高階恵美子の発言 (本会議)

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○高階恵美子君 自由民主党の高階恵美子でございます。
 私は、自由民主党を代表して、ただいま議題となりました安倍内閣総理大臣の施政方針演説を始めとする政府四演説について、総理に御質問いたします。
 女性活躍推進が内閣の最重要課題の一つに掲げられています。そうした中において、私は特に女性の健康という観点が重要と考えています。
 WHOがオタワ憲章でヘルスプロモーションを提唱し始めてから今年で三十年となります。一人一人が自らの健康に関心を持ち適切に対処できるよう、これまで世界中で様々な取組が進められてきました。
 我が国においては、さきの国会で女性活躍推進法が成立し、年末に閣議決定された第四次男女共同参画計画では、生涯を通じた女性の健康支援が盛り込まれました。日本の女性の健康科学は、まさしく新たな段階を迎えています。
 女性の健康は、女性の自己実現と社会経済活動への参加を促進する大切な財産であるとの基本認識に立ち、これからは、人生の各段階で心身、社会的に大きく変化する女性の健康特性に着目した対策を、あらゆる分野が協調し、包括的に支援する制度体系を整えることが重要です。
 自由民主党では、二〇一三年秋、政務調査会で女性の健康の包括的支援に関するプロジェクトチームを立ち上げ、超党派での議員立法提出の準備を進めてまいりました。最初の提出から既に三度目の通常国会となっていますので、今度こそ是非成立させたいと思います。関係者一同、鋭意努力してまいりますので、安倍総理を始め皆様方の力強い御支援を改めてお願いいたします。
 一億総活躍社会を実現する鍵となる女性活躍、その前提を成す女性の健康支援策についてのお考えと取組姿勢をお答えください。
 今月からマイナンバーの利用が始まり、今般の税制改正大綱では、セルフメディケーションに対する所得控除導入が盛り込まれました。国民の主体的かつ継続的な健康への取組を促す制度の整備により、個人及び地域社会においても健康活動が活性化していくことを期待しています。
 また、持続可能な社会保障制度への改革を一層効果的に進めていく上では、国民が家庭や学校、職場など身近な場所で健康、安全情報に触れ、自らの健康づくりについて学ぶ機会を増やすことが大切です。
 去る二十二日に第五期科学技術基本計画が閣議決定されました。今後、健康、安全に係る情報提供の社会インフラを整備、推進していくためには、科学技術の振興が極めて重要と考えます。具体的には、ICTを活用した健康情報管理技術の一層の開発支援や情報提供体制整備、技術者、研究者の育成確保などに着目しておりますが、総理の御所見を伺います。
 生産年齢人口が減少していく中で引き続き経済成長を続けるには、長時間勤務などの労働慣行を改めるとともに、働き手の特性やライフスタイルに適した柔軟な働き方を取り入れ、労働生産性の向上を図ることが必要です。
 OECDでは、日本の女性就業について、医療・福祉分野以外は不十分で、特に政治、経済、学術研究、行政分野での就業が少ないとし、女性の高学歴化が進んでいるにもかかわらず、就業は低くとどまっていると指摘しています。
 もとより、医療・福祉分野で働く看護、介護、保育などの職種は、国家資格に基づいて社会保障を実現する役割を持ち、支援を必要とする人々の尊い命を守る貴重な存在です。これらの分野については、これからの需要増大に対応するため、従来の人材確保策に加えて、その労働特性に適した、より効果的な定着促進策を講じなければなりません。同時に、医療、福祉以外のあらゆる分野についての検討も進め、労働生産性を上げ、人材不足を克服することが次代に対応する道と考えます。
 そのためには、各産業分野において付加価値を高める工夫が必要です。例えば、物づくり分野では日本ブランドを強力に発信する、サービス・流通分野では日本の礼儀作法や美しい伝統文化を世界標準の枠組みに押し上げるなど、国家として戦略的に世界観を持って取り組むことで新たなクールジャパンが形作られると思います。生産年齢人口の減少を克服する労働生産性向上への取組方針をお答えください。
 世界に目を転じますと、昨年十一月のパリ同時多発テロ以降、エジプト、トルコ、インドネシアなど、観光やビジネス面でも日本人になじみの深い地域でテロが相次ぎました。ラグビーワールドカップ、東京オリンピック・パラリンピックの開催に向け、これから日本には、観光やビジネスのほかにも試合の準備や練習など様々な目的でたくさんの外国人が滞在するようになると見込まれます。このこと自体は歓迎すべきことであります。しかし一方で、言語や習慣の違いによるトラブルや騒音、ごみ処理、病気や事故などの緊急対応についても十分な備えが必要となります。
 また、有益ではない目的を持って入国する人が紛れる可能性も否定はできません。とりわけ五月には、伊勢志摩サミット開催地に世界の要人が集まります。治安大国の日本ですから、この会議を狙ったテロを起こさせてはなりません。
 政府は、先月、内閣官房に国際テロ情報集約室を、外務省に国際テロ情報収集ユニットを設置しました。こうした組織も活用し、政府が一体となって、あらゆる事態を想定し、総力を挙げてテロ対策に当たっていただきたいと思います。総理の御決意をお聞かせください。
 国際化のメリットについても触れたいと思います。中でも私が強調したいのは、観光振興による地域活性化です。
 比例代表議員という立場上、私は一年を通して全国を回る機会に恵まれています。昨年は、特に北陸新幹線開通以降の金沢の町のにぎわいが印象に残りました。実際に石川県を訪れた観光客は前年より一五%増しの約二千五百万人、兼六園の入場者数は一・五倍に増えたとのことです。交通網の整備が人々の動きを変え、観光振興に直結することを実感しています。
 他方、国内の均衡ある発展という視点に立つと、特に東北地方がこうした流れから取り残されている感を否めません。東北を訪れる外国人観光客の数は、震災から五年となる今日でも、震災前の水準すら回復していない状況です。この三月には函館まで新幹線が通りますので、タイミングを捉えて、北海道・東北地方の観光が大いに活性化されるよう支援したいと考えています。
 北国の厳しい気候条件に育まれた季節ごとの彩りの変化や独特の食文化を体験できます。縦軸を高速で移動するのみならず、時間を掛けて周遊いただけるよう、内陸部から海への横軸をつなぐ通年通行の道路網を併せて拡幅整備し、復興と観光振興の両面を一気に加速させる取組を進めてはどうかと考えます。
 また、東北以外にも外国人観光客誘致の光の当たらない地域が散見されています。地域の魅力を発掘し、ハードとソフトを融合させ、それらをアピールすることで均衡の取れた観光戦略を国家規模で進めることが重要です。
 政府は、昨年六月、観光立国推進基本法に基づく基本計画に加え、観光立国実現に向けたアクション・プログラム二〇一五を策定しました。これからの全体的な観光振興の方針と東北地方への一層の観光振興支援に対する考えを伺います。
 さらに、観光戦略を推進するに当たっては、二〇二〇オリンピック・パラリンピック東京大会の開催までとそれ以降の期間を段階的に区分した上で、所定の地域単位で観光振興計画を策定することが肝要と考えます。東京オリンピック・パラリンピック開催に伴う相乗的な観光高揚の時期とその後の観光の安定的な発展について、国と地方が協働して年次計画を立て、共に行動していく体制づくりに向けた展望をお聞きします。
 豊富な食材を生かした郷土料理や日本食の良さを強調する一方で、食本来の目的にも着目したいと思います。
 先日来、廃棄食品の不正転売問題が取り沙汰されていますが、こうした食の信頼を揺るがす悪質な事件が続いていることは誠に遺憾です。政府におかれては、国民を再び不安に陥れることのないよう、これまでの廃棄物処理対策を総点検し、必要な見直しを行うとともに、更なる再発防止の徹底に努めていただくよう求めます。
 食べることは日々の活力源を得ることであり、食卓を囲むことで食文化や食習慣を身に付け、人とのコミュニケーションも学びます。食材から命をいただくという点では、その恵みに感謝する心を育む側面もあります。こうした食育を一層充実させるとともに、食の安全について正しい知識を普及し、適切に対処する社会環境を醸成することが重要と考えます。
 さらに、食に関する教育においては、スポーツやリラクゼーションとの関わりを学ばせることが重要です。食習慣に併せて、幼少期から体を動かす習慣を身に付け、心身の健康の維持向上に関わる一連の健康行動を習得することが一層の体力の向上につながります。
 こうした点から、学校教育における食の安全と栄養教育を充実し、さらにはトップアスリートらによる特別授業を導入するなど、個々の能力を伸ばせる機会を増やしてはどうかと考えます。健康と食に関する総合的な教育の実施について、総理の見解を伺います。
 最後に、六十五歳からの人生を充実する政策の推進について伺います。
 平均寿命が男女共に八十歳を超え、女性の高齢期は二十年以上に達しています。延伸した期間を一人一人の高齢者がその経験や人脈を生かしてハッピーに暮らすために、政府はいかなる支援策を講じていくのか、これは今や若い世代にも共通する国民の大きな関心事です。
 私は、その重要なキーワードの一つとして、世代間交流を促すべきと考えています。子育て世代や悩みを抱える若者と高齢者との関わりだけでなく、同世代での相互支援についても考える余地があると思います。こうした観点を盛り込んだ新たな政策として、昨年九月に、政務官レベルでハッピープラチナモデルの実現に向けた国民運動の展開をお示しさせていただきました。
 総理は、一億総活躍社会の実現に向け、こうした世代間交流の促進や六十五歳からの活躍支援についてどのような姿勢で臨んでいくのか、お答えください。
 以上、ヘルスプロモーションを軸に、社会の生きる力をつくり出す政策についてお尋ねさせていただきました。
 日本の伝統文化を守り、直面する人口構成の劇的な変化に対応して、国民一人一人が笑顔で暮らすことのできる成熟社会を実現していくために、今、何が必要か、何をなすべきか、私たち一人一人がその責任において冷静に考え行動していくことが重要です。
 総理のますますのリーダーシップを御期待し、その政策を推進するに当たっては、私も微力ながら精いっぱいの努力を尽くしていくことをお誓い申し上げ、質問を終わります。(拍手)
   〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇、拍手〕

発言情報

speech_id: 119015254X00720160128_015

発言者: 高階恵美子

speaker_id: 24727

日付: 2016-01-28

院: 参議院

会議名: 本会議