのは言うまでもありません。しかし、強引に農地を吐き出させ離農を促進させれば、北海道の農村がたどってきた道をそのまま追いかけることになります。小中学校の統廃合、高等学校の閉校、鉄路やバス路線の廃止、医療や介護、日々の生活にも影響が出てきます。
 ヨーロッパ諸国では、国土保全、環境面などの評価を含めて直接支払を取り入れ、持続可能な農村社会の維持を図っている国が多数あります。民主党政権は、それに倣い、農業者戸別所得補償制度を取り入れました。
 しかし、安倍政権では、その制度を廃止し、TPPを意識してか、農協を悪者に仕立て、企業の参入を促す、小規模家族経営をないがしろにする政策に転換いたしました。このままでは農村地域の維持が困難になるのは明らかです。都市と農村の共存を図るために農業政策の抜本的な見直しを求めます。総理、いかがでしょうか。
 地方での様々な職種で人手不足が深刻になりつつある中、一方で二〇二五年問題の重大さが取り上げられています。これは、団塊世代の方々が多数介護を必要とする時期に担い手が足りないという問題です。高齢化比率という言葉がありますが、この問題については、人口の多い首都圏が深刻な介護人材の不足になると言われています。たしか、看護師数とベッド数との制度変更が行われた際、都会の病院は有無を言わさず地方から都市へと看護師さんを集めました。地域医療へ多大な影響があったと記憶しています。
 総理の決意の今後二十五万人の介護人材を確保との問題意識は共感しますが、まさに言うはやすしです。少子・人口減少社会でどんな実現方策を考えておられるのか、その中身を伺います。
 あわせて、大事な点を確認しておきます。
 人手不足の折には必ず外国人労働者の問題が議論されます。地元の中小企業や工場関係者から切実な訴えがあることも御承知かと思います。しかし、現在の外国人研修生制度においても様々な問題があることも事実です。外国人労働者の受入れ拡大、さらに移民政策は、過去と現在、そして未来を様々総括する必要があり、すぐさま受入れということにはならないと考えます。人手不足解消とこの難しい問題への安倍総理の認識を伺います。
 総理が一億総活躍を叫べば貧困問題にぶち当たります。この国会の隠れた大きなテーマは子供の貧困と高等教育制度の貧困です。子供の貧困は深刻で、詳しくは後の同僚議員の質問に譲ります。
 総理、パート、アルバイトの時給は幾らでしょうか。北海道の最低賃金は七百六十四円、低い方から数えて三十五番目、全国レベルでは高い方です。道内で最も賃金水準が高い札幌でも相場は八百円台です。
 大学の授業料は幾らでしょうか。四十年前、三万六千円だった国立大学の授業料は、現在五十三万五千八百円、私立の平均が八十六万四千円です。理系はもっと高く、医学部、歯学部は別格で、さらに入学金があります。景気が良くなったからパートを始める女性より、子供の進学のために頑張っているお母さんの方が多いと思います。一体何時間働けば子供の授業料になるのか。
 ここで更に申し上げたいのは、地方から首都圏の大学に進学する負担が余りにも大きいということ、家賃に生活費、引っ越しにもお金が掛かります。総理や財務大臣は、敷金、礼金、前家賃などという言葉は御存じでしょうか。給与水準の低い、時給の低い地方から首都圏への所得の移転です。バイトがきつい、卒業後の奨学金の返済が大きな負担になるなど、学費と奨学金の議論が既に今国会の予算委員会、決算委員会でなされてきました。総理や財務大臣の冷たい答弁に怒りを覚えています。
 もう既に、この国では限られた人しか大学に行けない国になっています。基礎的な学力も身に付けられず社会に出る子供たちもいます。子供たちの未来が家庭の経済事情によって左右されることがあってはなりません、総理の本会議の発言が余りにもむなしい。国の源は教育にあり。今の政権の自覚のなさ、不見識を非難しつつ、本当にその覚悟があるなら、予算案は教育の充実、格差の解消に資するよう組み替えるべきと考えますが、総理、いかがでしょうか。
 最後に、TPPについて伺います。
 まだ内容が精査されていませんが、多くの不安と動揺が農業関係者にもたらされたことは言うまでもありません。また、自由民主党の「ブレない」ポスターや影響の算出を見た関係者からは政治不信や諦めも広がっています。
 まずは、食料安全保障に直結する重要五品目は本当に影響が最小限で国内生産が守られるのか、総理に伺います。
 昨年の十二月、参議院からの派遣でTPPの調査のためにベトナムとオーストラリアに行ってまいりました。豪州については日本への農産物輸出の拡大への意欲で満ち満ちていました。ベトナムでは投資受入れに対する大きな希望を感じ取ってまいりました。
 子供の貧困、格差拡大、地方の疲弊、農村の危機、そして我が国は人口減少、国内市場は縮小します。内部留保を満々に蓄えた我が国の企業の投資はどこに向かうのでしょうか。経済成長のエネルギーを秘めたベトナムやアジアの友好国に我が国の資本や技術や経験が役に立つことはとても結構なこと、しかし、そのことにより国内、地域がおろそかにされるのではと心配しています。
 経済を大きくするには人への投資が重要です。教育に投資をして、生産性と労働の付加価値を高めていかなければなりません。企業の持つ内部留保を、雇用の充実、設備投資、そして教育訓練など国内投資を促す施策に必要だと考えますが、いかがでしょうか。もっと内部留保に課税をという声も多々あることを承知で控えめに伺いました。
 国際NGOのオックスファムは今月十八日に、二〇一五年に世界で最も裕福な六十二人の資産の合計が、世界の人口の下から半分、三十六億人の資産とほぼ同じとする報告書を発表しました。さらに、その資産の合計は日本円で約二百六兆円、この五年間に四四%増えたとされています。好むと好まざるとにかかわらず、我が国も世界経済と新しい資本主義の渦の中にあります。さらに、その背景には、賃金など労働への対価支払より株式配当など資本の投資家への還元が手厚くされていることなどがあると指摘されています。すなわち、世界の潮流に流されているだけでは、貧富の差は拡大し、地域間の格差も拡大し、格差の固定化が進みます。
 政府はその是正のために権力を有しています。格差を小さくし、幸せを大きくし、将来の希望を大きくするために、税を徴収し予算編成をします。再配分機能と国内経済バランスに配慮し、さらに経済の拡大、人材への投資ができて初めて良い政権となるのではないでしょうか。安倍総理の認識を伺います。
 格差拡大に無関心、子供の貧困に対策もしない、地方をますます衰退させる安倍政権にこの国を任せられないことを訴え、質問を終わります。
 ありがとうございました。(拍手)
   〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇、拍手〕

発言情報

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発言者: 小川勝也

speaker_id: 4765

日付: 2016-01-28

院: 参議院

会議名: 本会議