蓮舫の発言 (本会議)
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○蓮舫君 民進党・新緑風会の蓮舫です。
私は、民進党・新緑風会を代表して、安倍総理大臣の所信表明演説に対し、質問をさせていただきます。
質問に先立ち、台風を始め各地で記録的な豪雨が相次ぎました。亡くなられた方々、御遺族に衷心より哀悼の意を表するとともに、被害に遭われた全ての方々に心からのお見舞いを申し上げます。
先週日曜、台風、大雨災害に見舞われた北海道に行ってきました。畑は山から流れ込んだ巨大な流木と岩がそこに並び、まるで河川敷のようになっていました。被害の厳しさ、そこから立ち直ろうとする人々に対し、政府には、甚大な被害に遭われた方々の生活再建、農作物への被害への対策等、地元自治体、地域住民に寄り添った十分な対策を迅速に講じることを心からお願いします。私たちも最大限に協力をいたします。
さて、私は、九月十五日に民進党の代表に選出をされました。ハスは泥の中から凜と茎を伸ばし、花を咲かせます。前途多難な道のりですが、民進党が選択される政策を掲げ、選択される政党になるために先頭に立つ覚悟で国会論戦、政治活動に臨んでまいります。
今夏の参議院議員選挙では、自民党、公明党が議席を伸ばし、私たちは五十一議席の存在になりました。選挙後初めての本会議のとき、与党議員の多さに正直愕然としましたが、同時に、私たちに期待されている声を数に押されて忘れてはいけない。それは、衆参共に巨大な勢力を有する与党の思うがままの政治を許すことなく、政治が間違った方向に進もうとしているときには堂々と異を唱えること、そして、国民の不安を解消するため、提案を持って民主主義を守るべきだという国民の声にしっかり応えていきたいとの思いを強くしました。私たち民進党は、政府の姿勢に対し真っ正面から提案を持って論戦に臨みます。巨大与党が切り捨てている国民の声を、その思いを大きな声で堂々と訴えていくことをまずは申し述べておきます。
さて、平成二十四年十二月に発足した安倍内閣はデフレ脱却をスローガンに掲げました。しかし、デフレ脱却ができないまま、内閣改造ごとにスローガンは上書きをされ、くるくる変わっています。地方創生、女性が輝く社会、戦後以来の大改革、一億総活躍、そして、今回は未来への投資。スローガンだけは活発に循環していますが、経済は全く好循環していない現実にそろそろ向き合っていただきたいと思います。
政権交代で安倍総理がアベノミクスを声高に唱えて、行き過ぎた円高は是正され、これに伴い株価は上がりました。それは、明日にでも経済再生が実現するかのような期待をもたらし、国民のマインドを大きく変えました。率直に申し上げ、この変化はすばらしいと、当時、私も評価をしました。ところが、四年がたちました。安倍総理が目指していたデフレ脱却も経済の好循環もいまだ実現していません。
総理自身もアベノミクスは道半ばと公言していますが、総理の現状認識をお聞かせください。また、異次元の金融緩和、円安による輸出拡大、賃金上昇、消費拡大、更なる企業業績回復という好循環は、一体、いつ実現するのでしょうか。具体的に国民に、総理、御説明をください。
総理は、最近、デフレからの脱出速度を最大限に引き上げると繰り返し表明をしています。この具体的な意味がさっぱり分かりません。足下では金融政策が限界に達し、直近五か月連続で物価上昇率はマイナス、そして消費は依然低迷したままです。こうした現実を前に、デフレからの脱出速度を最大限に引き上げるとはどういう意味でしょうか。そのための具体的な政策は何か。金融政策が限界を露呈した今、二%の物価上昇をどうやって早期に達成するのか、総理、是非教えてください。
安倍政権は、機動的な財政政策、第二の矢として大規模な財政出動を続けてきました。この四年近くで、四回の本予算に加え、今回の補正予算を始め六回の補正予算を組んできました。補正予算というカンフル剤を足下の経済状況に対する不安のために注入するパターンがもはや当たり前となりました。
さらには、アベノミクスは成功しているとしながら、二回も消費増税を先送りしました。矛盾していませんか。一回目の先送り時には、再び延期することはない、断言します、必ずや経済状況をつくり出すことができると決意していると総理は国民に約束したにもかかわらず、さらりと新しい判断としてまた先送りをしました。それは、新しい判断ではなく、ごまかしと言うのではないでしょうか。
総理は、二回目の先送りの理由に世界経済のリスクを掲げました。そのリスクの否定はいたしません。ただ、国民との約束をほごにしたのは世界経済のせいで、御自身には全く責任がないとの認識か、聞かせてください。
アベノミクスの三本の矢とは何だったのでしょうか。日本経済の真の実力を示す潜在成長率は、今や〇・三%との試算があります。これは、第三の矢の成長戦略が失敗したことの現れではないでしょうか。第二の矢の大規模財政出動は、一時的な成長率のかさ上げにしかすぎません。今回の補正でも、約二・八兆円もの建設国債に頼り公共事業を行うとしていますが、こうした上げ底政策では潜在成長力の引上げにはつながりません。
先日の日本銀行の金融政策決定会合では、二年二%の物価安定目標は放棄をされ、量的拡大の限界を認める形の政策転換が行われました。これは、第一の矢の事実上の敗北宣言にほかなりません。
安倍総理、三本の矢は的に当たりもしなかった上、我が国の財政、経済、金融市場、全てが傷だらけになりました。先日、日銀は金融政策に対する総括的な検証を行いました。この検証が自らの正当性を主張する甘い検証とのそしりは免れませんが、今や本当に必要なのは、アベノミクスそのものの検証ではないでしょうか。そして、成長につながらない経済政策を大胆に転換すべきだと思いますが、総理の御認識をお聞かせください。
総理は、所信表明演説で、消費増税延期でも二〇二〇年の財政健全化目標堅持、アベノミクスの果実を生かし、社会保障を充実していくと言われましたが、今回出された補正予算案の財源のうち、アベノミクスの果実と考えられる昨年の剰余金は僅か二千五百億円である一方、約二・八兆円は建設国債、借金です。アベノミクスは順調、でも、消費税は上げられない。アベノミクスの果実を活用する、でも、その果実がほとんどなくなっているので経済対策は借金。これでどうやって財政規律を守るのでしょうか。
過去の税収の上振れは使い道がもう既に決まっています。今後のアベノミクスの果実は期待できません。その中でどうやって財政健全化目標と社会保障の充実を両立させるのか、具体的手段を教えてください。また、今回の演説に行政改革の文字が一文字もありませんでした。あえて行革を原稿に入れなかった理由も明確にお知らせください。
補正予算案の中身に大型公共事業が目立ちます。計上された公共事業全てを否定はしませんが、先日の北海道の視察のときも、今、我が国で最も優先順位の高い公共事業は高度成長期に造ったインフラの老朽化対策だと実感をしました。新たに大型の土木施設建設に取り組むよりも、既存施設の維持、修繕、長寿命化に重点を移すことこそ国民生活に役立つと提案をします。
巨額の借金に頼る大型かつ新規のインフラ整備ではなく、新規建設をなるべく抑えて老朽化対策をメーンに据える発想はなかったのでしょうか。また、こうした新規事業中心の公共事業とともに、既存インフラの老朽化対策は問題なく行っていけるとのお考えなのか、総理に伺います。
異次元の金融緩和、大胆な財政出動を繰り返しても経済成長しないのはなぜなんでしょうか。トリクルダウンが機能し、高度経済成長を遂げた昭和の時代と今、大きく違うのは、日本は人口減少社会になったことです。
昭和三十年代、三人に一人が子供だった時代は過去となり、今や子供は八人に一人と減少しました。当時、総人口に占める割合で五%しかおられなかった御高齢者は、今や総人口に占める割合は二七%となりました。加えて、生産年齢人口も八千万人を切り減少、このままだと二〇五〇年には五千万人を切る見通しになっています。子供が減り、シニア世代が増え、人口減少が進む時代に入ったからこそ、過去に通用した経済政策はもはや処方箋とはなり得ません。今の時代に合った経済政策が必要だと強く提案をします。
GDPの六割を占めるのは個人消費です。安倍政権が政権に就いた二〇一二年、三百九兆円だった個人消費は、二〇一五年に三百六兆円に下がりました。消費増税の影響だけとは思えません。企業業績が過去最高水準に達しているにもかかわらず、消費が低迷しているのはなぜだと総理はお考えでしょうか。なぜアベノミクスで消費が活性されないと分析をされているでしょうか。
消費が拡大しないのは、全てのライフステージでお金をためておかなければと思える不安があるからです。今や四割が不安定雇用となり、一年後、数年後の自分の人生設計が描けないからお金を使うことができないという不安、結婚できるかという不安、子供を産んでも育てられるかという経済不安、大学を奨学金に頼ったものの非正規社員にしかなれず借金が返せないという不安、現役を引退しても年金、介護、医療制度で生きていけるのかという不安、この不安の連鎖を断ち切る。アベノミクスでは解消されていない教育、雇用、老後の不安を取り除いて初めて個人消費が動き出すと私たちは考えています。
だからこそ、教育や子育て支援、職業訓練などの若手・現役世代への再分配、社会保障の充実を通じたシニア世代への再分配、人への投資を重点的に強化することこそが経済再生につながる王道だと私たちは考えますが、総理のお考えはいかがでしょうか。
二〇一六年度経済財政白書では、個人消費について、雇用・所得環境の改善にもかかわらず、力強さに欠け、所得から支出への波及が遅れていると指摘。勤労者世帯のうち世帯主が三十九歳以下の若年子育て期世帯は、可処分所得が緩やかに増加している中でも消費支出がほとんど伸びておらず、所得に占める消費の割合を示す平均消費性向は低下を続け、節約志向が強まっています。
働き方も大きく変わりました。一九九七年を境に働く夫と専業主婦の世帯より共働き世帯が多くなり、今や一千百万世帯となりました。この三十年間で共働き世帯は約一・五倍になりましたが、全世帯の収入はピーク時に比べて約二割減。なぜ一人より二人働く世帯が多くなった今の方が世帯収入が減っているのでしょうか。
そして、今や日本人の六割が平均所得以下となりました。所得の安定していた層の定年退職が進み、結果、生活が苦しい人の割合が増えています。その重荷を軽減するためにも、教育、雇用、老後の不安を取り除く再分配を行うべきです。バブル崩壊以降、社会や国民生活をめぐる状況は大きく変化をしましたが、我が国の政府の再分配機能は質的にも量的にもこの変化に対応していないと考えますが、総理の認識をお聞かせください。
アベノミクスの果実を生かし、優先順位を付けながら社会保障を充実していきますと総理は演説で触れましたが、果実の予算規模は幾らで、社会保障の充実のために何を優先するのかが全く分かりません。私からは、最優先で手を着けるものは年金積立金の運用改善だと提案をします。
二〇一四年十月、安倍内閣は年金積立金、GPIFの株式運用比率を倍増させました。その影響で、昨年度から本年六月までの十五か月間で十兆円もの運用損が出ています。この事実が国民に与える影響、不安は決して小さくありません。
更に問題なのが、GPIFと日銀が巨額な公的資金を市場に投じ、市場をゆがめている点です。GPIFは二〇一五年三月時点で国内株の二千銘柄以上を保有、時価総額は三十・五兆に達し、今や日銀のETF購入と合わせ上場企業の四社に一社の筆頭株主が公的マネーと報じられます。株価が下がっても売るに売れず、結果的に損失が拡大する懸念も拭えないのではないでしょうか。
国民の不安をあおるかのような年金積立金の運用はやめ、リスクが低く、市場をゆがめない運用に戻すべきだと提案をしますが、総理、この提案を取っていただけるお考えはあるでしょうか。
さきに、所信表明演説に行政改革という言葉が全くないと触れました。総理は、社会問題となっている子供の貧困にも一文字も触れませんでした。子供の貧困の解決なくして次世代の未来は成り立ちません。未来と唱える前に現実と向き合ってください。
今や日本では六人に一人が貧困状態です。一人親家庭のお子さんは二人に一人が貧困状態。豊かと言われる東京でも子供食堂の開設が後を絶ちません。食べられない子供は親の自己責任と切り捨てていいんでしょうか。労働者の給与が下がり、不安定雇用が増え、一人親がダブル、トリプルワークをして生活保護を受けずに頑張っても子供を満足に食べさせることができない方がおられる。だから私たちは、一人親家庭を支えるための児童扶養手当を改善すべきと何度も提案してきました。
さきの通常国会で、政府は、第二子の手当を一万円、第三子の手当を六千円へと倍増するとしました。厚労省の試算では、この額を三万円にして初めて貧困率が一〇%の改善となり、この程度の改善では効果が薄いのが明らかになっています。政府は、さらに、財源が足りないと所得制限を入れました。来年度概算要求を見ると、児童扶養手当に所得制限を入れた場合と入れない場合の差額は二十二億円です。
貧困の子供たちを救い、未来の納税者になる自助を促すための二十二億円が措置できない理由はどこにあるんでしょうか。総理、是非教えてください。
今年の予算委員会でも指摘をしましたが、安倍内閣は子供の貧困対策予算の一部を民間の寄附に頼っています。第二次補正予算案でも、来年度予算の概算要求でも、子供たちを助けるNPOを直接支援する予算はどこにも計上されていません。この民間からの寄附を財源とする基金から助成金が支給されるだけです。民間基金の尊さは尊重します。ただ、なぜ国は直接子供の貧困対策を支援されないのかを是非聞かせてください。
日本は今、子供だけではなくシニアも厳しい状態となりました。生活保護を受ける高齢者は受給者全体の半数を超えました。単身の六十五歳以上の男性で三〇%、女性で四五%の方が貧困状態です。
低所得の高齢者の暮らしを支えるため、年金の最低保障機能を強化することをこれまで提案し続けてきました。社保税一体改革の法改正で、消費税一〇%への引上げに応じた社会保障の充実策として、約七百九十万人の年金受給者に対し最大六万円の追加的給付を行うことを決めました。この政策の必要性に対する総理のお考えをお聞かせください。
また、最初の消費税増税先送りによって、追加的給付の措置は既に一年半先送りされています。今回の二回目の先送りをそのまま反映させれば、追加的給付は都合四年間も先送りされることになります。政府の財政運営の失敗を年金受給者にこうした負担で強いることは適当ではないと考えます。
公共事業に何兆円もの予算を充当する余裕があるのであれば、政府が一丸となって財源確保に全力を挙げ、来年四月からの追加的給付を実施することを行うべきと考えますが、総理、いかがでしょうか。
安倍総理の掲げる介護離職ゼロには賛成をします。ただし、その中身には不安しかありません。
介護離職を防ぐには介護サービスの充実が必要です。しかし、総理は昨年、介護サービスの低下を招きかねない介護報酬の大幅引下げを行いました。介護離職ゼロを目指すのに、なぜこのような政策を先行させたのでしょうか。
事実、その影響で、東京商工リサーチの調査では、今年一月から八月までの老人福祉・介護事業の倒産件数は過去最高のペースで推移しています。結果、介護施設の入所待ち、介護が必要なのにサービスを受けられずに家にしか居場所のない高齢者が増えます。誰がその面倒を見るのでしょうか。介護離職ゼロと逆行しています。
こうした安倍内閣の既に行っている政策と介護離職ゼロという看板の整合性について、総理の答弁を求めます。
介護サービス利用料の自己負担二割の対象拡大、福祉用具の原則自己負担化、要介護度の軽い方向けの生活支援縮小が検討されていますが、こうした負担増、サービス切捨ての施策は、真に必要な人にサービスが提供されず、ひいては要介護度の悪化が懸念されます。
財源に限りがある中、所得に余裕のある高齢者には負担を増やすなど、世代内の再分配が必要と考えますが、総理はどうお考えでしょうか。仮に、この考えに御同意をいただける場合、どの程度の収入のある高齢者に負担増をお願いすることが適当とお考えでしょうか。さらに、来年四月から実施する予定だった約一千百万人の低所得の高齢者の介護保険料の軽減、これも先送りをするのか、総理にお伺いします。
介護離職ゼロを目指すのであれば、介護サービスを切るのではなく、介護現場の人材不足を解消することが不可欠です。私たち野党は介護職員等の月収を一万円引き上げる法律を提案しましたが、与党は案を一顧だにせず否決。ところが、この夏の選挙前に突然、政府・与党は介護職員の処遇改善を行うと言い始めました。選挙前と選挙のときの身の変わり方が物すごく分かりやすいです。
しかし、選挙が終わった後に明らかにされた今回の補正予算案に介護職員給与を直接引き上げる予算はありません。総理、選挙前に言われたことが予算で裏付けられていない理由を教えてください。選挙が終わって、またも方針を転換されたのでしょうか。
介護職員の給与を上げるのか下げるのか、選挙で国民に約束したことをいつまでにどうやって実現するか、お答えください。
少子化なのに待機児童が減りません。逆に増えています。今年四月一日の待機児童数は前年より増え二万三千五百五十三人、潜在待機児童数も前年より増え六万七千三百五十四人となりました。
総理も受皿整備に尽力をされていますが、最大の課題は、箱物整備ではなく、保育士不足です。その大きな理由は給与が低いことです。子供を守る大きな責任と重労働でありながら全産業平均より月十一万低い給与では続けられないとの声を何度も聞いてきました。
私たちはこの声に応え、さきの通常国会に保育士等の賃金を五万円程度引き上げる法案を出しました。五万円引き上げて、国家資格である保育士の給与が高卒で働く方々の平均給与水準になります。しかし、政府・与党は私たちの法案に全く向き合ってくれませんでした。政府が予定している処遇改善は二%、月額六千円にしかすぎません。この加算では人材不足は解消されず、待機児童の問題の解消にはつながらないと考えますが、いかがでしょうか。
築地市場の移転問題を一つ質問します。
卸売市場法では、中央卸売市場の位置を変更する際に農林水産大臣の認可を受けなければならないとされています。民主党政権になったとき、石破前大臣が赤松大臣に、安全が確認されない限りはサインしないと皆さんに言ってきたと引継ぎが行われたとのことです。この方針に変更はありますか。安全性が確認されない限り、国は最終的に認可しないということでよろしいでしょうか。東京都政に限らず、食の安全に関わる国民の関心の非常に高いテーマです。総理に国の関与、責任について明快な答弁を求めます。
食の安全、国への信頼が揺らぐ疑惑も明らかになりました。輸入米の価格偽装です。国が輸入商社から米を買い入れ、その価格に上乗せをし、卸売業者に売り渡す仕組みにより、国産米価格を不安定にしないとしていたものが、商社が卸売業者にリベートを支払っていた、つまり国の公表する価格より実際は安く仕入れていたことで、安い輸入米が流通していた価格偽装はあったのでしょうか。教えてください。
価格偽装があったならば、輸入米価格は国内の米価と同等で影響は生じないとする今回のTPP合意を正当化してきた政府の説明が有名無実化します。TPP影響試算の前提が崩れることになります。しかも、二〇一四年十月、まさにTPP輸入交渉のさなかに商社からこのリベートの存在を伝える告発メールが農水省の担当者に届いた、それでも対処をしなかったと報じられています。山本大臣は会見で、こういったことが臨時国会のTPPに対する一つの争点の中に加わったという認識が十分ございます、調査結果が出てからゆっくりお答えをさせていただきたいと思いますと極めて常識的な発言をしています。
輸入米の価格偽装、その真相究明とTPPの影響試算を責任を持ってやり直すべきだと提案をします。総理の御見解を伺います。
私たち民進党は、納税者の味方でありたいと思っています。皆様が納めた税金がきちんと行政サービスとして返ってくる、負担に見合った受益を感じられる政治を実現すべく、私は行革をライフワークとしてきました。
その意味で、コンパクト五輪を標榜し、招致に成功した二〇二〇東京オリンピック・パラリンピックですが、施設整備関係費を始め、大会費用が当初予定の三倍、四倍以上と膨張の一途をたどっています。先日も、施設整備予算を小さく見せかけるため、別の局の予算に付け替える言わば会計操作が二百三十二億円にわたって行われていると報じられました。また、東京都の調査チームが競技会場整備見直しの提言を行うと言われています。東京オリンピック・パラリンピックの予算は組織委員会が担いますが、資金が不足した場合には東京都が、それでも足りない場合には国が払うことになっています。
総理、組織委員会に徹底した情報公開を行わせ、国も東京オリンピック・パラリンピックのその経費に関与すべきと考えますが、御所見はいかがでしょうか。
女性だからと、初の女性との肩書で報道される時代が早く終わってほしいと思います。男でも女でも能力で等しく評価される社会を実現したいと思っています。ガラスの天井に阻まれることなく、性別や出自で制限されることのない国をつくることは私の願いでもあり、民進党の願いでもあります。
安倍総理が輝く女性と口にされたとき、正直、すばらしいと思いました。ようやく与野党を超えて女性政策を前に進めることができると喝采を送りましたが、僅か一年でこの言葉は消えてなくなりました。今回の所信表明演説にも一言も触れられていませんでした。
総理、もう女性活躍は実現したから言及しなかったのか、それともスローガンとしての利用価値がなくなったと判断されたから言及しなかったのか、最後にお考えを伺います。
一億総活躍。どうか、一億でくくらないでもらいたいと思います。活躍したい人も、活躍したくても環境が許されない方もいます。活躍より今の自分をただ認めてもらいたい方もいます。活躍する人を支えることに喜びを見出す方もいます。多様性を認め、共に生きる社会の中にいると実感ができるような、経済数値だけでは計れない人の豊かさを全ての人々が感じられる国を私は目指します。
両手を広げても空を飛べないけれども地面を走れる、鈴のようなきれいな音は出ないけどたくさんの歌を知っている、みんな違ってみんないい、金子みすゞさんの歌のような多様性を認める社会を、未来を民進党はつくっていくとお約束をし、私の代表質問と代えさせていただきます。
御清聴ありがとうございました。(拍手)
〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇、拍手〕