秋葉賢也の発言 (災害対策特別委員会)
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○秋葉委員長 これより会議を開きます。
災害対策に関する件について調査を進めます。
この際、去る十月二十六日、平成二十八年八月以降の台風による被害状況等調査のため、岩手県に委員派遣を行いましたので、派遣委員を代表いたしまして、私から調査の概要について御報告申し上げます。
派遣委員は、自由民主党・無所属の会の小里泰弘君、梶山弘志君、工藤彰三君、津島淳君、民進党・無所属クラブの小宮山泰子君、重徳和彦君、公明党の赤羽一嘉君、日本共産党の大平喜信君、日本維新の会の河野正美君、そして私、秋葉賢也の十名であります。
平成二十八年八月以降に相次いで接近、上陸した台風により、全国各地で大雨による被害が発生いたしました。特に、気象庁の統計開始以降初めて東北地方太平洋側に上陸した台風第十号は、東北地方から北海道にかけて、記録的な豪雨をもたらし、甚大な被害が生じております。委員派遣を行いました岩手県では、複数の河川で増水、氾濫が発生し、二十名の方がお亡くなりになり、いまだ三名の方が行方不明のままとなっております。また、多くの住家の浸水被害、農林水産業への被害が発生いたしました。
ここに改めて、今般の災害により、とうとい生命を失われた方々の御冥福を心からお祈り申し上げますとともに、被災者の皆様に対し、衷心よりお見舞いを申し上げます。
それでは、調査の概要について御報告いたします。
まず、岩手県庁におきまして、達増岩手県知事から、被害状況の説明を聴取し、災害応急対策等への財政支援、農林水産基盤の早期復旧及び農林水産業に対する支援、情報通信基盤の早期復旧に対する支援、被災した商工観光事業者等の早期復旧に対する支援等について要望を受けました。その後、住家の被害認定の柔軟な運用、大量の災害廃棄物の処理、応急仮設住宅の設置状況、農林水産業の復旧復興、商工業、観光業に対する支援、東日本大震災と今般の台風災害により二重被災となった事業者への支援、被災文化財の修復、要配慮者への対応等について、意見交換を行いました。
次に、今般の台風で大きな被害が発生している岩泉町を視察いたしました。
まず、岩泉町役場におきまして、伊達岩泉町長から、被害状況について説明を聴取し、災害公営住宅の整備や災害廃棄物の処理に対する財政支援などの当面の課題に対する配慮、インフラ復旧、産業経済の再生及び生活の再生に係る財政支援等について要望を受け、その後、河川管理のあり方等について、意見交換を行いました。
その後、乙茂地区の高齢者グループホーム楽ん楽んを視察いたしました。同グループホームでは、施設のすぐ南側を流れる小本川の氾濫により、入所者九名全員が亡くなられております。グループホームの内部は、窓ガラスが割れ、天井付近まで泥水の跡が残っており、押し寄せた濁流の激しさがうかがえました。
次いで、同じく乙茂地区において、岩泉乳業の被災工場を視察いたしました。同社は岩泉町の第三セクターであり、岩泉町内で生産された原料乳を使用した乳製品を製造、販売するなど、地域の酪農振興に大きな役割を果たしておりましたが、製造設備が冠水したため、現在は操業を停止しております。国の支援等を受け、来年八月をめどに操業再開を予定しているとのことであります。
最後に、鼠入地区の被災現場を視察いたしました。鼠入地区は、町の中心部から南に位置し、川沿いの急峻な地形に民家が点在しております。発災直後から土砂崩れや河川の増水によって孤立状態となり、住民百十二人が自衛隊のヘリコプターにより避難所に搬送されたとのことであります。現在は、応急復旧により道路の通行はできるようになっておりましたが、いまだ大きく損傷した箇所が見受けられました。また、個人または地域で整備した生活橋の多くが損傷したため、住民の生活に大きな不便が生じており、簡易的な仮設橋の設置による復旧が行われておりました。
いずれの被災箇所におきましても、発災から二カ月近くを経ても被害の爪跡が生々しく残っており、今般の台風災害の大きさを改めて実感いたしました。
以上が調査の概要でありますが、今般の台風による岩手県の被害は甚大であり、早急な対策の実施が必要であると強く認識いたしました。
今般の災害により明らかになった課題として、まず、適切な避難行動に資する情報提供のあり方が挙げられます。災害に関する避難情報のうち、避難準備情報は、避難勧告や避難指示を発令することが予想される場合に出されるものであり、避難の準備を促すものでありますが、同時に、避難に時間を要する高齢者等に対しては、避難行動の開始を求めるものであります。しかしながら、その意味が十分に理解されているとは言いがたい現状が明らかとなってまいりました。また、避難行動に資する情報を伝達するタイミング、さらには、その際の市町村における対応の体制等についても、これまでも災害のたびに指摘され、改善してきたところではありますが、引き続きの課題となっております。
また、水害については、一定の高齢者等の利用施設の所有者等には避難確保計画策定の努力義務が課されております。水害に対する避難体制の確保についても、火災に対するそれと同様に精力的な取り組みが求められております。
加えて、気候変動の影響により、これまで被災経験のない地域においても、今後、大きな風水害に見舞われることが懸念されます。想定外の被災とならぬよう、平時から応用力のある備えを進めていく必要があると痛感いたしました。
これらの課題について、既存の仕組みの弾力的な見直しや法改正の必要性も含め、当委員会において積極的に議論していく必要があると決意を新たにした次第であります。
最後になりましたが、今回の調査に御協力をいただきました皆様に心から御礼を申し上げまして、報告とさせていただきます。
この際、お諮りいたします。
派遣地からの要望事項につきましては、これを本日の委員会議録に参照掲載いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕