石破茂の発言 (本会議)
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○国務大臣(石破茂君) 安井議員より十六問頂戴をいたしました。
まず、地方創生推進交付金に係る自主性への配慮についてであります。
本交付金は、地方創生の推進のため、各地方公共団体の地方版総合戦略に位置付けられた自主的、主体的で先導的な取組を支援するものであります。その交付金申請の前提として作成される地域再生計画につきましては、国が押し付けるものではなく、地方公共団体がそれぞれの地域の実情に応じて自主性を発揮して作成することができるものであります。本交付金も、地方創生全般の中でどの分野に重点を置くかといった選択や、どのような手法で実施するかといった事業構築の点で、地方公共団体が地域の自主性を十分に発揮できるよう使い勝手の良い仕組みにしておるところであります。
プレミアム付き商品券における経済効果についてであります。
平成二十六年度補正予算における地域消費喚起・生活支援型交付金では、助成した金額以上の消費喚起が期待できるプレミアム付き商品券を始め、高い消費喚起効果が期待できる施策を各地方公共団体に推奨しており、従来の施策と比べてもより高い消費喚起効果が得られるものと考えております。
一例を御紹介すれば、愛知県を始め一部の自治体については、旅行券利用者の約七割が新規の宿泊客であり、近隣の家族利用を中心に新規宿泊客の獲得が進展し、宿泊単価も上昇傾向にあるとの中間報告を得ております。また、ネット販売を利用した一部の自治体においては、ふるさと名物商品事業に参加した店舗は、参加していない店舗と比べ約二倍の新規顧客の獲得に成功している状況が見られます。
さらに、先日、プレミアム付き商品券、ふるさと名物商品・旅行券が主婦の皆様を中心とした約十万人の女性読者の投票によって、昨年最もこれがあって便利、助かったと実感した商品、サービスの金賞に選ばれ、三月十四日には主婦の皆様を代表される方が直接表彰状とトロフィーをお届けいただきました。
自治体によるアンケート調査の集計、分析結果などを事業終了を受けて速やかに取りまとめ提出するよう三月九日に各自治体に依頼を発出したところであり、その結果が集まり次第、全国的な規模での事業効果の集計と分析を進めていくことといたしております。
国自身はもとより、地域自身による今後の消費喚起や市場開拓に向けた取組にも資するよう、極力客観的なデータに基づく検証作業を進めてまいります。
次に、地方創生推進交付金の先導性の審査についてお尋ねをいただきました。
先導的な事業とは、KPIの設定とPDCAサイクルを備えたものであって、官民協働、地域間連携、政策間連携等の先駆的要素が含まれた先駆タイプ、先駆的・優良事例の横展開を図る横展開タイプ、既存の取組や制度上の隘路を発見し、それを打開するための隘路打開タイプの三タイプを想定しております。
地方創生推進交付金の交付対象とする個別事業の選定に当たりましては、官民協働、地域間連携、政策間連携といった基準を明示した上で、その公平性を確保するため、内閣府の事務局における参事官クラス、次長クラスなど複数人及び複数のレベルでの審査に加え、先駆タイプについては知見を有する外部有識者の審査を経ることといたしております。
地域再生基盤強化交付金の継続事業についてであります。
これまで地域再生基盤強化交付金により実施してきた道、汚水処理施設、港を政策間連携により総合的に整備する事業に加え、継続事業についても、地方創生交付金一千億円のうち四百十六億円により対応していくこととしております。この予算につきましては、地方公共団体における事業の進捗状況や要望を踏まえ計上したものであり、地方公共団体において円滑かつ安定的に事業が実施されるよう必要な予算を確保したものであります。
地方創生推進交付金の総額についてであります。
本交付金は、地方からの要望を踏まえ、平成二十八年度予算編成プロセスにおいて、関係府省の協力を得て、新たに国費一千億円、事業費ベース二千億円規模の予算を確保したものであります。地方六団体からも、地方が強い決意と覚悟を持って地方創生をスタートできる額が確保されたことを評価するとの共同声明が発出されております。
平成二十九年度以降の具体的な予算につきましては、今後の予算編成過程で議論してまいりますが、地方公共団体の取組状況等を踏まえ、地方創生の取組が安定的、継続的に推進していけるよう前向きに取り組んでまいります。
なお、民主党政権時代の地域自主戦略交付金、一括交付金は、各府省の一部の公共事業関連の補助金を束ねたものと承知しておりますが、地方創生推進交付金は、地方創生の推進を目的とし、ソフト事業を中心に既存の補助事業を超えて地方公共団体が自主的、主体的に事業構築できるものであり、両者は目的や対象事業からして性格を異にしているため、同列に取り扱うことは適当ではないと考えておる次第でございます。
次に、一括交付金の復活についてのお尋ねをいただきました。
民主党政権時代に、地域の自主的な選択に基づく事業の実施を目指し、各省庁の投資補助金等の一部を一括化し、都道府県、指定都市を対象とする地域自主戦略交付金を創設したものと承知しております。
これにつきましては、運用される中で、対象事業が従来の補助金に限定されていることや、事業規模の年度間の変動や地域間の偏在を考慮すると交付対象を一般市町村に拡大することが困難であったこと、手続の煩雑さといった様々な問題点がアンケート等を通じて地方公共団体から指摘されておりましたことから、平成二十五年度に廃止し、各省庁の交付金に移行をいたしました。その際、地方からの意見も踏まえ、移行先の各省庁において、事業別に細分化されていた整備計画をより大きな政策目的別にまとめることや事務手続を簡素化するなどの運用改善を行ったところであります。
このように、地方の意見を踏まえ、今回の地方創生推進交付金も含め、真に地方にとって効果が高く使い勝手の良い施策の仕組みづくりを推進することが重要であると考えております。
地方創生推進交付金の特徴についてであります。
今回の地方創生推進交付金は、地方版総合戦略に基づく地方公共団体の自主的、主体的で先導的な事業を支援する点、KPIの設定とPDCAサイクルの整備を組み込み、縦割りを超えた事業を支援する点、地域再生法改正案に基づく交付金とし、安定的な制度運用を確保する点で、これまでの個別補助金や一括交付金とは異なる新しいタイプの交付金であると考えております。
各省の個別補助金等と異なり、どのような分野に重点を置くか、ソフト事業とハード事業をどのように組み合わせるかといった事業構築は地方公共団体に委ねられており、自由度の高いものとなっております。また、本交付金は先導性を有する効果の高い取組に対して支援を行うものでありますので、国と地方の総合戦略双方の成果目標の達成に資するものであると、かように考えておる次第でございます。
地方創生応援税制による減収についてであります。
地方創生応援税制の控除額は、法人住民税及び法人事業税の税額の二割を限度としており、その団体に所在する企業がほかの地方公共団体の地方創生事業に寄附をした場合であっても、税収に過度な影響を与えないような制度とすることとしております。また、その減収額については地方交付税の基準財政収入額に反映されますので、地方交付税の交付団体にあっては地方交付税によって適切に補填されることになります。
地方創生応援税制の寄附に伴う便宜供与についてであります。
地方創生応援税制は、志のある企業に寄附という形で地方創生のプロジェクトを応援していただくための制度であることから、企業が経済的利益の供与を期待して寄附を行うという認識には立っておりません。その上で、地方公共団体が寄附の代償として企業に対して経済的な利益を供与する行為は不適切と考えておりますことから、内閣府令において、こうした行為を禁ずる規定を置くことといたしております。地方公共団体は当然に法令に従って地方創生事業に取り組むものであり、御指摘の便宜供与の御懸念は当たらないものと考えておるところでございます。
地方創生応援税制の達成目標についてのお尋ねであります。
地方創生応援税制は、雇用の創出、移住、定住、働き方改革、町づくりなど幅広い分野から地方公共団体がそれぞれの地域における課題に応じて取り組む様々な地方創生事業を支援するものであります。
地方創生応援税制の活用に当たりましては、地方公共団体において、個々の事業ごとにKPIを設定し、PDCAを整備していただくこととなっており、数値目標と目標年次を定めて地方版総合戦略の目標達成に取り組んでいただきたいと考えております。地方創生応援税制のKPIにつきましては、地域ごとに展開される多種多様な事業について、国においてあらかじめ画一的、統一的に設定することはなじみにくいものと考えております。
次に、生涯活躍のまち形成地域についてであります。
生涯活躍のまち構想は、中高年齢者が希望に応じて地方や町中に移り住み、多世代の地域住民と交流しながら健康でアクティブな生活を送り、必要な医療、介護を受けることができるコミュニティーづくりを目指すものであります。
今般の改正法案においては、地方公共団体が策定する地域再生計画に生涯活躍のまち形成事業を位置付けた上で事業者による手続の簡素化を行うものであります。対象となる生涯活躍のまち形成地域につきましては、中高年齢者が自らの希望に応じて東京圏などから地方に移住するものや地域内で近隣から町中へ住み替えるものなどを想定し、人口、雇用、サービスの状況等の各々の地域の特性に応じて地方公共団体において適切な地域が設定されるものと考えております。
国といたしましても、昨年十二月に公表した手引きの作成などの情報支援や地方創生推進交付金による先駆的な取組に対する財政支援などを通じ、地域の創意工夫により魅力的なコミュニティーづくりがなされるよう積極的に支援を行ってまいります。
地域包括ケアシステムとの連携についてのお尋ねをいただきました。
生涯活躍のまちは、中高年齢者の御希望に応えるとともに、移り住んでこられた入居者が地域社会に溶け込み多世代と協働ができるような環境整備を行い、地域で継続的なケアが受けられることを目指すという点で、まさしく地域包括ケアシステムと同じ方向を目指すものであります。
このため、地方公共団体において地元住民へのサービスと入居者へのサービスが一体的に提供される環境整備として、既存の福祉拠点を活用した集いの場づくりや、生涯活躍のまちコーディネーターと地域包括ケアシステムにおける生活支援コーディネーターとの兼任などによります生活支援サービスの一体的な体制整備などを行うことにより、地域包括ケアシステムとの連携を積極的に取り組まれるよう国としても支援をいたしてまいります。
次に、地方分権改革に関する委員会勧告方式についてのお尋ねを頂戴をいたしました。
第一次から第四次までの地方分権一括法により、国から地方及び都道府県から市町村への権限移譲、並びに義務付け・枠付けの見直しを推進し、延べ三百六十六法律の改正を実現いたしました。これにより、地方分権改革推進委員会の勧告事項については一通り検討し対処したところであります。
このような成果を基盤とし、平成二十六年六月に地方の代表の皆様も参画していただいた地方分権改革有識者会議において、それまでの地方分権の取組の総括を行いました。
そこで、個性を生かし自立した地方をつくるため、国主導による集中的な取組から地方の発意に根差した息の長い取組とすることといたしました。具体的には、委員会勧告方式に替えて、国が選ぶのではなく、地方が選ぶことができる地方分権改革を目指し、提案募集方式を導入することといたしたところであります。提案募集方式を通じた取組については、全国知事会から地方分権改革の力強い前進が図られたことに感謝する、また、指定都市市長会からも地方自治体の政策実現の幅が広がる大変意義のある取組と御評価をいただいております。
地方からの提案は、まさに地に足の付いた、現場で困っている課題を解決するためのものであり、住民サービスの向上など、その自治体や住民にとって大きな意味があるものと考えております。今後とも、地方からの御提案をいかに実現するかという基本姿勢に立って取り組んでまいります。
中央省庁の地方移転についてであります。
今回の取組は、東京一極集中の是正を図るため、地方の自主的、主体的取組を国が支援することを基本とする地方創生の考え方に即し、自らの地域の強みを最も把握している地方が提案を行い、それが国と地方の双方にとってメリットをもたらすかの観点に立って、国として、有識者会議や道府県、関係省庁からのヒアリング等を通じ、地方の理解を深めながら検討を行ってきたものであります。
このように、今回の取組は、地方に丸投げしたという御指摘に該当するものではなく、御提案いただいた道府県や関係府省庁など、国と地方との共同作業を進めてきたものであります。その結果、国の機関としての機能の維持向上が図られ、かつ地方創生に資する国と地方の双方にとってメリットの見込める成案が得られ、先週三月二十二日に、まち・ひと・しごと創生本部において政府関係機関移転基本方針を決定したところであります。
今後、同方針に基づき国と地方が連携を図り、取組の具体化を進める中で、仕事と人の好循環を形成し、地方の新産業、雇用創出を図り、東京一極集中の是正、地方創生の実現につなげてまいります。
次に、政策評価結果の反映についてのお尋ねをいただきました。
御指摘の地域活性化諸施策を含め各省庁が実施する個別の施策については、政策評価法に基づき、毎年度自ら評価を実施し、公表するとともに、その評価結果を政策に反映してきております。
例えば、地域再生計画の認定については、平成二十五年度実施施策の政策評価において認定件数の実績五十九件が目標値九十五件に達していないことについて、地域再生計画と連動する施策が限定されている点を要因として指摘しております。この結果を踏まえ、地域の自主的な取組をより一層促進するため、小さな拠点形成支援や企業の地方拠点強化を促進する税制等、地域再生計画の施策メニューを増やしてまいりました。今後とも、政策評価結果を政策に反映し、効果的な施策の推進に努めてまいります。
最後に、憲法改正についての認識についてのお尋ねを頂戴をいたしました。
憲法改正については国民の御理解が必要不可欠であり、憲法第八章を含め、具体的な改正の内容や時期につきましても、国会や国民的な御議論との理解の深まりの中でおのずと定まってくるものと考えております。
個別の議論につきましては、憲法審査会において政党間で大いに議論を深めていただくべきものと考えておる次第でございます。
以上であります。(拍手)
〔国務大臣高市早苗君登壇、拍手〕