岡本三成の発言 (環太平洋パートナーシップ協定等に関する特別委員会)
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○岡本(三)委員 先生、ありがとうございます。
例えば、全体のマクロでもう一度確認をいたしますと、政府試算ですとGDPの二・六%、世界銀行の試算でも二・七%、約十四兆円のメリットがあると言われているんですが、これを国民一人頭で割りますと、一人十一万円なんですね。大きな金額です。
もちろん、その十一万円が全部、例えば消費者としての選択肢で得られるわけではなくて、ある業界に大きな利益が落ちたものも含めているわけですけれども、それが回り回って日本の経済を動かすということを考えれば、国民一人当たりでいうと十一万円のメリットがあって、それは実は、十四兆円という規模といえば、今回のTPP参加国の中で最大の恩恵を受ける国が日本というように政府も国際機関も試算をしているというのが非常に重要なポイントだと思います。
その中で、あえてきょうは食の安全ということがフォーカスをされておりますので、次は、今村先生にお伺いをしたいんです。
私、よく農業を守るという議論をこの委員会の中でもされているんですけれども、果たして、これは自公政権の歴史も含めまして、農業って守れてきたんだろうかという問題意識があります。
先ほどウルグアイ・ラウンドの話がありましたけれども、例えば、一九九四年ぐらい、大規模に農産品が輸出入をされるようになってこの二十年間、農業を守るという名目で約八十兆円の予算をここに日本はつけているんですね。大変な金額です。
多分、その毎年毎年の政策の中では、これが農家を守っているんだ、そういう気持ちでやってきたと思うんですが、では、振り返ってみて本当に守れたかというと、もしかしたら、そのときに農業に従事されていた方の生活を数年は守れたかもしれないけれども、中長期的な目で振り返ってみると、ほとんど守れていなかったのではないかと総括できるんじゃないかと思っているんですね。
例えば、二十年間の数字をとりますと、農業の総産出額、二十年前は全体で約十二兆円です。一昨年は八・四兆円、マイナス二六%。耕作の面積を守ろうとよく言われます。二十年前、五百八万ヘクタール、一昨年、四百五十万ヘクタール、マイナス一一%。農家で働いている方にしっかりとした所得を受け取ってほしいと皆さん言います。全体の農家所得、二十年前、五・一兆円、一昨年は二・八兆円、マイナス四四%。全く守れておりません。働いている方の基幹的農業従事者、二十年前、二百六十三万人、一昨年は百六十八万人、マイナス三六%。もうからない業界ですから、新しい人はやはり入ってこないんですね。
ですから、要は、変わらなければ、TPPがあるないにかかわらず、今までと同じようなことでは、ことし、来年は守れるかもしれないけれども、五年後、十年後には守れなかったというふうな総括にならないような攻めの農業に変えていかなければいけないというのが、今回のTPPの大きなポイントだと思います。
その上で、先ほど渡邊先生がグローバルGAPに言及をいただきましたが、この件についてぜひ今村先生にも教えていただきたいんですけれども、GAP、グッド・アグリカルチュラル・プラクティス、よい農業生産物の基準みたいなことなんでしょうか、世界の農業市場で農業生産者の中ではスタンダードになっているように聞いています。
特に、ロンドン・オリンピックのときは、オリンピックの競技会場の中で提供される食料品はグローバルGAPを取得していなければ購入されなかったというところから、もともとヨーロッパで発祥していますけれども、アジアの農業生産法人の一〇%もこのグローバルGAPを取得していますし、日本でも最近話題になっておりまして、ただ、日本でグローバルGAPを取得しているのは全経営体の〇・一五%だそうです。ほとんどまだ何も手つかずなんですね。
このような国際認証が今後、攻めの農業に対してどういう影響を持っているかということをお伺いしたいんですが、例えばこのグローバルGAPについて言うと、目的は食の安全と持続可能な生産管理、この持続可能というのがキーワードみたいなんですね。
三つポイントがあって、食の安全性は、ただ単に例えば農薬の基準を第三者がチェックするだけではなくて、その基準以下であるプロセスを確認しながら最終的な安心感も醸成するということ。二つ目は環境の保全で、農薬でいうと、その使った農薬を例えば川や海に流して環境をどのように汚染しているかというポイント。三つ目はそこで働いている労働者の方の安全の確保で、要は、農業というものが継続的に持続できるようなところまで第三者の目でしっかりとチェックをしながら、その方々をより農業生産の中心に置いていって、五年後も十年後も百年後も安定的な農業経営ができるような指針となる、非常に先進的な取り組みだと思っているんです。
先ほど渡邊先生から、大変重要なポイントなので国で予算の手当てもお願いしたいというふうなアドバイスもいただきました。これは、認証をとるには大体一年から二年かかって、数百万円から一千万円ぐらいかかるそうです。
ですから、その予算的な手当ては重要だと思うんですが、多くの農業者の方に認識されていない、政治家の中でももしかしたら存在自体を認識していない方がいるかもしれないんですけれども、今村先生に、このグローバルGAP、またHACCPも含めまして、国際認証をどういうふうに日本の攻めの農業に取り込んでいくかということにつきまして御所見を伺えればと思います。