山本公一の発言 (環境委員会)
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○山本(公)国務大臣 環境大臣及び原子力防災を担当する内閣府特命担当大臣の山本公一でございます。
第百九十二回国会における衆議院環境委員会の御審議に先立ち、環境政策及び原子力防災に関する私の考えを申し述べ、御挨拶とさせていただきたいと存じます。
現在、環境行政の柱としては、大きく、東日本大震災からの復興・創生、循環共生型社会の構築の二つを基軸に考えております。
まず、東日本大震災からの復興・創生について申し上げます。
東日本大震災の発生から五年半以上が経過し、復興は新たなステージに入り、さらなる加速が求められております。私は、被災地の皆様との信頼関係こそが一番大切であるとの思いから、大臣に就任直後から、福島、宮城といった被災地にたびたびお伺いして、関係の知事や地元市町村長の方々を初め、皆様から直接お話を聞いてまいりました。まだまだ困難な課題はありますが、何よりも被災地の皆さんの思いに寄り添いながら、誠心誠意取り組んでまいります。
国直轄で行う面的除染について、計画どおり平成二十八年度末に完了できるよう全力で取り組んでまいりますとともに、市町村等が行う除染についても、同時期を目標とした完了に向け、さらに加速化されるよう適切な支援を行ってまいります。また、除染が終了した地域においても、必要に応じたフォローアップ除染等を行ってまいります。
中間貯蔵施設は、福島の復興を進めるために必要不可欠です。施設の整備に必要な用地の取得については、関係する皆様の御理解と御協力により、九月末までに約百四十四ヘクタールについて契約に至るなど、徐々に軌道に乗ってきていると認識をいたしております。この秋にも受け入れ・分別施設や土壌貯蔵施設などの本格的な施設の整備に着手し、除去土壌等の継続的な搬入を進めてまいります。並行して、最終処分量の低減を図るため、除去土壌等の減容、再生利用に関する技術開発等を進めます。
放射線に係る住民の健康管理や健康不安についても、甲状腺検査等の福島県の県民健康調査への支援、疾病の動向の把握、地域のニーズに合ったリスクコミュニケーション事業の推進等の取り組みを適切に進めてまいります。
帰還困難区域については、本年八月末に原子力災害対策本部及び復興推進会議で決定された帰還困難区域の取扱いに関する考え方において、五年を目途に、居住を可能とすることを目指す復興拠点を整備することとし、除染とインフラ整備を一体的かつ効率的に行うとされたことを受けまして、必要な対応について検討してまいります。
指定廃棄物については、各県それぞれの状況を踏まえつつ、引き続き、安全な処理の実現に向けて地元と調整を進めてまいります。
さらに、三陸復興国立公園やみちのく潮風トレイルなどの豊かな自然を活用したグリーン復興を進めます。
次に、循環共生型社会の構築について申し上げます。
大きく、地球温暖化対策、自然の保全、活用と生き物との共生、資源循環の実現と安心、安全の確保という三つの柱から成ります。
まずは、待ったなしの地球温暖化対策について申し上げます。
昨年十二月に採択されたパリ協定が、十一月四日にいよいよ発効することとなりました。本協定は、歴史上初めて全ての国が参加する公平かつ実効的な枠組みであり、政府としてもその一日も早い締結に向けて全力で取り組みます。
環境省では、本年五月に閣議決定した地球温暖化対策計画に基づき、温室効果ガスを二〇三〇年度に二〇一三年度比で二六%削減する目標の達成に向け、地球温暖化対策税の税収によるエネルギー特別会計等を活用し、各省連携しながら取り組みを進めていきます。
具体的には、自然や地元に配慮した再生可能エネルギーの最大限の導入や徹底した省エネルギーの推進を初め、家庭、業務、運輸などの各部門における対策、ESG投資など環境金融の充実強化、代替フロン対策、低炭素なライフスタイルや製品等を選ぶ賢い選択、すなわちクールチョイスを促進する国民運動の抜本的強化、環境教育、持続可能な開発のための教育の推進などを着実に実施してまいります。
また、中長期的には、世界共通の長期目標として二度目標を定めたパリ協定を踏まえ、我が国でも、二〇五〇年の八〇%削減やそれ以降の長期大幅削減を見据えた技術革新やその社会実装、カーボンプライシングの検討、社会、都市、地域の構造やライフスタイルの変革など、脱炭素社会に向けた取り組みを現段階から戦略的に進めてまいります。
さらに、近年顕著となりつつある気候変動の影響に対応していくため、昨年十一月に閣議決定した気候変動の影響への適応計画を踏まえ、国立環境研究所を軸に気候リスクに関する知見を充実し、情報プラットフォームを通じて地域への情報提供などを行ってまいります。
国際的な取り組みとしては、パリ協定の実施ルール構築等に積極的に参画するとともに、二国間クレジット制度等によるすぐれた環境技術の普及促進による世界全体の排出削減に向けて、リーダーシップを発揮してまいります。
次に、自然の保全、活用と生き物との共生に向けた取り組みについて申し上げます。
現在、年間約四百三十万人の訪日外国人が国立公園を訪れ、日本の自然に親しんでいただいています。これを、自然環境の保護と両立した上で、大胆な利用の拡大を図り、二〇二〇年には一千万人にすることを目指す国立公園満喫プロジェクトを進めます。具体的には、国立公園の美しい景観や温泉地といった地域の自然資源を保全しつつ積極的に活用して大自然を体感できる空間とし、世界水準のナショナルパークへと改革をしていきます。
また、人と自然との共生を目指し、生物多様性条約の愛知目標の達成に向け、生物多様性を確保するための取り組みを進めます。具体的には、鹿、イノシシによる被害を防止するための鳥獣管理を推進するとともに、希少種保全、外来種の防除、遺伝子組み換え生物の使用等の規制などに取り組みます。また、災害時の対応も念頭に、ペットの適正飼養などを進めます。
さらに、自然の恵みを将来にわたって享受できるよう、自然資源の保全及び利用を通じて地域の活性化を図る森里川海プロジェクトや自然再生の取り組みを展開します。
次に、資源循環の実現と安心、安全の確保に向けた取り組みについて申し上げます。
将来にわたり地域社会、暮らしを支えるため、更新時期を迎えつつある一般廃棄物処理施設の整備については、地域の需要に的確に応えられるよう、広域化、集約化を図りつつ、早急かつ適切に支援を進めてまいります。あわせて、浄化槽についても普及を進めます。
また、熊本地震等近年の災害の経験を踏まえ、災害が起こってから行動を起こすのではなく、今後想定され得る大規模災害もあらかじめ念頭に置いて、災害廃棄物の円滑な処理体制の確保及び処理施設の防災拠点化等の強靱化対策を進めてまいります。
さらに、富山物質循環フレームワークを踏まえ、次期循環基本計画を見据えつつ、食品ロス、食品廃棄物対策を初め国内外の適正な資源循環を推進してまいります。
現在及び将来の世代が良好な環境の中で健康に暮らす、そのための安心、安全の基盤を確保するための取り組みは、環境省の原点であります。さまざまに存在する環境リスクの低減に向け、しっかりと取り組みを進めます。
まず、水俣病を初めとする公害健康被害対策、石綿健康被害者の救済については、引き続き真摯に取り組みます。
また、化学物質のリスク管理強化や土壌汚染の管理適正化などの施策の充実に向けた検討を進めてまいります。
子どもの健康と環境に関する全国調査、いわゆるエコチル調査については、息の長い取り組みとして、引き続き着実に実施をしてまいります。
水銀に関する水俣条約への対応に関して、その実施のための国内取り組みを着実に進めるとともに、途上国の水銀対策の支援等を通じて世界の水銀対策をリードしていきます。
一番早い地域では来年度末にも処分期限を迎えるPCB廃棄物については、期限内に処理を確実に達成できるよう取り組みを進めます。
依然として環境基準達成率の低い微小粒子状物質、いわゆるPM二・五については、国民に対する的確な情報提供に努めるとともに、科学的知見の充実を図りつつ、排出抑制対策を推進します。あわせて、中国を初めとするアジア各国と大気汚染対策に関する協力を推進します。
マイクロプラスチックへの対応を含めた海洋ごみ対策、瀬戸内海や琵琶湖の環境保全にも着実に取り組んでまいります。
次に、原子力防災等について申し上げます。
万が一の原子力発電所の事故に対応するため、内閣府特命担当大臣として、原子力防災に取り組みます。
今般、原子力防災会議において、泊地域の緊急時対応が了承されました。今後も、引き続き、地方自治体の地域防災計画、避難計画策定への支援、要配慮者への対応、防災資機材の整備への財政支援、原子力防災業務に携わる人材の育成など、きめ細かな取り組みを行います。
原子力災害に対する備えに終わりや完璧はありません。十一月に泊地域で行う原子力総合防災訓練の実施、訓練結果の評価等も踏まえ、継続的に充実強化に努めてまいります。
また、原子力規制委員会が、独立性の高い三条委員会として、科学的、技術的見地から公正中立な立場で規制を進められるよう、環境大臣としてしっかりとサポートしてまいります。
さきの所信表明演説で安倍総理大臣は、「未来への橋をかけよう」と締めくくられました。未来は、「未だ来ず」と書きます。すなわち、今を一生懸命に取り組めば、未来は変えることができるということです。近年、地球温暖化の影響などを肌身に感じるようになってきましたが、いたずらに悲観論に陥ることなく、変革に向けて取り組みを続けていくことが重要です。現在の世代はもちろん、子や孫など将来の世代のためにも、私は全力を尽くしてまいります。
以上、環境大臣として、また、原子力防災担当の内閣府特命大臣として、当面の取り組みの一端を申し上げました。
平委員長を初め理事、委員各位におかれましては、今後とも、環境行政及び原子力防災の一層の推進のため、御支援、御協力を賜りますようお願い申し上げます。(拍手)