吉川沙織の発言 (議院運営委員会)
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○吉川沙織君 民進党の吉川沙織でございます。
ただいま提出されました動議につきまして、反対の立場から、会派を代表して意見表明をさせていただきたく存じます。
私どもの会派は、内閣総理大臣安倍晋三君問責決議案を本日場内で提出をさせていただきました。発議者も賛成者も添えて要件を満たした上で、理由も付してしっかりと提出をさせていただきました。本来でしたら、今ほど配られた資料のこれからの議事に追加されてしかるべき案件でございます。
しかしながら、それを与党は、私たちがこれから行おうとする大事な問責決議案を扱わないという判断をまたしても多数決によって行われたのであります。まさかこのような事態になるとは思いもしませんでしたので、今もこの意見表明は急な出来事でございます。本当に立法府に議席を預かる議会人の一人として情けなく、また悔しい思いでいっぱいであります。
私どもは、本日提出をいたしました内閣総理大臣安倍晋三君問責決議案の中に幾つもの理由を書かせていただきました。少しだけ理由を申し上げさせていただきたいと思います。
例えば、憲法第六十一条の規定に、私ども参議院の宿命として、条約に関しては衆議院からそれが送付されて三十日たてば自然成立をしてしまう、こういう宿命がございます。よって、私どもは、審議を開かれた国会の場でしなければならないという思いで、特別委員会の設置にも審議入りにも、開かれた場でしっかりと議論をしようじゃないかと、そういう思いで賛成をいたしました。でも、今国会最大のテーマであったTPPについては十一本もの法律案を束ねて国会に提出をしてきました。立法府軽視も甚だしい行為であると言わざるを得ません。
なぜならば、こういった束ね法案は、国会審議を束ねることによって形骸化し、国会議員の表決権を一度に縛るものになりますので侵害するおそれがあり、そして、十一本も束ねられることによって、どんな法案がどこに含まれて、そしてどんな議論が行われているかということを非常に分かりづらくしますので、国民への情報公開の観点からも問題があります。
ですので、私は、今年の常会から三回にわたって、政府に、束ね法案はいかがなものかという質問主意書を何度も提出をさせていただきました。
平成十九年から平成二十六年の常会では、本則二本以上の束ねの割合は三割台、本則三本以上の束ね法案の割合は二割台でとどまっていました。しかしながら、平成二十七年の常会においては、本則二本以上は四六・七%、そしてまた本則三本以上では三三・六%のものが束ね法案として国会に提出されました。そしてまた、今年、平成二十八年の常会においては、本則二本以上四七・三%、本則三本以上三六・四%。つまり、それだけの割合のものが、今までしっかり別々に分けて国会に提出されていたものが、今は一緒くたに残念ながら立法府に提出をされている。
これは、与党に議席がある方も、それから野党に議席がある私たちも、立法府の人間として、これだけ議論が分かりにくくなるような提出方法を許し、国民に開かれた議論をしなければいけない国会でこのような提出方法がまかり通っている、しかも、その割合が近年とみに増えているということは断ぜざるを得ません。
そしてまた、本来、今回のTPPの法案は内閣官房の所管として出されましたが、内閣の重要政策について、内閣官房、内閣府は政策の方向付けに専念し、各省庁等が中心となって政策を推進することができるよう内閣官房等のスリム化を図った第百八十九回国会閣法第五十四号である内閣の重要政策に関する総合調整等に関する機能の強化のための国家行政組織法等の一部を改正する法律、この趣旨にももとるものであります。
今回も、束ね法として国会に提出されたがために私たちの表決権が奪われた法案、実はTPPのほかにもあります。本来、これまでは全会一致で可決、成立をしていた国家公務員分の育児・介護休業法でございます。これは今まで別に出されていました。しかしながら、今回、九月二十六日の時点では別法として出されるはずだったものが最終的に国家公務員分の給与法と一緒くたに提出をされたがために、一度の表決権しか私たちには与えられませんでした。
私どもの会派は賛成でしたからよかったんですが、それ以外の反対の会派で、給与法に引っ張られて反対をされたところは国家公務員分の育児や介護休暇に関するものについても反対をしたということになりますので、私ども立法府の人間としては、このような提出の仕方は許せないわけであります。
ほかにも例を挙げれば枚挙にいとまはありませんが、一つの理由を具体的に挙げて、私どもがどうしても今回、こういった立法府の矜持として、議会に身を置く議会人の一人として、これは扱っていただきたいという思いでございましたので、この場をお借りして意見表明をさせていただいた次第であります。
最後に、一点だけ申し上げます。
今月十二月八日の参議院内閣委員会での質疑のやり取りで、IR法、いわゆるカジノ法案についてこんなやり取りがございました。
今回のIR法、カジノ法について、政府自身で、刑法で禁じられていることを、民間賭博を認めるような提案は政府としては自分から言い出すことはなかなかできないんじゃないか、そこで議員立法という形で国会が求める、そうすると政府は立法府の要請だから応えるしかない、実はこういうことから二段階の仕組みが提案されてきて、そういうことなんじゃないですかと発議者に問うたところ、発議者は何と答えたか。それは確かに政府の方から、刑法の違法性を阻却する法案を政府が率先して提出をするというのは適当ではないということもあったんだというふうに思いますと。このような答弁、このような質疑、やり取りが交わされました。
議員立法という形で出されましたけれども、閣法と同じような扱いで出された議員立法であると言わざるを得ません。
まさか議員立法で会期の再々延長をするわけではないということを最後に申し上げまして、私どもの意見表明とさせていただきます。