辻元清美の発言 (憲法審査会)
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○辻元委員 民進党の辻元清美です。
今、中谷委員が、政権批判のために立憲主義という言葉を使っているのではないかという御認識であるならば、立憲主義という意味をよく理解されていないのではないかと思いますので、その点も含めて反論をしたいと思います。
きょうも傍聴の方が立ち見が出るぐらいたくさんいらっしゃっています。市民の間で立憲主義という言葉の認識がこれほど広がったときはないと思います。
昨年の安保法制のことは、やはり避けて通れないんですよ。あのとき国会を囲んだ人たちも、立憲主義を守れという、その声が非常に全国に広がったんですね。私たちは、なぜそんな声が出たのかということを真摯に受けとめるのが憲法審査会の役割だと思います。
これは、一つの政策への賛否という視点ではなかったわけです。立憲主義という、社会を規定する最高の規範そのものが根底から覆されたのではないかという危機感を市民が共有したということです。
これは、民主主義を守れとか立憲主義を守れという声が出るような国は、よく開発独裁国家であることなんです。政策一つ一つの賛否というよりも、そこの点をつかれているということを私たちは真剣に受けとめるべきだと思います。
私は、理由は三つあったと思います。
一つは、先ほどから出ております安保法制。
中谷さんは、一九七二年、昭和四十七年見解のことについて合憲の理由とされましたが、これそのもの、そして砂川判決まで出してきて、一部だけだったら集団的自衛権を認められると真逆に解釈したのではないかという点をつかれているわけです。これは憲法改正の限界を超えるのではないか。
先ほどから出ていますが、これは、内閣法制局の、今まで憲法解釈をしてきた人たちまでもが、これは限界を超えるという発言をしているわけです。白を黒で言いくるめているという発言が国会で出たわけです。さらに、今まで安保法制をつかさどってきた防衛省の最高の官僚を務めていた人たちからも反対の声が出たということです。元最高裁判所長官もその点をついたわけです。これは避けて通れません。それが一点目。
ですから、違憲立法を進める政党に憲法改正を論じる資格があるのかと問われていることをもっと真摯に受けとめるべきだと思います。
二点目は、自民党の憲法改正草案は立憲主義にもとるのではないかということで、中谷さんが今発言をされましたが、憲法九十九条で、「天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、」これは現行憲法です、「裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ。」とされています。自民党の改正案では、天皇を元首とすると。その上で、百二条で、天皇、摂政を憲法尊重擁護の義務から外し、さらに、「全て国民は、この憲法を尊重しなければならない。」「しなければならない。」という義務を負わせているわけです。
それでは、中谷さんに私はお伺いしたいと思います。
国民が権力者に守らせる規範が憲法であります。国民に憲法尊重の義務を負わせるという発想は立憲主義の本質から外れるものではないかと私は考えますが、この点について具体的に私たちは指摘をしたいと思います。例えば、こういう国民に尊重の義務を負わせているのは、中国やロシアの憲法と同じような発想です。
そして、三つ目です。
先ほどから出ておりますが、安倍総理の発言が健全な憲法論議を阻害してきた点は指摘せざるを得ません。
安倍総理が立憲主義を問われて、何人もの委員が今指摘をいたしましたが、かつて王権が絶対権力を持っていた時代の主流的な考えで、あたかも今は違うというようなニュアンスの発言をされているわけです。この点、これは市民からも疑問が出ているわけです。
ですから、安倍総理は、予算委員会でこの点などを質問されると、予算委員会は答弁する場ではない、憲法審査会で議論するべきだとおっしゃっていますから、この点の疑念を晴らすためにも、いろいろな参考人に当審査会にはお出ましいただいて御意見を承っておりますので、元会長の中山太郎先生にも御意見を伺いましたが、安倍総理をこの審査会にお招きいたしまして、この点、どういう意味なのか、しっかりと説明をしてもらう、それがこの点の疑念をしっかり晴らして健全な憲法論議を進める上での一つの大きなステップになると思いますので、幹事会でぜひ御提起をしたいと思いますので、会長、お取り計らいをよろしくお願いしたいと思います。