船田元の発言 (憲法審査会)

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○船田委員 会長、ありがとうございます。自由民主党の船田でございます。
 いささか原則論に戻ることをお許しいただきたいと思います。
 まず、立憲主義でありますが、立憲主義は、為政者や権力者、政権を担う者が憲法に従って政治を行うべきこと、国民を権力の横暴から守るためのものと言うことはできると思います。しかし、最近のマスコミ論調や野党の一部におきましては、立憲主義イコール護憲という誤った定義が横行しているのではないかということを危惧しております。
 立憲主義とは決して護憲第一でもなく改憲第一でもない。時代の変化や国民の権利の増進につなげるために、改正すべきところがあれば、政府の意思ではなくて国民の意思として、勇気と英知を持って、しかもルールに従って改正をする、改正された憲法には国民みんなが従うという態度こそ立憲主義の趣旨に沿うものであると思います。
 立憲主義イコール護憲というすりかえによって、憲法をよりよいものにしようとする国民の主権を行使する機会を奪ってはならない、このように考えています。
 次に、改正の限界について申し上げます。
 憲法改正の限界については、理論的に限界はないとする説もありますが、憲法改正権は憲法制定権力を超えることができないとする、より一般的な学説を採用すべきであると思っています。
 我が国の憲法制定権力は、言うまでもなく、民主主義国家を愛好する日本国民にあるわけであります。民主主義国家としての普遍の原理である国民主権、基本的人権の尊重、そして、国民が過去の戦争の悲惨な経験から学び取った平和主義は、憲法制定権力を持った日本国民の総意であって、決して憲法改正権が侵してはならないと思っております。
 次に、違憲立法審査につきましてであります。
 世界の違憲立法審査の類型は、付随的違憲審査制と抽象的違憲審査制に大別をされます。前者は、アメリカを初めとして、司法裁判所がその役割を担い、後者は、ドイツを初めとして、憲法裁判所が役割を担うという形であります。
 我が国は、従来から付随的違憲審査制を採用しておりますが、個別具体的な訴訟において、当該行政措置などが憲法に適合しているか否かを下級裁判所が判断し、その最終審は最高裁で行われることになっています。
 しかし、最高裁は、憲法以外の案件において多忙をきわめ、なかなか手が回らないこともあり、また、安全保障関連の憲法判断はいわゆる統治行為として門前払いをするなど、十分にその機能を発揮しているとは言いがたいと思っています。戦後、これまでに違憲判断を下したのはわずか十件しかないことも周知の事実であります。
 我が国は、今後、国際情勢の変化、少子高齢、人口減少といった急激な変化に対応するために、迅速な憲法判断、そして憲法保障という仕組みをやはりきちんとつくっておく必要がある。そのために、具体的には、抽象的違憲審査制に移行すべく、憲法裁判所を設置するか、あるいは最高裁判所に憲法部を附置することが検討課題としてあります。
 なお、憲法裁判所の設置には、誰を原告とするのか、裁判官の資質はどう考えるのか、裁判官の任命はどういう方法でどういう人物を選ぶのが望ましいのかなど、解決すべき問題が多いことは、三年前の当審査会でのドイツ・カールスルーエにおける憲法裁判所の視察でしっかり学んだことと思います。また、憲法裁判所の判断が政治的にも国民的にも受け入れられるためには、国民からその憲法裁判所が絶対の信頼を持っているということが欠かせない要素であるということも学びました。
 これらを踏まえて、今後の憲法改正論議においてこれは前向きに扱うべきである、このように思っております。
 以上でございます。

発言情報

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発言者: 船田元

speaker_id: 31837

日付: 2016-11-24

院: 衆議院

会議名: 憲法審査会