中谷元の発言 (憲法審査会)
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○中谷(元)委員 先ほど自民党の改正草案は立憲主義を否定するものではないかという御意見がありましたが、自民党の改正草案は、人権を保障するために権力を制限するという立憲主義の考え方を何ら否定するものではありません。
先ほど上川委員や、私も先週、発言しましたが、主権在民、平和主義とともに、日本国憲法の三大原則の一つである基本的人権の尊重、これは権力の分立の構造において、何ら変えたわけではありません。むしろ、前文において、現行憲法でこの三大原則のうち唯一記載が欠けていた基本的人権の尊重、これを明確に盛り込んでいるところでございます。
また、改正案の基本的な考え方として、我が国の社会や憲法を取り巻く状況が変化をして、実際にずれが生じている部分があるということで改正を提案したものでありまして、憲法の三大原則はしっかり堅持するということを明言いたしております。
また、先ほど、平和安全法制は立憲主義に反するといった趣旨の御発言がありました。
平和安全法制の合憲性などの個別の立法政策の是非につきましては、本来の所管の委員会で議論すべき事柄でありまして、政局から離れた冷静な憲法議論を行うべき憲法審査会で議論すべき事柄ではないと考えます。
しかし、憲法改正につながる観点から調査するということで、憲法審査会の所掌事務でもありますので、あくまでも本日のテーマである立憲主義との関係から意見を申し上げますと、この平和安全法制の定める限定的な自衛の措置は、憲法九条とともに、前文の平和的生存権、十三条の生命、自由、幸福追求の権利を規定する日本国憲法の構造に照らして、国民の生命、自由、幸福追求の権利が根底から覆されるという急迫不正の事態に対応するためにやむを得ない措置であり、現行の憲法の枠内のものでございます。
また、集団的自衛権の行使を一部容認いたしておりますが、それは、あくまでも自衛のための必要最小限度の措置に限られると。集団的自衛権の行使を丸々全部認めるということではなくて、他国の防衛それ自体を目的とする行使は認めておりません。あくまでも国民の命と平和な暮らしを守ることが目的でありまして、極めて限定的なものであります。
これは、法案の中で新三要件、これで明確に示しておりまして、憲法上の明確な歯どめとしておりまして、これを法律に盛り込んでおりますので、こういった点の指摘は当たっていないということで、従来の四十七年の政府見解の基本的論理の枠内であるということでございます。
そして最後に、立憲主義に反すると批判をされる方は、立憲主義違反と称して現政権の活動を批判しているだけでありまして、立憲主義という言葉を先ほど上川委員が言いましたが、権力の分立によって基本的人権を保障するという構造を憲法に規定するという考え方であります。その本来の意味を超えて、単なる政権に対する好き嫌いといった意味で使っているのではないでしょうか。
こういう点におきまして、引き続き本質的な御議論をお願いいたしたいと思います。