藤川政人の発言 (本会議)

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○藤川政人君 自由民主党の藤川政人です。
 私は、自由民主党、公明党を代表して、ただいま議題となりました平成二十八年度地方財政計画、地方税法等の一部を改正する等の法律案、地方交付税法等の一部を改正する法律案について、安倍総理及び高市総務大臣に質問いたします。
 冒頭、一言申し上げます。
 五年前の今日三月十一日、東日本大震災が発生いたしました。一万五千名以上の尊い命を失い、いまだ二千五百名以上の方々の行方が分かりません。今なおふるさとに戻ることができず避難生活を続けておられる方々、また復興のために尽力されておられる方々が数多くいらっしゃいます。被災された地域の一日も早い復旧復興を祈り、我々国政に携わる者全員で支援していくことを誓い、質問に移ります。
 今年に入ってから世界的に株価が不安定になっており、中国を始めとする新興国経済の減速による世界経済に与える影響が懸念されております。そうした中でも我が国の経済は、有効求人倍率が二十四年ぶりの高水準となるなど、アベノミクスの成果によって、穏やかではありますが、着実な回復基調が続いております。国と地方の税収も回復を続けており、平成二十八年度は、前年度に比べて国税は約三兆円、地方税は一・二兆円の増収を見込んでおります。
 平成二十八年度地方財政計画は、地方税が増収となる中でも地方交付税総額をおおむね維持していること、前年度と比べて臨時財政対策債の発行を大きく減らしていることなど、地方の要望が反映されており、評価できる内容だと考えます。また、災害復旧などに充てられる特別交付税の割合について、四%に引き下げられるというこれまでの方針を改め、六%を維持することとしたのも、近年の災害の多発を考えれば妥当な措置であると考えます。
 このように、今回の地方財政計画は、地方の声も踏まえた適切なものになっていると考えます。しかし、地方財政は、一時期より縮小したものの、いまだに平成二十八年度における財源不足は五兆六千六十三億円となっております。高市総務大臣としては、今後の地方財政が抱える問題をどのように認識しておられるのか、お考えをお聞かせください。
 地方税法等の改正案では、資本金一億円超の普通法人について、法人事業税の所得割の税率を引き下げ、外形標準課税の割合を拡大することが盛り込まれております。
 外形標準課税は、赤字の法人が多い現状において、所得に基づく課税だけでは一部の企業に税負担が偏ってしまうため、公平性を確保するという意味で意義のある制度であると考えます。また、景気の変動によって税収が大きく左右されないことから、地方財源の安定に果たす役割も大きいと考えます。
 この制度は、現在では資本金一億円以上という大企業のみを対象としております。しかし、将来的に中小企業にまで対象を拡大した場合には、経営に与える影響は非常に大きいものとなってしまいます。例えば、設立間もないベンチャー企業というのは赤字で当然であります。もし、こうした企業にまで外形標準課税を適用すれば、成長戦略の柱として起業を支援するという政府の方針と大きく矛盾してしまうこととなってしまいます。したがって、外形標準課税は、設立から五年、十年といった若い小規模企業はもちろん、中小企業をその対象とすべきでないと考えますが、いかがでしょうか。総理のお考えを伺います。
 今回の改正案では、地方法人課税の偏在是正のため、平成二十九年度から法人住民税の税率の引下げと地方法人税の税率の引上げを行うこととしております。
 これに関して、私の出身である愛知県では、豊田市など七市町村で百四十億円の大幅な減収になると試算されております。頑張って税収を上げている自治体が、豊かだからといって税収を奪われるのでは、せっかくの努力が報われなくなってしまいます。税収の偏在是正が必要なことは確かであります。しかし、安易に多いところから取って少ないところに配るというのではなく、頑張った自治体が報われる制度にしなければ、全体としての税収は上がりません。
 自助、共助、公助という言葉で支えるこの理念は、個人のみならず地方自治体にも当てはまるものと考えます。頑張っている自治体のやる気をくじかないためにも、まずは自助努力が評価されるべきであり、それがあった上での偏在是正であるという基本理念を総理から明確におっしゃっていただきたいと思います。
 次に、地方創生について伺います。
 先月発表された平成二十七年国勢調査の速報では、東京一極集中が更に進んでいることが明らかとなりました。総人口が初めて減少に転じる一方で、東京、神奈川、埼玉、千葉の一都三県、いわゆる東京圏の人口は、五年前より五十一万人増えて三千六百十三万人となりました。実に総人口の三割近くがこの一都三県に住んでいるわけです。
 政府は、東京一極集中の是正を掲げて地方創生を推進しておられるわけですが、この厳しい現実について、原因をどう考え、どのように取り組んでいくお考えでしょうか。総理の御見解をお聞かせください。
 アベノミクスの成果によって、地方の有効求人倍率や求人数は増えております。第二次安倍内閣が成立した平成二十四年十二月には、有効求人倍率が一倍を超えていたのはたった八都県でした。それが今では四十六都道府県となっております。また、求人倍率だけではなく有効求人数も、平成二十四年は百九十万人だったものが、現在では二百四十万人台と大きく増えております。地方から人がいなくなって、求職者が減ったから倍率が増えたのだという意見を一部では聞きますが、数字を見れば求人が増えていることは明らかであります。
 仕事のないところに人は住みませんから、雇用をつくるということは地方創生のためにも非常に重要なことです。政府として、更なる地方の雇用創出策をどう推進していくお考えでしょうか。安倍総理に伺います。
 今回の地方税法等の改正では、地方創生応援税制として、いわゆる企業版ふるさと納税の創設が盛り込まれております。ふるさと納税の制度は、平成二十年の創設以来、徐々に知名度も上がっており、国民の間に定着してまいりました。今年度から、限度額の倍増や確定申告の要らないワンストップ特例制度の創設により、一気に利用者が増えております。総務省の発表では、上半期のふるさと納税の実績は、金額が四百五十四億円、件数が二百二十八万件となっており、それぞれ前年同期と比べて三・九倍、三・七倍と急上昇しております。
 自治体が創意工夫をして寄附を集めるという仕組みは、地方の活性化にとって大変有意義です。一方で、寄附のお礼となる特典が豪華になり過ぎて、自治体の負担になっているという指摘もあります。本来は地方を応援するための税制ですが、地方であっても、入ってくる寄附より特典の方が多く、赤字になっている自治体もあるそうです。ふるさと納税には功罪の両面があるというのが現在の状況ではないでしょうか。
 高市総務大臣に伺いますが、これまでのふるさと納税の成果をどう評価されているのでしょうか。また、今回の企業版の創設によってどのような効果を期待されておられますか。ふるさと納税の今後の在り方も含め、お考えをお聞かせいただきたいと思います。
 地方法人税の問題にもふるさと納税の問題にも共通したことですが、全体のパイが増えないのに分配だけを変えるというのは、必ずどこかで不公平感を持つ自治体が出てまいります。地方創生を目指す政府といたしましては、どのように全体のパイを増やすかという点に重点を置いて今後の政策を考えていただきたいと思います。
 このことを申し上げまして、私の質問を終わります。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)
   〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇、拍手〕

発言情報

speech_id: 119015254X01220160311_006

発言者: 藤川政人

speaker_id: 7005

日付: 2016-03-11

院: 参議院

会議名: 本会議