足立康史の発言 (憲法審査会)
⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。
詳細は利用規約をご確認ください。
○足立委員 日本維新の会の足立康史でございます。
党を代表して意見を申し述べます。
本日のテーマであります立憲主義については、民進党の武正筆頭や辻元幹事らの強い求めに応じる形で幹事会として決定したものでありますが、そもそも、民進党の皆様がこうした立憲主義というテーマのもとで一体何を議論したいのか、私、よくわかりません。私が拭い切れない懸念は、今、前回の憲法審査会もそうでしたが、安保法制は立憲主義にもとるといったレッテル張りがこの憲法審査会で繰り返されることを強く懸念している次第であります。
実際、先週の憲法審査会においても、民進党の武正筆頭は、一昨年からの安保法制に係る一連の動きについて、立憲主義にもとると決めつけ、憲法解釈変更の閣議決定や安保法制の白紙撤回を求められました。また、きょうも枝野委員の方から、安保法制と立憲主義の関係について疑問を投げかけられる御発言があったと承知をしています。
また、憲法改正の限界についても、平和主義に関係して、集団的自衛権を認めれば、いわゆる日本国憲法の基本理念である平和主義が揺らぐと武正筆頭は断じ、あたかも、集団的自衛権について議論するのであれば憲法改正の発議に向けた議論には参加できない、そのような主張をされました。
しかし、そもそも近代立憲主義とは、多様な価値観の共存という大目的のために、権力の分立によって権力を制限するという考え方であります。それに対して、いわゆる平和主義、徹底した平和主義という日本国憲法の基本理念は、いわば近代立憲主義の例外として、まさに特定の価値観を選び取って憲法に規定し、それを固定化しようとする試みであると私は理解をしています。
仮に民進党が、日本国憲法の平和主義と個別的自衛権を無理に結びつけ、安倍政権に対する批判を続けたとしても、それは単なる民進党の価値観の表明でしかありません。特定の価値観を他党に押しつけ、集団的自衛権についての議論は認めない等と独自の価値観を表明していても、憲法改正論議の入り口において自由闊達な意見表明を遮るのであれば、それこそ多様な価値観の共存という近代立憲主義の大目的に反するものであり、立憲主義を破壊する所業であると私は断じざるを得ません。
さて、安保法制の制定過程において明らかとなったことがあるとすれば、民進党や共産党がおっしゃるような安倍政権による立憲主義の破壊ではなくて、まさに現行憲法の違憲審査制度が機能不全に陥っているということであります。
日本国憲法にあっては、司法消極主義のもと、最高裁がいわゆる統治行為論をとってきたため、憲法の最終解釈者としての司法、すなわち最高裁の役割が十分に発揮されない状況が続いてまいりました。
こうした中、二〇〇五年に取りまとめられた憲法調査会の報告書では、現在の付随的違憲審査制のもとでは、最高裁に憲法の番人としての積極的な役割を期待することはできないといった議論が行われ、憲法裁判所を設置すべきであるとする意見が多く述べられた旨、報告書に記載がされております。
憲法九条に関する内閣法制局の解釈が、安保国会を通じて、時の政権の影響を受け、野党の追及をかわすために糊塗されてきたにすぎないことが白日のもとにさらされたのであります。
そうした中、私たち日本維新の会は、まず第一に、憲法適合性を有する対案としての安保法制の立案に取り組みました。存立危機事態の概念では違憲のおそれが大きい、そう考え、集団的自衛権行使の要件をさらに厳格化をし、存立危機事態にかえて米軍等防護事態を規定する安保法制の対案を国会に提出をいたしたわけであります。
残念ながら、昨年の延長国会においては、民進党の審議拒否等に関心が集まり、政府案と維新案との比較検討が十分に深まったとは言えません。しかし、だからといって、安保法制を戦争法呼ばわりしたり、政府・与党や安倍総理をナチスやヒトラーに例えて、立憲主義にもとると政府批判を展開しても何も生まれません。最高裁が統治行為論をとる限り、内閣が決定した憲法解釈と国会の多数派が成立せしめた法律に対抗するすべはないからであります。
そこで、私たち日本維新の会は、次になすべき仕事として、まさに機能不全を起こしている違憲審査制度の見直し、すなわち憲法裁判所の創設を提案したのであります。本年三月に公開した維新の憲法改正原案の三本柱の一つに、憲法裁判所の創設を打ち出したものであります。
違憲立法審査権を有しない憲法学者の一部意見を殊さらに振りかざして、現行憲法下で正当に決定された憲法解釈と法律に対して立憲主義にもとるとレッテル張りをすることこそ、立憲主義を破壊する所業であると断じざるを得ません。
三点目に、私から申し上げたいことは、憲法改正を考えるに当たって、大きく三種類の検討事項があると思っています。
第一には、権力を縛るための規定であります。これを繰り返し申し上げることはいたしません。
今回、私たちが三つの提案として提案をしている、その中でも、教育無償化と統治機構改革については、まさにこれから、少子高齢化の日本、少子高齢化を乗り越えて、日本国をさらに発展させ、繁栄させていくための、国が政権を超えて固定化していくべき基本政策として提案をしているものであります。
権力を縛るのが一つ目。今申し上げた基本政策が二つ目。
そして三つ目は、国家としての基本理念や価値観の表明であります。この点については、自民党の憲法草案について、るる野党の方から批判があることは承知していますし、私たち日本維新の会としても、自民党の草案が決して国民の多くの賛成を得て日本国憲法に規定し得る内容であるとは考えておりません。
なお、最後に、先週の憲法審査会で議論されたことについて、私が質問したことについて民進党から一切の御回答がありませんでした。
一つは、二〇〇五年の民主党の憲法提言の取り扱いであります。武正筆頭は、「議論の土台である」、このようにおっしゃいましたが、「議論の土台である」というのが回答であれば、自由民主党が議論のベースであると言っているのと全く一緒であって、民進党が自民党を批判する理由は全くなくなります。
第二に、細野委員が、今後、内容の検討を、考え方をまとめていくとおっしゃっていますが、野田幹事長は、改正案を出すということはしないとおっしゃっています。
また、山尾委員が憲法裁判所に言及されましたが、個人の意見なのか党の意見なのか、わかりません。
ぜひ、きょうの自由討論で御回答いただきたい。お願いを申し上げて、私からの発言を終わります。