大島九州男の発言 (本会議)
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○大島九州男君 質問に先立ち、この度、熊本県等を震源とする地震によりお亡くなりになられた方々の御冥福をお祈りいたしますとともに、その御遺族に対しまして衷心よりお悔やみを申し上げます。また、被災された方々に心からお見舞いを申し上げます。
私は、民進党・新緑風会を代表して、独立行政法人日本スポーツ振興センター法及びスポーツ振興投票の実施等に関する法律の一部を改正する法律案について質問いたします。
一九六四年に開催されたさきの東京大会は、戦災からの復興を世界にアピールするとともに、高度経済成長のシンボルとして、国民生活の向上や全国的なインフラ整備の契機となりました。日本中が感動や一体感を共有した歴史的大会として、今なお国民の間で語り継がれています。
くしくも、二度目の東京大会においても、東日本大震災からの復興を遂げ、原発の風評被害を克服し、前回大会のように次世代に有益な有形無形の遺産を創出していくことで、大会を国民から祝福されるものとしていく必要があります。
一方で、前回大会と異なり、我が国が成熟社会を迎え、国民生活に様々な課題を抱えている中での開催であることから、政府は、東京大会の意義をいま一度国民に分かりやすく示していく必要があります。
平成二十五年九月、日本中が歓喜の輪に包まれた二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック競技大会の開催決定から既に三年近くが経過し、本年八月のリオ大会以降、我が国における大会準備もいよいよ本格化していくことになります。政府は、組織委員会などと一体となって、アスリートがベストのパフォーマンスを発揮できるよう大会の成功に必要な全ての準備を遅滞なく実行し、世界中の観客を魅了する夢の祭典を実現する責務を負っています。
にもかかわらず、非常に残念なことに、国民の大会への期待感に水を差す事態が繰り返し起こっています。昨年明らかになった新国立競技場の建設費高騰問題では、国民から怒りの嵐が巻き起こり、旧整備計画は白紙撤回へと追い込まれました。 その後も、エンブレムの盗用疑惑や聖火台設置場所の検討漏れ、開催費用の膨張問題など、大会に関する不祥事、アクシデントは後を絶たず、このままでは、広く国民の間に大会の開催そのものへの嫌悪感が蔓延することにもなりかねません。
オールジャパンで東京大会を成功に導くためにも、これまでの負の流れを直ちに断ち切らねばならないという問題意識に基づき、以下質問させていただきます。
今回の改正は、新たな国立競技場整備計画の策定を受けて、東京都に費用の負担を求めるとともに、totoの売上げから競技場の建設費に充てる金額を現行の五%から一〇%へと拡大するというものです。
このような措置を行うに当たり、政府は、白紙撤回された旧整備計画の失敗の原因をもう一度真摯に見詰め直す必要があると思われますが、全く不十分であると言わざるを得ません。
昨年九月に発表された新国立競技場整備計画経緯検証委員会の報告書では、プロジェクトの推進体制に関する問題点として、多くの関係者、組織間の役割分担、責任体制が不明確であったことなどを挙げています。しかし、残念なことに、聖火台の設置場所をめぐる騒動においても、政府、大会関係者の役割分担の不明確さや当事者意識の欠如がまたしても浮き彫りになりました。政府は、過去の計画の失敗から何も学んではいないのではないか、このまま政府と組織委員会に任せておいたのではまた何か問題が起きるのではないかと、国民は不安を感じております。
今回の法律案も、元をただせば、過去の計画に見られた費用計画の見通しの甘さからくる法改正であると考えます。このような点を含めて、政府は、一連の国立競技場建設問題における反省点についてどのように総括をしているのか、文部科学大臣、お答えください。
また、本法律案では、totoの売上げから競技場の建設費に充てる費用を五%から一〇%に増額することで、toto本来の目的である地方公共団体やスポーツ団体に対するスポーツ助成金が減少するのではないかと多くの関係者は不安に陥っています。政府は、totoからの国庫納付金を削減することなどにより、改正前と同規模の助成財源を確保できると説明していますが、この見通しは、totoの売上げが今後も高水準で維持されるという希望的観測に基づいたものであり、言わば絵に描いた餅です。現に、二十七年度のtotoの売上げは、前年度から何と二十三億円も減少しています。
楽観的な見通しにより法改正を行った結果、スポーツ助成の財源が年々減少していく事態となれば、我が国のスポーツ振興に重大な影響を及ぼしかねません。そうなったら、一体誰が責任を取るのでしょうか。各関係者の認識の甘さが計画見直しの遅れを招いた新国立競技場問題における失敗を、totoにおいても繰り返そうとしているのではありませんか。この点について、文部科学大臣の見解を求めます。
また、本法律案に伴う省令改正により、totoの業務に関するJSCの運営費が二十億円削減され、これにより広告宣伝費などが大幅に削減される見通しとなっています。totoの国民への普及に大きな役割を果たしてきた広告戦略を見直すことは、今後の売上げにダメージを与えかねません。
広告戦略の見直しに当たっては、今後、馳文部科学大臣や鈴木スポーツ庁長官が先頭に立って全国を巡り、スポーツ振興におけるtotoの役割をアピールするなど、気概を持って真剣に取り組んでいくべきと考えます。文部科学省、JSCは、どのような具体的戦略を持ってtotoの売上げの維持拡大に当たっていくのでしょうか、文部科学大臣、お答え願います。
次に、totoの収益から国庫納付する金額の割合を、平成二十八年度から平成三十五年度までの間、三分の一から四分の一に変更する点です。
そもそも、totoは、誰もが身近にスポーツに親しめる環境整備や国際競技力向上、国際的なスポーツ活動への支援など、新たなスポーツ振興政策を実施するための財源確保の手段として導入されたものです。よって、totoの収益はスポーツ振興に全て充てるべきと考えますが、収益の一部を国庫納付する明快な根拠をお示しいただきたいと思います。
totoに対する国民の理解を一層深めていくためにも、将来的には、totoからの国庫納付金は廃止し、その収益の全額をスポーツ振興を目的とする支出に充てるべきと考えますが、文部科学大臣の見解はいかがでしょうか。
次に、totoの対象拡大について伺います。
totoの売上げは、宝くじや海外のサッカーくじと比べてまだまだ少ないのが現状です。馳文部科学大臣も、totoはスポーツへの国民の小口寄附と表現されています。東京オリンピックを契機に、totoを通じてスポーツに対する個人の寄附の文化の醸成につながればとのお考えがあるようにお聞きしております。私も同感であります。
そのためにも、この機会を通じて、国民の皆様にtotoに関する徹底したアピールが必要であり、スポーツ振興に対する理解を求めていかなければなりません。スポーツ振興の間口を広げるためにも、ラグビー、バスケット、野球にもtotoを導入したらどうかという意見があります。
その一方で、現在、野球賭博事件や闇カジノ問題などの発覚により、スポーツ界における倫理が問われるとともに、競技団体の選手指導を始めとするガバナンス強化の必要性が議論されています。
一部の識者には、野球等の競技を対象としたスポーツくじを導入し、それに合わせて選手への教育、競技団体のガバナンス、公的な監視体制等を一体的に強化していくことで、非合法なスポーツ賭博を排除することができるとの意見もあります。どんなスポーツであっても不正があってはなりません。totoによってファンの試合に対する注目度が高まると同時に、全試合の結果を的中させなければならないという仕組みが結果的に不正を抑止する効果があるのではないでしょうか。
野球等も、このtotoの対象になることによって、チーム関係者、選手が厳しい倫理観で臨んでくれるのではないかと考えています。この点について、文部科学大臣の見解を求めます。
安倍総理は、集団的自衛権を行使することで武力行使の抑止力が高まると詭弁を弄していますが、逆にテロの標的になる可能性が飛躍的に高まることに気付いていません。
オリンピックは平和の祭典であり、安心、安全の確保は大会の成功に向けて最も重要な課題の一つです。無差別テロの脅威が国際的に強まる中、全世界からアスリートや観客が訪れるとともに、世界中の注目を集める東京大会は格好のテロの標的になりかねないことから、政府としてテロ対策に関する総合的な取組を進めていく必要があります。
政府は、二〇一七年七月をめどにセキュリティ情報センターを設置し、関係機関の緊密な連携の下、情報の共有、対策の検討、実施、訓練等に努めるとしていますが、集団的自衛権の行使によってテロの脅威が増し、その対策のために以前よりテロに対する対策費が増大すると考えますが、菅官房長官の見解はいかがでしょうか。
馳文部科学大臣、あらゆるスポーツを振興くじの対象に加えて不正防止の抑止力を高めることの効果は、安倍総理の集団的自衛権行使の抑止力より効果があると思いますが、大臣の見解はいかがでしょうか。
次に、オリンピックと文化について伺います。
オリンピック・パラリンピックはスポーツの祭典として捉えがちですが、オリンピック憲章が、「スポーツを文化、教育と融合させ、生き方の創造を探求する」と明記しているように、人間の祭典として文化芸術の果たす役割は非常に大きいものです。
二〇一二年のロンドン大会においては、かつてない規模と内容で文化プログラムが実施され、文化芸術の活性化だけではなく、若者の社会参加や都市、地域の活性化など、文化芸術を社会的な課題の解決につなげていきました。
二〇二〇年東京大会の文化プログラム実施に当たっては、政府は、文化力プロジェクトとして、イベント数二十万件、参加アーティスト数五万人、参加人数五千万人と、ロンドン大会を上回る数値目標を掲げていますが、目標達成に向けた戦略や推進体制等について、具体的に文部科学大臣に説明をお願いします。
次に、パラリンピックについて伺います。
二〇二〇年東京大会の成功の鍵を握るのは、パラリンピックの成功であると考えます。多くの国民が、あらゆる障害を乗り越えて競技に取り組む選手の姿に、困難に直面した人々は背中を押され、勇気付けられ、感動を与えていただいていることは皆さんも御承知のとおりです。
しかしながら、日本パラリンピック委員会が二〇二〇年東京大会で金メダル数の順位七位という目標を掲げている一方、競技団体及び選手個人は競技の継続が危ぶまれるほど経済的に厳しい状況に置かれている現実があります。政府に対しては、選手強化費や拠点整備の更なる拡充など、オリンピック競技並みの競技力強化策を求めます。
その上で、競技としての障害者スポーツの魅力を国民に伝えていくことは、企業による障害者アスリートの雇用や財政面も含めた支援の拡充につながるなど、競技力向上の好循環を生むと考えますが、政府は障害者アスリートに対する支援をどのように推進していくのか、文部科学大臣、お答え願います。
さて、二〇二〇年東京大会開催決定の際、国民の間に巻き起こった歓喜の声は、決して政府、関係者の大会準備、運営に対する白紙委任を意味するものではありません。オリンピックを大義名分に国民の声を無視し、強引なやり方で準備、運営を進めて過去の失敗と同じ轍を踏むようなことがあれば、東京大会を国民から祝福される大会とすることは不可能であると考えます。
私たち民進党は、大会の準備、運営に関する施策について、政府が国会に定期的に報告すること等を主な内容とする大会特別措置法の改正案を提出しています。大会に関する施策の透明性を確保し、国民の広範な理解と支持を求めていくためには、国会がチェック機能を果たしていくことが最善の策であり、国民の信頼の回復につながるものと考えます。
最後に、度重なる不祥事により失われた国民の信頼を回復するための方策と今後の大会準備に向けた政府の決意について伺うとともに、東京大会の成功に向けて我々民進党も全力で取り組むことをお誓い申し上げ、質問を終わります。(拍手)
〔国務大臣馳浩君登壇、拍手〕