麻生太郎の発言 (本会議)
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○国務大臣(麻生太郎君) 辰巳先生から十問頂戴いたしております。
消費税の引上げについてのお尋ねがありました。
現在の経済状況を見れば、企業収益は過去最高となるなど、日本経済のファンダメンタルズは確かなものであるということを十分に認識をされておりますのは、日本だけではなく世界的にもそう認められていると存じます。
平成二十九年四月の消費税率一〇%に引上げは、国民の安心を支える社会保障制度を次世代に引き渡す責任がありますとともに、市場や国際社会からの国の信認を確保するためのものであって、リーマン・ショックや大震災のような重大な事態が発生しない限り確実に実施をさせていただきます。
保育所増設のための国有地を無料で自治体に貸し出すことについてのお尋ねがあっております。
社会福祉分野につきましては、これまでも優先的売却や定期借地権による貸付けを通じて国有地の活用を積極的に進めてきたのは御存じのとおりです。この結果、特に保育所につきましては、これまで介護施設の約二倍近い件数の国有地が提供されておりますのは御存じのとおりだと思います。
引き続き、保育所も含め、必要な社会福祉施設の整備に国有地が有効に活用されるよう積極的に対応してまいりたいと考えております。
公的支出の在り方についてのお尋ねがありました。
まず、社会保障や教育につきましては、政策的な経費である一般歳出の約三分の二を占めており、今後、高齢化に伴う伸びも見込まれますのは御存じのとおりです。このため、国民の安心を支える社会保障制度を持続可能なものとして次世代に引き渡していくためにも、効率化や制度改革は避けて通れない課題だと考えております。
また、社会保障や教育だけでなく、国民生活や産業の基盤となりますインフラの整備、一層厳しさを増します日本周辺の安全保障環境への対応など、政府の重要な役割は幾つもあり、効率化、重点化を図りつつ必要な予算を計上しているところであります。
なお、子育て支援や教育は重要な課題でありますが、国際比較に当たっては、そもそも税や保険料の国民負担率が諸外国の中で日本は最低レベルにあることや、子供の割合が諸外国に比べて少ないこと等に留意する必要があります。
いずれにせよ、今後とも、歳出全般にわたり不断に見直しを行いつつ、諸課題に適切に対応してまいりたいと考えております。
復興財源確保法と特例公債法の改正を一つの法案としたことについてのお尋ねがありました。
復興財源の確保は、一般会計の財源の確保にも大きな影響を与え、これらは互いに密接に関連をいたしますため、平成三十二年度にかけて復興と財政健全化を同時に推進していく必要があります。また、この二つの法改正は、いずれも平成三十二年度までの五年間、財政法第四条の特例となる公債の発行根拠を設けるための改正という点でも共通性があります。
このため、政府としては、二つの法改正を一つの法律案として提出することとしたものであり、御審議をお願いを申し上げているところであります。
今後、五年間にわたって特例公債の発行を可能とすることについてのお尋ねがありました。
今回の特例公債法の改正案は、足下の財政状況を見れば、少なくとも二〇二〇年度までの間は引き続き特例公債を発行せざるを得ないと見込まれる中で、現行の枠組みを引き継ぎ、二〇二〇年度までのプライマリーバランス黒字化目標の達成に向けて財政健全化に取り組んでいくという決意の下、特例公債の発行を二〇二〇年度までの五年間とさせていただいているものであります。
なお、現行の特例公債法と同様、各年度の特例公債の発行限度額は毎年度の予算により国会の決議を経ることになっており、国会の審議権は確保されているものと考えております。
財政法の精神についてのお尋ねもありました。
私といたしましては、財政健全化を進め、財政法の規定の特例であります特例公債の抑制に努めることは極めて重要であり、まさにこれが財政法の精神であると考えております。実際、第二次安倍内閣以降、特例公債の発行額は毎年減少させてまいりました。四年間で約十兆円減少させていると存じます。
現行の特例公債法には、財政規律が緩まないよう特例公債発行額の抑制の努力義務規定が設けられており、今般の改正案におきましてもこの規定を維持しております。こうした規定も踏まえ、引き続き特例公債の発行抑制に取り組んでまいりたいと考えております。
財政規律についてのお尋ねがありました。
安倍内閣では、特例公債の発行を複数年度化した現行の特例公債法の下であっても財政健全化を着実に進めており、二〇一五年度のプライマリーバランス赤字半減目標も達成できる見通しであります。今後も、二〇二〇年度のプライマリーバランス黒字化目標の達成に向けて、経済・財政再生計画に基づき、不退転の決意で取り組んでまいります。
なお、先ほど申し上げました各年度の特例公債の発行限度額は毎年度の予算により国会の議決を経ることとなっており、国会によるチェックは確保されておるものと考えております。
財政法第五条と日銀による国債買入れについてのお尋ねもありました。
財政法第五条本文では、日銀による国債の直接的な引受けを原則として禁止されております。他方、現在、日銀がマイナス金利付き量的・質的金融緩和の下で行っております国債買入れは、二%の物価安定目標の実現という金融政策を目的として、日銀自らの判断で行われているものであり、既にマーケットで流通しております国債を対象としているものであることから、日銀の国債引受けには当たらないと考えております。
また、国債の金利につきましては、経済、財政の状況や海外の市場動向等の様々な要因を背景に市場で決まるものでありまして、お答えは差し控えさせていただきますが、政府としては、今後とも、財政健全化の取組を着実に進め、日本国債に対する信認を確保するとともに、国債の安定的な消化が確保されるよう、国債市場の動向を注視しつつ、市場との緊密な対話に基づき適切な国債管理政策に努めてまいります。
日本銀行の国債購入に関するお尋ねもありました。
新規国債発行のうち、日本銀行が年度ごとにどれだけ国債を購入しているかについては現時点では承知をいたしておりませんが、既に発行されております債券を含めた、既発債を含めた日本銀行の利付債購入額をその年度の新規利付債の年間発行額で除した割合は、二十五年が六割、二十六年度は七割、二十七年度は八割、もう一回申し上げます、二十五年度は六割、二十六年度は七割、二十七年度は八割になるものと承知をいたしております。
最後になりますが、復興特別法人税の前倒し廃止についてお尋ねがありました。
二十六年度税制改正におきます復興特別法人税の前倒し廃止は、所得拡大促進税制の拡充や政労使会議における取組とともに、企業収益を賃金引上げにつなげていくために行ったものであります。こうした対応も一つのきっかけとして、過去二年間の春闘におきましては二年連続の大幅な賃上げが実現するなど、経済の好循環が確実に生まれてきているものと考えております。(拍手)
〔国務大臣塩崎恭久君登壇、拍手〕