岸田文雄の発言 (外務委員会)

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○岸田国務大臣 外務委員会の開催に当たり、御挨拶申し上げるとともに、主な国際情勢及び外交政策の所信について申し述べます。
 まず、北朝鮮による五度目の核実験や相次ぐ弾道ミサイルの発射は、これまでとは次元の異なる脅威であり、断じて容認できません。北朝鮮に挑発行動の代償を理解させるべく、国際社会と緊密に連携しながら、さらなる制裁措置を含む安保理決議の採択や日本独自の措置により、断固たる対応をとっていく決意です。同時に、最重要課題である拉致問題については、一日も早い全ての拉致被害者の帰国に向け、引き続き、対話と圧力、行動対行動の原則のもと、あらゆる努力を傾注してまいります。
 本年、日本は、G7広島外相会合及び伊勢志摩サミット、TICAD6等を通じ、国際社会の議論をリードしてきました。また、オバマ大統領が現職の大統領として初めて広島を訪問しました。これらの成果を土台に、今後も、日米同盟の強化、近隣諸国との関係強化、日本経済の成長を後押しする経済外交の推進という三本柱を中心に、日本外交を力強く推し進めてまいります。
 第一の柱である日米同盟は、日本外交の基軸です。
 日米で地域及び世界の諸課題に対処するとともに、日米同盟の抑止力を一層強化します。日米間の安全保障協力の実効性を高めるためにも、日米物品役務相互提供協定、日米ACSAの迅速な締結が重要です。また、沖縄の負担軽減に全力で取り組みます。
 第二の柱は、近隣諸国との関係強化です。
 日中関係は、最も重要な二国間関係の一つです。今後も、戦略的互恵関係のもと、緊密に意思疎通を図り、大局的観点から協力や交流を進めます。一方、東シナ海における一方的な現状変更の試みは認められず、引き続き、毅然かつ冷静に対応します。
 戦略的利益を共有する最も重要な隣国である韓国とは、昨年末の慰安婦問題に関する合意を双方が誠実に実施し、日韓関係を、相互の信頼のもとに、未来志向の新時代へと発展させます。日本固有の領土である竹島については、引き続き日本の主張をしっかり伝え、粘り強く対応します。
 また、年内に日中韓サミットを開催したいと考えています。
 ロシアについては、十二月にプーチン大統領が訪日することで首脳間で一致しています。新しいアプローチに基づく交渉を具体的に進め、北方四島の帰属問題を解決して平和条約を締結すべく、一層精力的に交渉に取り組みます。
 豪州、インド、ASEAN、欧州、中南米等との協力関係を一層強化します。
 第三の柱は、日本経済の成長を後押しする経済外交の推進です。
 官民一体での日本企業の海外展開支援や、日本にとり好ましい経済環境をつくるため、経済連携協定等の締結に向けた交渉を推進します。特に、重要な外交的、戦略的意義を有するTPP協定の早期発効に向け、本国会における協定の一日も早い承認をお願いしたいと考えています。
 英国のEU離脱については、企業の円滑な事業継続のための配慮と、欧州の結束を、英国及びEUに求めます。
 グローバルな課題についても積極的に貢献します。
 気候変動対策については、全ての国が参加する公平かつ実効的な枠組みであるパリ協定の一日も早い締結に全力を尽くします。
 日本は、本年から二年間、安保理非常任理事国を務めており、その正統性、実効性、代表性を高めるべく、安保理改革推進のために指導力を発揮します。
 ODAの積極的かつ戦略的な活用を進めつつ、質の高いインフラ投資の推進、女性の輝く世界の実現及び科学技術外交の推進等に積極的に取り組みます。
 日本を取り巻く安全保障環境は一層厳しさを増しています。国際協調主義に基づく積極的平和主義及びその具体的実践のための平和安全法制のもと、国民の命と平和な暮らしを守り、地域と世界の繁栄に一層貢献します。また、唯一の戦争被爆国として、核兵器のない世界の実現に向けて、軍縮・不拡散の取り組みをリードします。
 南シナ海をめぐる問題は、地域の平和と安定に直結し、日本を含む国際社会の関心事項です。引き続き、各国と連携し、海における法の支配の強化に取り組みます。
 先般のダッカ襲撃テロ事件を踏まえ、国際協力事業に係る安全対策を強化するとともに、海外進出企業を含む在外邦人の安全対策について、さらに強化します。国際テロ情報収集ユニットを通じた情報収集を含め、総合的なテロ対策や中東地域の安定に全力で取り組みます。
 主要国並みの外交実施体制の実現を含む総合的な外交力を引き続き強化するとともに、戦略的な対外発信に努めます。
 三ッ矢委員長を初め理事、委員各位の御指導と御鞭撻を心からお願い申し上げます。

発言情報

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発言者: 岸田文雄

speaker_id: 6324

日付: 2016-10-14

院: 衆議院

会議名: 外務委員会