小川敏夫の発言 (法務委員会)
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○小川敏夫君 理念としては分かりますよ。必要な支援を行うので不必要な支援を行わないと、これは理念としては当たり前のことでして。だけど、必要かどうかは、その指導を行う機関が、例えば警察が指導を行うなら警察が判断するわけですよね。そういうことになるわけですよね。そうすると、そこで、例えばその必要かどうかの判断を間違えた場合、あるいはもっと進めば、この法律を濫用するという場合を必ず防止するという仕組みがこの法律の枠組みの中には私はないように思うんですがね。
要するに、話は少し変わりますが、例えば、警察官の職務執行法で職務質問というものがあります。あれは任意です。任意捜査ですから、意に反しては行ってはならないことになっている。だけど、実際にはどうかと。歩いているところを呼び止められれば、自分はもうこんなの協力しないからやめてくれ、もう行くよと言っても、前を立ち塞がられると。その横を擦り抜けようと思っても、横の方に警察官が動いてきて、実際上行動を制約されるわけです。
手は出しません。捕まえません。だけど、任意といいながらかなり意思を、自由意思で全く完全な任意という形ではなくて、かなり強硬に行われていると。そこでどいてくれといって手を出せば公務執行妨害で逮捕されると。ですから、職務質問を仮に受けたことがある人がいれば、そんな職務質問が、任意だといいながら、実際の運用はかなり任意性が制約されているというふうに思うんですがね。
そこで話がまた移りますが、犯罪の予防は警察庁の職務に入るわけです。ですから、犯罪の予防だということで警察がこの人を指導しようと、指導が必要だと警察が判断すればその人を指導することができると。その指導は当然断ることができるといっても、じゃ、なぜ指導に応じないんだと、指導に応じないことの説得することは許されるわけですよね。指導を拒否する者に対して強制的に指導はできないかもしれないけれども、指導を応じない者に対して指導に応じるよう説得するということは私はできると思うんですよ。そうすると、職務質問の例じゃありませんけれども、この指導に名を借りてかなり強硬なことが行われるということが許される余地がこの法律の中にあるのではないかと、私はそういう懸念から聞いておるわけでございます。
そして、この二十一条で、そうした指導が、警察が行う、そして必要かどうかは警察が判断すると、そして指導の内容も行う警察が判断する、そして指導が嫌だと言ってもそれを指導を受けるように説得することはこれは認められると。こういう中で、また話が戻るわけでありますけれども、この対象者は非常に広い。
例えば、今団塊世代以上の人が昔、学生運動などで公務執行妨害で逮捕された、有罪になった事例があると、あるいは、有罪にはなっていない、検挙されただけで釈放されたということもあるけれども検挙歴があると、そうした人に対しても、この法律上警察は指導を行うことができるわけです。あるいは、軽犯罪法も入ると。じゃ、政治家があちこちにポスターを貼る、一軒一軒承諾を受けて貼れば何の問題もありませんけれども、所有者や管理者の承諾を得ないで貼ってしまえば、これは軽犯罪法に抵触する可能性があるわけであります。こうしたものまで対象に入るという、まさに、非常に緩い、もう国民のほとんど誰しもがこの指導を受ける対象に入るというこの規定の中で、この二十一条では、警察が指導の主体となって、その指導が必要かどうかを警察が判断すると、指導の内容も警察が判断すると、そして、指導が任意だといっても、指導に応じない者に対して指導を受けるよう説得を続けることはできるということであれば、これは、警察なり、あるいはそうした一つの権力側がこの法律の本来の理念を外れてこの法律を利用するということができ得るのではないか、そういう余地をこの法文では残しているのではないかと、私はそういう懸念を抱いて質問させていただいておるわけでありますけれども、この私の懸念を解消するような手だてはないんでしょうか、あるいは、どう考えていらっしゃるんでしょうか。