船田元の発言 (憲法審査会)

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○船田委員 会長、ありがとうございます。自由民主党の船田でございます。
 まず、議論の再開につきまして一言申し上げたいと思います。
 昨年六月四日のこの審査会参考人質疑の中で政局に絡めた議論が展開され、私の不首尾もありましたけれども、結果として審査会の審議が一年半にわたり停滞をしたということは極めて残念なことでありました。
 自戒も含め、今後は政局に絡めないよう、あるいは政局から離れた静かな環境のもとで憲法に関する議論が行われるよう、自民党だけでなく、全ての会派が心得て取り組んでいかなければいけないと認識をいたしております。
 次に、憲法論議の原則について申し上げたいと思います。
 憲法は、国民全体の利害、あるいは人生哲学、また日々のライフスタイル、さらに国のあり方にまで及ぶ広範で奥の深いものであります。したがって、憲法審査は、一般の法案審査とは違い、与野党の枠を超え、少数会派にも平等な時間を配分し、徹底的に話し合うということが望ましいと思っております。
 この原則は、元憲法調査会長中山太郎先生が提唱され、憲法調査特別委員会、そして当憲法審査会まで踏襲されてきた貴重な原則であります。我々は、このことにいま一度立ち返り、うまず休まず真摯に審議を続けていきたい、このように思っております。
 三つ目に、制定過程について私見を述べます。
 現行憲法は、GHQから発せられたマッカーサー草案がベースにあることは事実だろうと思います。その後、帝国議会で四カ月間議論し、芦田修正、文民条項など、複数の修正がなされましたけれども、全体としては、GHQの統制のもとに置かれていたために、必ずしも国民の意思を十分に反映したものとは言いにくく、また、国民投票も行われなかった事実があります。
 したがって、現行憲法は、外から押しつけられたと言われても言い過ぎではないとは思っております。しかし、このような出自だからといって、現行憲法が無効であるとか、破棄すべきものであるという主張には賛成ができません。
 現行憲法が発布され、この十一月三日で七十年を迎えたわけですが、これだけ長い間使ってきたこともあり、また、我が国の隅々にまで定着していること、このことにベースを置いて我々は議論を進めていく必要があると思っています。
 四番目に、改憲の必要性について申し上げます。
 我が国の憲法は、他国に比べ、規律密度が大変粗い、そして、抽象的表現が多かったり、法令によって規定する部分が多くなっております。そのため、いざ憲法を動かしたり、生かしたりするとなると、条文の解釈を施したり、法令によって補完するということが必要であったと思います。言いかえれば、日本国憲法は抽象的表現が多いために改正しなくて済んできた、あるいは、ぎりぎり改正を先送りすることができたんだというふうに思います。
 しかし、現在におきましては、その解釈の幅も限界に近づいております。本来は憲法改正により措置すべきことも法令で対応しているという部分も、若干ではありますがございます。憲法に対する国民の信頼が薄れつつあるということを考えますと、やはりここで勇気を持って改正を発議することは我々の責務であると思っています。
 最後に、改正の具体的なテーマについて若干申し述べます。
 一つは、昨年五月まで各党が自由討議の中で、環境権を初めとする新しい人権、二つ目には財政規律、三つ目には緊急事態、この三つがおおむね各党とも改正テーマとして共通して議論してきたものでありまして、このあたりから議論を始めるということは極めてふさわしいのではないかと思っております。
 また、現状と憲法とのずれがはっきりしております、七十九条、八十条の裁判官の報酬が減額できないという条項、あるいは八十九条の公の支配に属さない教育事業などへの公金の支出ができないというこの条項、これらもやはりきちんと改正をしておく必要がある、このように思っております。
 そのような課題をしっかりと掲げて、我々は、先ほど申し上げたようなルールに従って真摯に議論していきたい、私自身もその一人として頑張りたいと思っております。
 以上でございます。

発言情報

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発言者: 船田元

speaker_id: 31837

日付: 2016-11-17

院: 衆議院

会議名: 憲法審査会