平沢勝栄の発言 (憲法審査会)

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○平沢委員 自民党の平沢勝栄でございます。
 昨年、この場で三人の憲法学者が平和安全法制について違憲ということを述べまして、そして、きょうもこの問題が出ていますので、私の見解を述べさせていただきます。
 まず、昨年七月の朝日新聞の憲法学者アンケートによりますと、回答した百二十二人の憲法学者のうち、自衛隊は憲法違反あるいは憲法違反の疑いありとした学者は七十七人で、六割以上に上っています。こうした憲法学者は、自衛隊を違憲とするだけでなく、日米安保条約、PKO、そして平和安全法制も違憲とすることは当然と考えます。
 次に、平和安全法制は違憲と述べた憲法学者の小林節先生は、昨年六月二十二日の衆議院平和安全法制特別委員会で次のように述べておられます。我々学者は、利害を超えた世界の、坊主みたいなものでありまして、利害は知りません、ただ条文の客観的意味はこうなんですという神学論争を言い伝える立場にいるわけです、それに対し、政治家は現実と向き合っていますので、必要優先の議論をなさるわけです。
 要するに、政治家は現実と向き合っているが、学者は現実とは関係なく大学内で神学論争をしている、それが学者と政治家の違いだということを小林先生は言っておられるわけで、私は小林先生の言われるとおりだと思います。多くの学者は、そのもたらす結果や影響については全く関係なく憲法を語っているわけです。
 しかし、私たち政治家は現実を見なければなりません。安全保障の問題だけを見ても、日本を取り巻く情勢は大きく変わっています。現憲法はそもそも自衛隊が全く存在しないときにできたものであります。その後、国際情勢は大きく変わり、中国は軍事費を大きくふやしています。
 昨年、私は、民進党の長島昭久議員と一緒に中国でのシンポジウムに参加しました。そこで、私は中国側に、中国は国際法と国内法のどちらを優先するのか聞いてみました。これに対し、中国は、現在の国際法は中国が発言する力がなかったときにできたもので、今中国はその国際法をアジャストするべく動いていると答えました。要するに、現行の国際法に従う必要はないと明言しているわけでございます。中国の公船が頻繁に日本の接続水域や領海にあらわれていますが、これはまさに確信犯と言えると思います。
 今の憲法にある国民主権、基本的人権の尊重、平和主義など、すばらしい内容について私たちは絶対に変えるべきではないと思います。しかし、国際情勢が大きく変わっている中で、変えるべきところは変え、加えた方がいい項目は加えたりすることは自然と私は考えています。
 そこで、私たちは平成二十四年に憲法改正草案を出しましたが、これについて多くの御批判をいただきました。しかし、この草案は、あくまで議論のたたき台、土台として出したものであって、ファイナルなものでは全くありません。にもかかわらず、見当違いの批判が多く寄せられていることは全く納得できないものであります。
 憲法九条については、第一項の平和主義については変えるつもりは全くありません。しかし、自衛隊については、現憲法には全く規定されていないことから憲法学者が違憲としている者がいるわけでございまして、したがって、自衛隊の存在を憲法に明記し、そして、自衛隊は何ができ、何ができないかを書き込んでいくことが、これこそが立憲主義にかなっていることと私は考えます。
 憲法二十一条の表現の自由などの規定については、公益及び公の秩序を害する目的の場合は認められないとしましたが、このことに対し、表現の自由を侵害するなどと厳しい批判を受けました。
 しかし、私は通常国会で成立したヘイトスピーチ解消法の立法にかかわりました。この法は、不当な差別的言動の解消に向けた努力義務を課す理念法で、罰則を設けることはいたしませんでした。これに対し、なぜヘイトスピーチ法に罰則を設けないのかといった御批判を表現の自由は絶対だと言っている人たちから多くいただきました。もしそのような罰則規定を設ければ、デモの現場で警察官が発言を聞いてやめさせたり、場合によっては検挙したりすることが可能となるわけです。表現の自由は絶対と言っている人がヘイトスピーチの場合に限っては罰則を設けよと言っていることは全くのダブルスタンダードで、私には全く理解に苦しむところでございます。
 最後に、最近のFNNの世論調査では、各政党は、憲法に関する党の考えをまとめ、それぞれの憲法草案を提案すべきと思いますかどうか、この問いに対しまして、実に八一・四%の人が各党はそれぞれの憲法草案を出すべきと思うと答えています。国民は、各党が草案を出して、それをもとに議論することを期待しているわけでございます。どうか、我々の草案を批判する前に、まず自分たちの草案を出してもらいたいと思います。
 今や、世論調査を見ると、国民の多くが改憲に賛成しています。問題は、どこをどのように変えるかです。現行憲法には明らかな文言の間違いがあります。裁判官の報酬の規定のように、誰が考えてもおかしいと思う規定もあります。私たちは国民の声に謙虚に耳を傾け、そして、この審査会の場で憲法改正の改定項目の具体的議論に入っていくべきではないかと考えています。
 以上で私の発言を終わります。

発言情報

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発言者: 平沢勝栄

speaker_id: 31602

日付: 2016-11-24

院: 衆議院

会議名: 憲法審査会