古賀之士の発言 (本会議)

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○古賀之士君 民進党・新緑風会の古賀之士でございます。
 まず、私の地元福岡、今、JR博多駅前は道路の大きな陥没によって大変なことになっております。謹んでお見舞いを申し上げますとともに、与野党関係なく一日も早い復旧を願う一人でもございます。
 さて、私は、会派を代表いたしまして、ただいま議題となりました社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための消費税法の一部を改正する等の法律等の一部を改正する法律案につきまして質問いたします。
 私にとって初めての本会議質問が、国民生活に大きく関わる重大な法律案であることに対し、責任を感じております。また、私は、申し上げましたとおり福岡県の選出でございますが、同郷の総理大臣経験者である麻生財務大臣の胸を借りることにも武者震いしております。
 さて、まず、この本会議において議題となったのが政府提出法案であることは残念であると申し上げておきます。本来ならば、民進党が衆議院に提出した消費税率の引上げの期日の延期及び給付付き税額控除の導入等に関する法律案が衆議院で可決され、本院での議論が始まることを期待しておりました。政府提出法案が抱える大きな問題点である軽減税率ではなく、我が会派が提案する給付付き税額控除こそ、消費税の逆進性対策に最もふさわしいと確信しているからであります。
 その最大の理由は、軽減税率が既に実施されている他国の経験から、何が対象で何が対象外なのか、余りにも分かりにくい仕組みだからです。現代社会は多様化、複雑化が進んでおりますが、むしろ、それがゆえに制度や仕組みはできるだけシンプルで分かりやすいものにすべきです。政府法案は、中身が複雑で、その名前も、元アナウンサーの私もかみそうです。ですから、法案の名前も中身も簡潔で理解しやすい我が党の法案こそ、全ての国民に関わる消費税の改革にふさわしいと自負しております。
 ほかの会派の皆様におかれましては、今からでも遅くありませんので、我が党の法案を衆議院で議論していただけるようにお願いをいたします。
 さて、消費税率の一〇%への引上げは、そもそもは二〇一五年十月に予定されていたものでした。それが、二年前に二〇一七年四月に延期されましたが、その際に総理は、再び延期することはない、ここで皆さんにはっきりとそう断言いたしますと述べられました。しかしながら、今年の春に示されたこれまでのお約束と異なる新しい判断という、一般的には全く理解できない意味不明な基準を基に引上げを更に延期したものが、今回の法案の骨子であります。公約違反ではないかという批判を真摯に受け止めるとも総理は記者会見で述べられました。法案担当者である麻生財務大臣におかれましては、参議院での審議を始めるに当たり、再延期に至った新しい判断について、国の内外どちらの要因が大きいかも含め、御説明をお願いいたします。
 また、総理は、景気判断条項を付すことなく確実に実施いたしますと記者会見でおっしゃいました。しかし、景気判断条項をあえて削除したにもかかわらず、本法案によって再び延期が予定されています。結局は、二〇一九年十月に至ってもまた今回と同じことになり、その結果、税率引上げはいつまでたっても行われないのではないかという疑念を生じさせます。こうした懸念について麻生財務大臣のお考えをお伺いいたします。
 なお、削除された景気判断条項は、消費税法附則第十八条第三項です。その第一項では、平成二十三年度から平成三十二年度までの平均において名目の経済成長率で三%程度かつ実質の経済成長率で二%程度を目指す措置を講ずるとされています。この数字を達成するために、本年度から平成三十二年度までの各年度の平均において、名目及び実質の経済成長率がどれほど必要か、石原経済財政担当大臣よりお答えをいただけますでしょうか。
 また、日本経済が個人消費を中心に力強さを欠いていることから、一部では平成二十八年度三次補正予算が必要ではないかと意見が出ております。この点について麻生財務大臣のお考えをお聞かせ願います。
 さきに述べましたように、民進党は、軽減税率ではなく給付付き税額控除を導入する議員立法を提出しております。この軽減税率と給付付き税額控除は、三党合意によって共に検討事項とされたはずでした。しかし、多くの議論が行われた軽減税率に比べて、給付付き税額控除はほとんど検討されていないのではないでしょうか。これまでの経緯において、給付付き税額控除が議題となった政府主催の会議の日時とおよその討議の時間数を石原社会保障・税一体改革担当大臣よりお答えいただけますでしょうか。
 本法案で消費税率引上げを二年半延期しますが、実際に引き上げるに当たっては、我が国の競争力が向上するなど、引上げに足りるだけの経済環境を整えることが必要ではないでしょうか。
 しかし、果たして国際社会からはどう見られているでしょうか。例えば、世界銀行の発表した二〇一七年版ビジネス環境報告書によれば、我が国は全体評価で先進国中二十三位と、前年より更に順位を落としました。政府の目標である二〇二〇年までに先進国で三位以内は極めて厳しい状況です。民主党政権時の十五位から大幅に下がっていることと併せ、日本のビジネス環境の改善に向けてどのような施策を行っていくのか、石原経済財政担当大臣にお伺いをいたします。
 また、国民一人一人の力が存分に発揮できるような社会環境も重要です。そのためには、現政権が最重要課題の一つとする女性が輝く社会を実現しなければなりません。しかし、残念ながら黄色信号、イエローライトがともっていると言わざるを得ないでしょう。世界経済フォーラムによる二〇一六年男女平等ランキングでは、百四十四か国中百十一位と、前の年の百一位より低下しました。女性政策の現状と国際評価、今後の対応について、加藤女性活躍担当大臣のお考えをお伺いいたします。
 現行の法律であれば、税率の引上げは来年四月に行われる予定でした。これに伴い、秋から来年の春にかけて、いわゆる駆け込み需要が発生した可能性が高いと思われます。予定どおり来年四月に税率が引き上げられた場合と本法案によって二〇一九年十月に延期された場合の駆け込み需要の増減について、特に影響が大きいと思われる自動車及び住宅を対象にどう試算しているのか、大変興味があります。そもそも試算を行ったのか行っていないのか、行ったとすれば、その結果を石原経済財政担当大臣にお伺いをいたします。
 消費税については、単に税率引上げの時期を延期すればよいというものではありません。一〇%引上げ時に実施予定だった社会保障の充実について、どのような対処が必要かを明示する必要があります。この点、麻生財務大臣は、衆議院で、全てを行うことはできませんが、赤字国債を財源に社会保障の充実を行うような無責任なことは行いませんと述べています。しかし、税収の上振れや底上げが財源であるとすれば、本年度上半期の税収等が前の年より四・八%下回ったことを考えると、これも無責任と言えるのではないでしょうか。
 一〇%引上げの際に予定されていた政策のうち、来年春から行う政策にはどのようなものがあり、行うことができないものは何か、石原社会保障・税一体改革担当大臣からお答えをいただけますでしょうか。また、行う予定の政策についてはどのような財源を予定しているのか、麻生財務大臣よりお示しをお願いいたします。
 軽減税率については、財源の確保が十分になされていないにもかかわらず実施を明言されています。これこそまさに無責任と思われます。もし不当と思われるのであれば、軽減税率で減収となる額に見合う財源を満額確保できているはずですが、この点について麻生財務大臣にお伺いをいたします。万が一、本法案の審議を参議院で始めるに当たってなお軽減税率の財源が不足しているのであれば、財源が満額確保できる時期の確実な見通しをお示しいただけますでしょうか。
 なお、財源の予定に総合合算制度の見送りによるものが含まれているのであれば、本来は負担が軽減されたはずの国民の人数及び代替措置の有無を塩崎厚生労働大臣よりお答え願います。
 年末には、ロシアのプーチン大統領の訪日が予定されています。日ロ首脳会談では様々な問題が議論されるでしょうが、国民にとって最大の関心は、言うまでもなく北方領土の返還です。旧島民の方々はもとより、全ての日本国民の悲願であると言っても過言ではないでしょう。
 しかし、戦後七十一年、日ソ共同宣言から六十年、東京宣言からでも二十三年が経過しており、そう簡単ではないということも理解しております。この点、ロシアと交渉するに当たり、何らかの財政支出が発生する可能性があるのか、政府系金融機関による資金協力の可能性の有無も含め、麻生財務大臣からお答えをいただけますでしょうか。
 最後に、税を徴収する機構及び人員の状況についてお尋ねをいたします。
 消費税を含め、あらゆる税の徴収業務は、法律の制定のみでは不十分であり、最終的には優秀かつ責任感のある人材によって確保されているはずです。しかし、現状では大きな不安を抱えております。
 新規発生滞納額のうち消費税の占める割合は六四%で、国税徴収額全体における消費税の割合二八・九%と比べて非常に高くなっています。早期の不公平感是正が求められていますが、国税庁の定員は過去五年間で六百人近くの五百九十七人の減員となっており、業務量に見合った人員配置とはとても言えないのではないでしょうか。加えて、本法案で予定されている軽減税率が導入されれば、対象品目の判定などを始め、税の相談や徴収の現場に大きな負担が掛かることは間違いありません。
 消費税を始めとする適正、公平な課税と徴収の実現及び歳入の確保のためには、国税職員の定員確保と機構の充実が急務と思われますが、麻生財務大臣のお考えをお聞かせ願います。
 また、消費税が五%から八%に引き上げられた際に、金の密輸が件数で二十二倍、脱税額で八倍に激増いたしました。一〇%引上げの際にも同様の事態が発生することが十分予想されますから、これに対応する税関職員の定員確保と機構の充実も大変重要です。この点に関して、麻生財務大臣のお考えをお伺いいたします。
 本件につきましては、地方の財務局に所属する人員も含め、財務省内部の定員調整によって業務に必要な人材が不足することのないよう内閣人事局に断固とした態度で臨むことを、強力なリーダーシップを持つ麻生財務大臣にお願いするものであります。
 結びに、社会保障と税の一体改革は、今後の日本にとって最も必要となる政策課題です。民進党は、人への投資が未来をつくるを大きな政策理念としておりますが、投資には財源が欠かせません。財源の議論を真剣に行うことをお約束いたしまして、私の質問といたします。
 御清聴、誠にありがとうございました。これで質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣麻生太郎君登壇、拍手〕

発言情報

speech_id: 119215254X00920161109_005

発言者: 古賀之士

speaker_id: 27432

日付: 2016-11-09

院: 参議院

会議名: 本会議